カナダ(British Columbia)旅行記(2001年8月)

   カナダは広大な国です。国土  面積909万キロ平米、日本の約  24倍、ロシアについで世界で二  番目です。それでいて人口は約  3100万人、日本の約四分の一  、単純計算の人口密度で比較す  れば何と日本の百分の一になり  ます。東京などの「過密」に慣れ  ている者には別世界のような国ですが、人口密度が低いこと自体が魅力になる訳ではなく、「森と湖の国」という標語に表されている「自然の豊かさ」がその最大の魅力でしょう。

    かくいう僕も、カナディアンロッキーを一目見ておきたい、という願いをもってカナダに出かけた一人ですが、その広大さには「たまげました」ね。カルガリーからバンクーバーまで飛行機で飛んだとき、まだ朝早い時間で山の上空も晴れて山の様子がよく見えました。ロッキーの上をジェット機で通り過ぎるわけですが、窓から下を覗いていると、本当にいつまでたっても山岳風景がなくならないのです。「あっ、ロッキーだ」と思って見始めてから「山を越えて平野に出る」まで実に30分以上かかったと思います。東京大阪間を飛行機で飛ぶと実質45分程度で着きますから、東京大阪間くらいの間を山また 山が犇めいている訳です。それも3000メートル級の山ばかりですから、高さだけでなく、その「幅の厚さ」には














まことに仰天するしかありません。ロープウエイでウイスラー山(2464米)に登り、周りを見渡してあの山はこう、この山はこうと言っていたときも凄い山並みだなという思いはありましたが、上空から見下ろしたときのあの圧倒的な「量」は正にastoundingでした。そういう「凄さ」は写真では表せないのが残念ですが、カナダにはそういう「凄さ」だけでなく、「美しさ」も至る所にありました。森や山を背景にした美しい湖は食傷するくらいにありましたし、ジャスパーに行く道路(93号線)の両側にびっしりと咲いていた白い綿毛の花(ウエスタン・アネモネだそうです)も見事でした。


       行程
  VANCOUVER(二泊)-CALGARY-KANANASKIS(二泊)-JASPER(二泊)-BANFF(一泊)
     -CALGARY(一泊)-VANCOUVER(二泊)


VANCOUVER    

 海水浴の風景合計4泊もした町ですが、スタンレー公園(STANLEY PARK)を歩き回ったり、公園内の水族館に行ったりしたくらいで、他のことは余り記憶に残っていません。公園の周り、海岸線沿いが遊歩道になっていて、そこで見かけた海水浴の風景が珍しかったのと、一周10キロ、内部も縦横に遊歩道で結んでいる構造が面白かったですね。散歩したり、自転車に乗ったり、ローラースケートで飛ばしたり、ですが、治安がいいので、公園の拠点拠点を結んでいる散歩道を歩いていても不安がないのがカナダらしいところです。水族館は魚類だけではなく、様々な蛙を集めていたり、結構趣向を凝らしていました。バンクーバーという町自体はバスが主な交通手段で、ローラースケート風景歩こうと思えば大体のところは歩いていけます。僕らはRICHARDS通りの安宿に泊まりましたが、スタンレー公園まで約30分、チャイナタウンへは鉄道で一駅のSTADIUMまで行き、そこから歩いていきました。チャイナタウンの周りの通りは少し寂れた印象もあり、人気がないと治安に不安がありそうな「感じ」でした。行った曜日が月曜日で「休み」が多かったせいもあるかもしれません。町の他の場所ではお巡りさんが三人、喫茶店の外のテーブルに腰をかけて楽しそうに話しながらコーヒーを飲んでいたり(日本だと、公務中に何だ、と言われそうですね)、馬のお尻に袋をぶら下げて(おしめ代わりでしょう)乗馬を楽しんでいたり、で平和な風景が多かったです。


 VOCTORIA    

   フェリーからの眺めバンクーバーからGRAY LINEの約12時間の一日ツアーで行きました。バスごとフェリーに乗っていくので、手間がかからない分、自分で行くより楽ですね。ビクトリアでは二時間程度の自由時間だったと思います。ここには面白い水族館もあるそうですが、僕らには見物というより、買い物と食事が中心になりました。バスを降りてすぐ、州議事堂のところで日本語で書かれたお土産店のチラシを若い女性が配っていて、僕らもそれをもらい、最初は行くつもりはなかったのですが、お土産店を覗いても「良いもの」が見つからず、最後にそこに行ったらカナダの家の写真、カナダの工芸品(木工細工)で面白いものを売っていたので、大分買い込みました。客引きをするような店にはろくな店がないというのは完全な思いこみでした。
  VICTORIAに行く途中、美しい家並みが見られます。





 BUTCHART GARDENS(スライド7枚)    

  上記のツアーの主目的の場所です。 GARDENにSがついているのは、ここには色んな種類の庭があるからです。バラ園、イギリス庭園、日本庭園など、花が好きな人には面白いでしょうね。日本庭園には筧もあり、よく作られていますが(日本人の専門家ISABURO  KISHEDA[KISHIEDAの間違い?]の協力の下に作られたそうです)、典型を作ろうとして物足りなさが残った、という感じです。


 KANANASKIS    
 カナナスキスのホテル前情報があって選んだわけではありませんが、この辺が静かでいいかな、と思って行ったら、想像以上に静かな宿でした。山の奥深い麓(名称は「渓谷」になっています)で、30分程度の散策路もあり、BANFFを避けてのんびり過ごすには良いところです。今年(2002年)のSUMMITの会場にもなりました。僕らはここから車でBOW VALLEY PROVINCIAL PARKまで行って、いくつもある小さな湖を歩き回りました。BOW VALLEYへの入り口が分からず、通ってきた道を戻ってやっと見つけた思い出がありますが、高速を降りて、橋だったかを越えてすボウバリー風景ぐ左に入る脇道があります。BOW VALLEYにはキャンプサイトがあり、トレーラーで来た人たちがのんびり楽しめる場所になっています。ただゴミ箱は鉄製で大きく頑丈、あけ口が分かりづらくしてあり、これは熊がそこで餌を見つけて徘徊する危険を防止するためだそうです。所変われば品変わるで、カナダではこういう工夫も必要なんですね。



 ICEFIELD PARKWAY(スライド8枚)   

    ルイーズ湖BANFFからJASPERまでの「ロッキー観光道路」だと思えばいいでしょうね。ルイーズ湖(LAKE LOUISE)やコロンビア大氷原(COLUMBIA ICEFIELDS)、ウィスラーへのケーブル(TRAM-CAR)などがあります。僕らは行きにルイーズ湖に寄り(観光客でいっぱいでした)、帰りにコロンビア大氷原に寄りましモレーン湖た。KANANASKISを十時過ぎに出て、LAKE LOUISE, LAKE MORRAINE(小さな岩場にあがって湖を見下ろす感じにできていまパークウエイ風景す)                      
  





  に寄ったため、JASPERに着いたのは夜10時前でした。TRANS-CANADA-HIGHWAYと言われる一号線からJASPERに向かう93号線に入ると、時間帯もあるんでしょうが、かなり空いていましたが、それでもルイーズ湖から距離が300キロ近くあり、大分時間がかかりました。速度は大体90キロから110キロですが、ロッキーを巡っていく感じの道で、ただ走り過ぎるには勿体ない感じです。クロシングからの眺め途中、初めて出会った休憩所のCROSSINGというところで休憩・夕食を取ったのですが、このあとも休憩所(給油所)はなく、結局ここだけでした。ここは景色も良く、絶好の休憩所といえます。







  JASPER   

    ウイスラー山のゴンドラ実質的なロッキーの観光基地はBANFFではなく、ここだと思います。僕らもここを基地にしてTウイスラー山からの眺めHE WHISTLERS(2464米)へのTRAM-WAY(ロープウエイ)に乗りました。行った当日は天気も良く、ロープウエイ乗り口は非常に混雑していて、僕らの車は駐車場の遙か手前の路上に駐車させられました(係がいて指示をしていました)。ロープウエイに乗るのに一時間以上待ち、2265米の頂上駅まで着いて、それから約200メートルの標高差を登るのです。40分程度の登りで頂上に着きますが、頂上には周りの山を説明した円盤図があり、名前が確認できます。そういう意味でここは「ロッキー」を実感させる場所ですね。
   メディスン湖山の景色を楽しんだら、あとは湖。忙しい観光客マリーン湖の僕らはそれから車を飛ばして、というまでもない距離ですが、それからMEDICINE湖(冬場は水がなくなってしまうそうです)、MALIGNE湖に行きました。どちらも湖と周りの山々の景色が調和して、カナダの自然の美しさを堪能させてくれます。マリーン湖ではリスを見かけましたが、来る途中もリスの写真山羊の写真鹿の写真

山羊の群れ鹿やムース(路端に車が何台も止まっているので、何だろうと思って見に行くと、茂みの向こうにかなり大きな動物が見えました。すぐいなくなったので、はっきりとは確認できませんでしたが、多分ムースでしょう)に出会えるような道です。
    JASPERの町からロッキーを眺めるという余裕がない旅でしたが、町自体は小さく、観光基地というのが適当でしょう。



 BANFF   
  
  コロンビア大氷原JASPERからここまで車で戻りました。途中、COLUMBIA ICEFIELDS(駐車場が小さく一杯大氷原・クレバスの写真クレバスの写真










でしたが何とかとめられました。観光バスで来ている人も多かったですね。クレバス注意ですが、みんな氷の上に乗っていて、氷原の「入り口側」は大分汚れていました。)、 SPIRAL-TUNNEL(トンネル内部の傾斜がきついので八の字の螺旋形に線路を作っていて、長い貨物列車が通ると最後尾はまだトンネル入り口にあるのに、先頭部が出口の所に顔を出し、まるで蛇がとぐろを巻いた感じになる。何人もずーと列車が通るのを待ち受けていました。かくいう僕らも待ち受け、それほど長く待たないうちに幸いに列   スパイラルトンネルエメラルド湖車が来て、このトンネルの全貌を垣間見ることができました)、神秘的な水の色で名高いEMERALD LAKE(二時間弱で一周できました), NATURAL BRIDGE(滝巡りの遊歩道のようなもの。大きな岩をくりぬいて滝が流れている箇所があり、その上部が橋のように見えるのでこういう名前がついたのでしょう)に寄ってからBANFFに行きました。着いたのは夜で、次の日、近くの山のゴンドラ(MT. NORQUAY)に乗ったり、「野鳥の集まる名所」とガイドブックに書いてあっ た沼地(VERMILLION LAKES)の散歩道を歩いバーミリオン湖たりしましたが、季節があるんでしょうか、野鳥はほとんど見かけず、家族連れが散策を楽しんでいるのを見ただけでした。印象から言えば、JASPERの方が純粋に「ロッキー」だな、という感じです。






    カナダ小話

   ○道路  国の大きさに見合って、幅広の道路で、ゆったり走れます。キャンプに行くトレーラーも多く、それにあわせて作っっているのかも知れません。高速道路は無料で走れますが、バンフ国立公園に車で入るときは一泊なにがしかの利用料(駐車料)を取られます(金額は忘れました)。一号線のバンフ手前にゲートがあって、そこでお金を払うと有効日付を書いたシールをくれて、それをフロントガラスに貼っておくことになっています。    


   ○洗面台の水栓   日本では黒い硬質ゴム状のものを水の落ちる管の所に差して、洗面台に水をためます。ところが、バンクーバーの安宿に泊まったとき、その種の栓がついていない洗面台に出会いました。水をためないのかな、とも思ったのですが、それも変で、何かあるんだろう、と思って探してみると、洗面台のそばに白い、平たい円形のもの(ゴムでしょうね)があります。これは何だ、と少し思案してはたと気がつきました。そうです。その平たい円形のものを水の流れ口に被せれば、水は流れていかず、貯まるのです。これは安いからというより、昔の形なんでしょうね。


        ○カナダのタバコには髑髏マークがついたものもあり、禁煙指向はアメリカ的です。値段も高く、できるだけ吸わせないようにしむけているようですが、JASPERのレストランには喫煙席もありましたし、まだアメリカほどにはなっていないようです。
         

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