2024.12.20
甲斐よしひろと同じ小中学校卒というクニ河内、チト河内兄弟の過去を語る会というのが YouTube にあって、長くて退屈して、飛ばして観た(中で披露した「透明人間」は面白かった)のであるが、後半で中島みゆきの編曲の話が出てきた。彼らはアルバム『御色なおし』(1985年)の中の数曲を担当していた。このアルバムは中島みゆきが編曲上の冒険を始めた『はじめまして』というアルバムの次の作で、ここでは自分が他の歌手に提供した曲のセルフカバーを曲の選定も含めていろいろな編曲者に任せている。意図としては編曲者のお試し会ということだったのだろう。この中で生き残った編曲者は甲斐よしひろと後藤次利だった。
そういうことで、久しぶりに『御色なおし』を聴いてみた。歌詞をよく聞いてみると確かに、時流に合わせながらも,、言葉に中島みゆきらしい捻りが見られて面白い。
「心の一つ位 女だって持ってる あの人には見えないらしい」(ひとりぼっちで踊らせて)中島みゆきの声の方はちょっとか細くて可愛い感じである。まあ、曲調に合わせたのであろう。
ついでに提供先の歌手の演奏も聴いてみた。今では全部が YouTube で聴ける。研ナオコ、増田けいこ、郷ひろみはそれなりに素晴らしいし、松坂慶子も可愛いが、柏原芳恵、グラシェラ・スサーナ、古手川祐子は素人っぽい。郷ひろみへの提供曲は、ここでカバーした「美貌の都」の他に「比呂魅卿の犯罪」があるので、それらを含むアルバムを聴いてみた。郷ひろみの個性は際立っていて、現在でも変わっていない。中島みゆき風のロックにはピッタリの歌手だったのかもしれない。次のアルバム『Miss M』にも繋がる感じである。
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