長田take1

ペンキ絵の人魚金髪冬うらら 英子

長田・鷹取の焼け跡に一軒だけぽつんと 焼け残ったビルがあった。 やがてその周囲に仮設店舗が建ち始めた。 長田・鷹取の天守閣、 幸せ湯という風呂屋だ。 ペンキ絵がどんどん増えていった。 写真の裏側の壁面いっぱいには、 人魚が婉然と微笑んでいるが、 逆光で写真の人魚は消えてしまった。


長田take2

生きている証の冬のよしずかな 英子

幸せ湯の周辺は西部の町のようだった。 地面は焼きしめられガラス片がくい込み、 乾いて、きらきら光っている。 その日は寒波来襲の寒い日だった。 夏の名残のよしずとビールののぼりが、 わずかに生活の匂いをはなっていた。

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