Waiting And Listening - Blackney Pass
能動的な観測は、観測対象に必ず影響を及ぼすと不確定性原理では言う。 ましてや観測対象を周囲の環境から切り離してしまえば、 対象のふるまいは変わってしまい、システム内での役割もわからなくなる。 ポール・スポング博士のオルカラボが、 フィールドでのパッシブ・センシングに徹しているのは、 観測による対象(オルカ)との相互作用を最小限にとどめ、 システム(海)の中でのオルカのありのままのふるまいを観測するためである。 かつてのように、カヤックを出してオルカとコンタクトを試みる事もなくなった。 建設から30年以上を経た今も、ブラックニーパスを望むハンソン島の岩場の上で、 耳を研ぎ澄ませオルカを待ち続ける。