不思議な意匠の入ったルーン遺石
まんなかに描かれた三つの葉っぱが絡み合ったようなデザインは、ある宗教的な意味があると考えられています。
この不思議な意匠は、現在ではキリスト教的意味合いが
あると解釈されています。
つまり三位一体のキリスト教の神を表すというのです。
「シャグン(テグン)とグンナルが 自分たちの
兄であるヴェーズル(ヴェーデル)の記念に
これらの石を建てた」
とルーン碑文の中に記されています。
このルーン石碑は1875年に、サンクト・ペールスガータン(聖ペール通り)という
通りとクロスターガータン(修道院通り)という通りの間にあった
フランシスコ会修道院の壁から発見されました。
Warhornさんによれば、これは修道院建設のための資材として
ウプサラに運ばれたものだそうです。
事実、この碑文中の言葉「これらの石」という複数形が意味することは、他にも石が一緒に存在したはずだ
ということですが、フンボーにあるルーン石碑(ウップランド・ルーン石碑 U991番)には、そっくりな
碑文が残されています。
さらに、ウップランド・ルーン石碑 U990番は、ヴェーデル、テグン、グンナルの三兄弟が
父ホルセを記念して建てたものです。フンボーにはまた、ホルセとその弟ケッティルが、彼らの父テグンの
ために建てたルーン石碑があります(ウップランド・ルーン石碑 U999番)。
11世紀の碑文
「thiakn/auk/kunar/raistu/stana/aft[i]r/uaþr/bruþur/sin」(ルーン碑文写し)
「Þjagn ok Gunnar/reistu/steina/eftir/Veðr/bróður/sinn」(古北欧語標準化形)
ウップランド・ルーン石碑 U937番