ウルネス様式の入ったルーン遺石
実は、2000年の二月の段階では
左のように作業中だったのですが、
その後の復元作業の結果
下のように復元がなされておりました。
色がなくなってしまったのが個人的には
残念ですが・・・(笑)
そうなのです。ちゃんと十字架まで描かれていたのですね。
流麗な獣のデザインはそのままに、八の字形の
ルーン碑文も美しいですねぇ。
「グッログは自分の娘ギッログ--ウルヴルが娶った--の魂の
為の『橋』を造らせた。オーピルが[ルーン文字を]彫った」
とルーン文字で刻まれています。
このルーン石碑は1729年、オーロフ・セルシウスが、ラッガの
モーラ牧場で発見したとされます。
1867年、パリの万国博覧会に出品するため、ウップランドの他の
二つのルーン石碑(U896、U1011)と共に国外に運ばれました。
『魂の橋』[此岸と彼岸の]への言及は、ルーン碑文の中に、比較的頻繁に見られるものです。
しかしながら、女性を記念したルーン石碑はまれなのです。
ギッログの夫ウルヴルは、恐らく既に亡くなっていたと思われます。というのも、
この石碑の建立者として言及されていないからです。
「khulu/lit/kara/bro/fr/ant/kilaua/totur/sin/uk/sum/ati/ulfr/ubir/risti」(ルーン碑文写し)
「Gullug/lét/gera/brú/fyrir/anda/Gillaugar/dóttur/sinnar/ok/som/átti/Úlfr
Öpir/risti」(古北欧語標準化形)
11世紀
ウップランド・ルーン石碑 U489番