WHO(世界保健機構)では、安静時の最大血圧が160mmHg以上、最小血圧95mmHg以上を
高血圧と規定しています。
通常、最大血圧が100〜130mmHg、最小血圧が50〜90mmHgの場合、正常の血圧と見なされ
ます。(血圧とは血管を流れる血液が血管壁を押す力のこと)
健康な人の場合でも、常に血圧が一定ということはありません。通常、朝起きた時は血圧が低く、夕方
にかけてだんだん血圧が上昇します。
また、さまざまなストレスにより、自律神経のバランスが崩れて血管が収縮したままになり、血圧が
上昇することがあります。
ただし、特に理由が無いのに常に血圧が高い場合は、高血圧症といいます。
高血圧症は、糖尿病や腎臓病による合併症として起こる「二次性高血圧」と、原因が不明な
「本態性(ほんたいせい)高血圧」の二種類があります。前者は高血圧症の約1割で残りの9割は
原因が不明な後者になります。
血圧はさまざまな条件により、脳からの指令により上昇します。それに関わっているのが、
アンジオテンシンUという物質です。
腎臓にはレニンというタンパク質分解酵素があり、この酵素の働きでアンジオテンシンTが作られます。
この物質にACEという変換酵素が働き、強力な血管収縮作用のあるアンジオテンシンUが作られます。
つまり、ACEの働きをさえぎればアンジオテンシンUが作られず、血圧の上昇を抑えることが出来る
訳です。
現在、高血圧症の人が服用しているのは、ACE阻害による血圧降下剤が主流となっています。
最近、お茶に含まれているカテキンにはACE阻害剤と同じ働きをして、アンジオテンシンUの合成を
阻害することが分かってきています。
お茶を飲むことにより、血圧上昇が抑えられ、高血圧や脳卒中になりにくくなる可能性があると
考えられます。