ウラシマソウの花開く

三宅島で農業に挑戦されている凡夫さんからお送り戴いたウラシマソウが独特の形の
花を咲かせました。 今までは植物園などで咲いているこの花の仏炎苞を見てきただ
けですが、今回は発芽から仏炎苞の生育の仕方までを丁寧に観察することが出来て、
こんな素晴らしいことはありませんでした。

はじめに出てくる葉は鳥の脚のような形をしていて、なかなか展開してくれません。
切れ込んだ小葉が復葉になっていて、葉を内側に巻いている形は鶏の脚を広げたよう
な形を思わせます。 日を経るに従って葉柄の根元近くから先端に長い紐のようなも
のを付けた紫褐色の仏炎苞が伸びてきて、昨日から仏炎苞の上部が蓋をするように前
かがみの状態になりウラシマソウの典型的な形状を呈してきました。

仏炎苞の内部から伸びるこの長い紐を浦島太郎が釣り糸を垂れているのに見立ててこ
の名があるようです。

先年に西伊豆を旅行した折に訪ねた堂ケ島の洋ランセンターの周辺を囲む林の林床に
多くのウラシマソウを見てきたのですが、鉢植とはいうものの自分の家の庭にウラシ
マソウを咲かせることが出来たのは、何とも言えないほどの喜びです。 昼間、私の
留守の折に近所の方も珍しいということから見学に訪れるようです。

植物好きの友人にもいもを分けてあげましたので、最近ではウラシマソウの話題で花
が咲いています。

                             うめだ よしはる

    春の花へ

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