ブルナンブルフの戦い『アングロ・サクソン年代記』より

この詩について
頭韻詩 逐語的試訳

 

この年 エセルスタン王 諸侯の主

人々の宝の授与者(=王)は、そして彼の弟

エアドムンド王子も、永きにわたる栄光を

戦場にて振るう 剣の切っ先をもって

ブルナンブルフにおいて 勝ち得たり。 板の壁(=楯)をこぼち

戦いのリンデンの樹(=楯)を切り裂きぬ、鎚の残すもの(=剣)にて

エドワードの息子らは; 彼らにとりて しくあるべきことなり

その血筋からすれば; 戦において幾たびも

あらゆる憎むべきものに対して、国を 宝 そして 故郷を

護りたることは。 敵は滅びぬ

スコットの人々 そして船を浮かべる者ども(=ヴァイキングたち)

運命の定めた者は倒れたり。 戦場の野には 流れぬ(?)

勇者の血液が、陽が昇りし時

朝の刻に 栄光の天体が

地の上を滑り、 神の 永遠なる王の

明るき灯火が、 やがてその高貴なる被造物が

その住まいに沈むまで。 そこに多くの勇者は横たわり

槍にて滅ぼされぬ、 北の男たちの多くが

その楯の上から矢に撃たれて。 同様にスコットの者たちもまた

戦いに 倦み疲れ果てて。 ウェスト・サクソンの者たちは

日長一日 戦隊を組み(馬に乗って?)

憎むべき敵の 跡を追いぬ

戦場から逃げる者たちを叩き切れり  後から力強く

砥石で研ぎ澄ました剣によりて。 マーク(=マーシア)の者たちも控えることはなかりき

激しい手の技(=戦い)を どの戦士にに対しても

アンラーフ(=オーラヴル)と共に 波立つ海を越えて

船の懐に乗って この土地を狙いし者たちに

運命に定められて戦場に参りし者たちに。 五人の若き王は

戦いの場にて 斃れぬ、

剣にて倒されて、 同様に七人の

アンラーフ(=オーラヴル)の候(ヤールル)も そして数え切れぬ戦びとら

船の(ヴァイキングの)者たちとスコットの者たちが。 ここにおいて 逃亡せり

北方の人々の王は 追われて 必死になり

船の舳先へと 僅かな手勢と共に;

小さき船は水の上を急ぎ進み 王は外へと出ていった

黄色がかった褐色の流れの上を そして命を救った。

同じくまた、かの賢き者も 逃れてありき、

自分の故郷である北方の コンスタンティヌス(二世)

白髪の戦士は、誇らかに唱うるべきにあらず

最適なる味方であるとは。 彼は自らの親族を失い、

友を失いき、民の集う場(=戦場)にて

戦場にて奪われたり、 また彼はその息子を捨て置きたり

殺戮の場(=戦場)にて、 傷もて斃れ伏しぬ、

戦いにては若くありき。 自慢するに至らず

白髪交じりの神を持つ男子(おのこ)は 斧のぶつかるところを

歳をとり、賢くもあったが。 またアンラーフ(オーラヴル)も同じこと。

自分たちの軍の生き残りについて ほくそ笑む必要はなかった

また彼らが戦いの業で よりよくなったと言う必要も、

戦場において 戦旗のぶつかり合い(=戦場)において

槍の出会い(=戦争)において 男たちの出会い(=戦争)において、

武器の重なり(=戦争)において: 彼らが殺戮の野において

エアドウェアルドの息子たちと 競い合いをした後では。

その時 北欧の男たちは去った 鋲で作られた舟で

槍によって残された者たちは ディングの海の上へ

深い水の上を越えて ダブリンに向かって

再びアイルランドへと 心は恥を見て。

同様に かの兄弟(エセルスタンとエドムンド)たちも 二人ともに

王と王子とが 自分の邦を目指した

ウェセックスの土地を;戦いで 誇り高く。

彼らを後に残していった 体を存分に楽しむようにと

黒い冠(とさか)を持ったものたちが 黒い鴉たちが

尖ったくちばしを持った鴉たちが そして灰色の毛皮を着たもの(=狼)たちが

白い鷲が後から 食べ物を楽しめるように

腹を空かした戦いの鷹(=鷲)や かの灰色の獣(=狼)、

すなわち森の狼が。 これより大きな殺戮が

この島の上で これまでにかつて

民の倒れた者たちが この多くの剣の刃によって

以前にあったためしはなかった;これより前に様々な本の

昔の賢人たちの言うことには 東よりここまで

アングル人とサクソン人がブリテンを目指して

誇り高い勝利の作り手が ブリトン人を蹂躙して以来

栄誉を欲した戦士たちが この土地を手に入れて以来。