「イザーク。」
に呼ばれた気がして、イザークは歪んだ笑みを浮かべる。
会いたさゆえに、ついに幻聴までが聞こえたのか、と。
「イザークってば!」
「?!」
幻聴でなかった。
もう一度、怒ったように呼ばれてついにイザークは振り向いた。
そこに、車椅子に乗ったままのがいた。
そのの両隣りには、アスランとキラの姿があった。
「・・・・・・・?」
イザークの声がかすれた。
そのせいでを呼ぶ声はとても小さかったけれど、はしっかりうなずいた。
「ストライクを救出にきたオーブに助けられたの。・・・意識を取り戻したのは最近だけど。」
つまりは、それだけ重症だったということ。
イザークはおもわず顔を背けてしまった。
すべては自分の行為所以なのだから。
「そんないきさつでカガリ様が私の身体を引き受けてくれて、アスランやキラと知り合って・・・。」
が続きをうながすかのようにアスランとキラを見た。
「すまない。君たちが知り合いだとわかっていれば、連絡のとりようもあったんだが・・・。」
「さっきね、お見舞いがてらのところで話してたんだよ。」
『今日はあのアスランに旧友が、わざわざプラントから来たんだよ?』
『わざわざプラントから?よっぽど仲が良かった人なんですね。』
『仲が良い・・かはわからないが・・・。本来の目的は慰問だそうだから。』
『慰問?・・・ニコルの?』
『イザークははっきりとは言ってくれないから・・。けど、どうやらニコルだけじゃないらしい。』
『イザーク?・・イザークって今言いました?!』
話が急に変わったのは、このときだった。
「それで聞いてみたら、イザークはやっぱり私の知ってるイザークだってわかって。どうしても会いたくて連れてきてもらっちゃった。」
車椅子に乗りながら、それでもはイザークににっこりほほ笑みかける。
「私を殺したと思ってた?」
イザークはまだ幻を見ているようで、このことが真実なのかわからないでいた。
それでもゆっくりの傍にやってくると、と目線を合わせるようにしゃがみこんだ。
「俺の目の前で・・・お前は・・・。爆発したはずだ。・・・どうして・・?」
「戦闘機のコックピットに、緊急遮蔽システムをつけてあったの。だから生きてられた。
・・・といっても、救出が少し遅ければ一緒に溶けてたけど。生きてるのはキラのおかげかな?」
「カガリのおかげだよ。」
「ん。いろんな偶然が、私の命を救ってくれた。・・・イザーク?」
はイザークの頬にてのひらを寄せた。
されるがままに、イザークはの行為を受け入れた。
「ごめんね、イザーク。」
「〜〜〜・・・、なんでが謝る。」
「だって、私のせいで泣いたでしょ?」
「・・・うるさい・・・っ!」
「うわっ!」
の両脇でキラとアスランが騒ぐ。
「倒れちゃうよ!イザーク。」
「なにしてるんだっ!?」
けれど、イザークはそんな二人などお構いなしだった。
すんでのところで車椅子は転倒せずに、はイザークの身体を受け止めた。
見た目のとおり細くなったの身体を、イザークは強く抱きしめた。
「守り、たかったんだ・・・!ずっと、を。・・・今も・・・!」
「・・・うん。」
「今度こそ・・・、嫌とは言わせないぞ・・・!、プラントへこい・・・!」
「うん。・・・いく。」
イザークとの胸元で、同じハウメアの護り石が揺れていた。
END
【あとがき】
〔赤と青〕これにて終了です。
遅れまくったイザークの誕生日夢、ってことにしてください。(泣)
ずっと続きを書きたいと思っていたので、こういう形で完結させてあげられて、良かったと思います。
なんせライナはハッピーエンド主義!なので。
これからプラントへ行って、思う存分イザークにはちゃんを守ってもらいましょう。
といっても、ウチのヒロインズは守られてるだけではいられないコばかり・・・。
プラントへ行っても、堂々とイザークの隣りを歩いてくれているのでしょう。
こちらの隠しページまで読んでいただいて、本当にありがとうございました!
そして、イザーク!
今年はバースディぴったりにお祝いできなかったけど、今もライナはイザークを愛してます。
お誕生日、おめでとう。