師走の買い物で賑わうデパートの包装紙の図柄は、いつもより美しいクリスマス・ホーリーの青い葉と赤い果実に彩られ、何かクリスマスの贈り物を用意しなければ年が越せないような気持ちになります。
また、クリスマスの時期が近かくなると、花屋さんの店先には多くの花のほかに、ポインセチアやクリスマス・ツリーと共にセイヨウヒイラギ(クリスマス・ホリー)が果実の彩りも美しく並ぶようになります。
3年前にロンドンの公園で見つけたクリスマス・ホリーは赤い実を付けて美しく人目を強く引き、あれほどに見事に赤い果実を付けているのを見るのははじめてのことでした。 葉はやや大形のものと、普通に花屋さんの店先に見る2種類に出会うことが出来ました。
日本のヒイラギはひっそりと白い小さな人目に付かない花をつけて・・・赤い果実などは結びません。
この両種は別科の植物でしたね。
セイヨウヒイラギは南部ヨーロッパや西部アジアが原産の常緑の樹木で、樹高も
20メートルにもなるといいますが、クリスマスの飾りに使われるクリスマス・ホ
ーリーは鉢植えに適し、赤い艶のある果実を沢山付けるように改良された園芸種だ
とされています。
日本のヒイラギはモクセイ科、セイヨウヒイラギはモチノキ科の植物、葉は似て
いるというものの大変に違うのですね。 ヒイラギの花は風流花、セイヨウヒイラ
ギのクリスマス・ホリーは濃い緑色の葉と赤い実のコントラストが美しく、北ヨー
ロッパの花のない冬のクリスマスに色を添えたのでしょう。
日本でも正月の飾り花としてセンリョウやマンリョウが濃い緑の葉と赤い実のコ
ントラストの美をそえる植物として用いられることを思うと、何か似ていますね。
うめだ よしはる
晩秋から冬の花へ