Date: Tue, 9 Jan 96 22:25:58 +0900
From: "JJ1WTK Kazu Sakamoto" 
Message-Id: <90185.jj1wtk@os.gulf.or.jp>
To: jamsat-sarex@iijnet.or.jp
X-Sequence: jamsat-sarex 562
Subject: [jamsat-sarex 562] SPRE Info(5)

出所を明記しての転載可

 スパルタンで行われる宇宙実験とSPRE(2)   SPREとAPRTrak

 SPREは、自分自身の位置情報をパケットで送信しながら飛行します。
その位置情報は、スパルタンに登載されている GADACS からもらいます。

 SPREが送信するのは、位置情報だけではありません。同じスパルタンに積まれ
ているREFLEXとGADACSの実験上で得られる生データも、SPREからテレメトリーの
形で送信されます。
 もしSPREがなければ、REFLEXやGADACSの実験担当者たちは、実験が終わって、
スパルタンがシャトルに回収され、シャトルが地球に帰還した後でなければ
実験データを手に入れることができません。しかし、SPREがあることによって、
生データをテレメトリの形で、実験と同時進行で知ることができます。場合に
よっては、リアルタイムに入手することさえできます。
さらに、REFLEXが質量分析器の補正を地上からコマンドすることを考えているよ
うに、宇宙に行ってしまったらもう手が出せないのではなく、より中味の濃い実
験が可能になるのです。これらは、SPREがあるからできることであって、その手
段を提供しているのが、実は「アマチュア無線」なのです。

 さて、地上に居るわれわれは、コンピューターで APRTrakというソフトウェアを
動かしながらSPREのパケットを受信すると、画面に現れた地図上に SPRE の位置が
時々刻々と表示されていきます。GADACSや REFLEXのテレメトリも、APRTrakなら
バックグラウンドで保存されます。

 SPREは、一種のデジピーターとしても動作します。もし、あなたが地上から自
局の位置情報をSPREの理解できるフォーマットのUIフレームでSPREに向けて送信
し、それがSPREでデジピートされれば、そのときSPREのパケットを受信できてい
たAPRTrak局の地図上には、あなたのQTHが表示されます。
 今回の SPRE の実験は 145.55MHz シンプレックスで行われます。JAでは、バ
ンドプランによってこの周波数でデータ通信を行うことはできません。従って、
残念ながら、JAからはSPREが送信するパケットフレームを受信するだけで、この
実験に参加することになります。


 APRTrakは、APRSというソフトウェアのSPRE用スペシャル版です。JAではあまり
知名度ありませんが、USAやEUでは結構ポピュラーなソフトウェアです。APRSの情
報交換を行うTAPRのメイリングリストがありますが、投稿量はjamsat-bbの5倍く
らいでしょうか。
APRSとAPRTrakは、IBM-PC互換機(いわゆる DOS/V機)で動くソフトウェアです。
PC-98系のマシンで動作するかどうかは、知りません(多分だめでしょう)。

APRTrakの所在は、
URL ftp://ftp.amsat.org/amsat/software/PC/tracking/aprtrak.zip
URL ftp://w3eax.umd.edu/pub/spre/aprtrak/aprtrak.zip
URL ftp://ftp.tapr.org/tapr/software_lib/sat/aprtrak.zip
URL ftp://ftp.drig.com/pub/aprtrak.zip
ニフティサーブの FGPSフォーラムにもあります。

(参考)APRTrakのMac版はありませんが、APRSのMac版ならあります。

 現在のAPRTrakには、残念ながらJA付近の拡大図がありません。
世界地図の右端にJAが小さく見えている地図があるだけです。
この地図の上でJA付近にカーソルを移動してズームすれば、JA付近が
ズームされますが、地図データが粗いために不格好なJAになってしまいます。
 どなたか、JA付近の地図を作りませんか?

 APRTrakを使わなくても、SPREからのパケットを受信するだけでも
おもしろいと思います。これまでの SAREXよりは SPREの方がまともな
アンテナ系を装備しているようなので、楽に受信できる可能性が高いと
思われます。


de JJ1WTK 坂本
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