世界樹のトネリコの名はユグドラシル、あるいは現代アイスランド語風に言えば、イッグドラシル。そこには神々の最も大事な、聖なる場所があると言われています。また枝は全世界に広がり、空を越えて伸びているのです。三つの根っこがその樹をささえている、とスノッリの『エッダ』と、その元になったと思われる「グリームニルの言葉」という詩には書かれています。一本は神々のところに伸び、もう一本は、かつてギンヌンガ・ガップのあった、霧の巨人たちの領域まで、さらにもう一本は地の底、ニヴルヘイムにまで伸びています。そこではニズホッグと呼ばれる龍が、根の先端を噛んでいると、スノッリは記します。その龍を、ノルウェーの人々はこんな風に表したのですね。いやー、ちょっと意外な感じの「龍」ですね。
だって、羽がはえているんです! 普通は蛇のように考えられています・・・。