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とりあえず、この必聴のBOXセットを紹介します。これはマジで一生モン。このBOXは1959年から1971年までという、MOTOWNが最もMOTOWNらしかった時期(つまり、アーティスト主体というよりも、プロダクションサイドが主体となった音楽制作)をCD4枚組に収めてる。この区切りを付けられた1971年という年は、Motownがデトロイトからロス・アンゼルスに移動した年なのだが、ちょうどMARVIN GAYEの「WHAT'S GOING ON」が発売された年、つまり「ニューソウル」が台頭してきた年にもあたる。ここを境にして、アーティストが自らの芸術の自由を主張し始め、より個人的な「作家」が出現する。それは時代の必然であり、正しいことだったが、このBOXに詰まっている「無邪気な時代の音」も非常に捨てがたく、永遠の輝きを放っている。
1.CLEO'S MOOD
2.DO THE BOOMERANG
3.SHOTGUN
4.SHAKE AND FINGERPOP
5.SHOOT YOUR SHOT
6.TUNE UP
7.HOT CHA
8.MONKEY JUMP
9.TALLY HO
10.CLEO'S BACK
11.AIN'T THAT THE TRUTH
12.(I'M A)ROAD RUNNER
13.HOE SWEET IT ID(TO BE LOVED BY YOU)
14.PUCKER UP BUTTERCUP
15.MONEY(THAT'S WHAT I WANT)
16.LAST CALL
17.ANYWAY YOU WANNTA
18.BABY YOU KNOW YOU AIN'T RIGHT
19.AME' CHERIE(SOUL DARING)
20.TWIST LACLAWANNA
21.SAN-HO-ZAY
22.MUNITY
中古盤でしか見かけない(けど結構見かける)、モータウンの2in1。このシリーズは僕が確認してるだけでも、他にミラクルズ、アイズレー・ブラザーズ、マーヴィン・ゲイなどがある。さて、Jr.Walkerだが、このアーティストは、僕の目には、モータウンの中ではずいぶん異端に写る。逆にいえば、キング・カーティス直系の正統派R&Bともいえるだろう。結構ワイルドなサックスをフューチャーした、乗りのいいインストが多く(あんまお洒落じゃないけど)、流しとくとかなり気持ちいいです。ただホントにゴツゴツした正統派なんで、洗練されたグルーヴ、フリーソウル的な味わいを期待する向きには全然気持ちよくないでしょう。また、腐って(別に腐ってないけど)もモータウンなんで、本当にゴツゴツした泥臭い正統派を期待する向きにも気持ちよくないかも。
有名曲は一切収められていない、スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズの61年発表のセカンドアルバム。プロデュースはベリー・ゴーディー、H-D-Hは作曲・プロデュースにはまだ顔を見せていない。7(ガーシュイン)以外はスモーキーの自作。シングルカットされた曲は、出た順番に、4(R&Bチャート15位)そのカップリング8、ボーナスの11(R&Bチャートで21位)そのカップリング9と、2(R&Bチャートで11位)とそのカップリング10、ついでに「I'LL
TRY SOMETHING NEW」のカップリングの6。スモーキーのボックス「THE 35TH ANNIVERSARY
COLLECTION」とのダブりは、1、2、4、5、9、11の6曲。なんでリイシューしたのかよく判らないんだけど、まぁともあれ、この動きは歓迎すべきだろう。でも、最大の目玉のはず(と僕が勝手に思っている)の「MICKEY'S
MONKEY」がまだリイシューされん!なぜだぁ!で、このアルバムの内容の方はストリングスを配した洒脱なサウンドに、スモーキーのファルセットが絡むという典型的なミラクルズ節(ミドル・テンポ多し)。なかなかの佳作では。ただ、時代が古いせいか、基本的にはドゥー・ワップ的な要素が強く、後のモータウンのようなウキウキさせる洗練されたバック・サウンドはまだ実現されていない。
1.mickey's monkey
2.dance what you wana
3.the wah-watui
4.the twist
5.dancin' holiday
6.land of 1,000 dances
7.i gotta danze to keep from crying
8.the monkey time
9.the groovey things
10.twist and shout
11.do you love me
いつされたのか分からないんですが、リイシューされてたんすね、このアルバム。手に入れてみてビックリ、アルバム全編がダンス・ノベルティーという好き者には堪らないことになってます。Miraclesの昔のアルバムというのはそれほどリイシューが進んでいなくて、このアルバムは"Hi...We're
the Miracles"、"Cookin' with the Miracles"、"I'll
Try Something New"、"Christmas with Miracles"、"The
Fabulous Miracles"("You Really Got A Hold on Me"収録)、"Recorded
Live on Stage"に続く、63年に出た7枚目のアルバムにあたるんだけど、これまでのアルバムで、今CDで手に入るのは多分"Cookin'
with the Miracles"だけだと思う。だからそれまでのアルバムがどういうものになってるか、イマイチよくわかんないんだけど、このアルバムではほとんどが他人の曲のカヴァーで、オリジナルの"Mickey's
Monkey"と"I Gotta Dance to Keep from Crying"もHolland-Dozier-Hollandの作品。つまり当時作曲家としてブイブイ言わせてたSmokeyの自作オリジナルは収録されていないのだ。これがどういう状況下でなされた判断だったのか、興味深いところですねぇ。まぁ、たぶんMicky's
Monkeyがヒットしちゃったんで、急いでダンスナンバーだけやっつけてアルバムにしちゃっただけかもしれないけど(ちなみにモータウンにはよくある)。なんにせよ、この今更説明することもないダンス・クラシックのオンパレードには、頬はゆるみっぱなしで、聴いてるとアッと言う間に時が過ぎ去っていきます(実際に短い、ってこともあるんだけど)。"Time
Flys Like an Arrow"を地でいくようなアルバム、とでも言っときましょうか。