白いチョウが木に群飛んでいるかのように、ハナミズキが街を彩り始めましたね。
ハナミズキはミズキ科の植物で、日本在来のヤマボウシに似ることからアメリカ
ヤマボウシともいわれます。
日本に入って来た当初はアメリカハナミズキと呼ばれていましたが、最近ではハ
ナミズキだけの名称で良さそうです。 花に見える4弁は、正しくは総苞で、こ
の総苞が花のように見えます。白い花(総苞)を開くハナミズキと紅色の総苞を
開く園芸品種としてのベニバナハナミズキが身近に見られますね。
ワシントンの桜のお返しにアメリカから寄贈されたのは、1915年(大正4年)
とあり、現在も日比谷公園にその原木が残っているとされています。
最近は、街の緑化樹として多く用いられるようになりましたので、街路樹として、
住宅地内の小公園の緑化樹に、また、庭木として、あちらこちらで目に付くように
なりました。
私の住いの近くは、まだ都市近郊農地の多いところで、宅地並課税を回避するため
か、緑化樹の苗木の植え付けが多く、6ー7年前頃より何処を見ても、ハナミズキ
とベニハナミズキで、今頃の時期の散歩の楽しみの一つでもありました。
最近は、少なくなったとはいえ、まだまだ多く、散歩をしますと、多くの白や紅の
チョウが木に群れているかのような光景を見せてくれます。
この木はアメリカではDog Woodと呼ばれ、バージニヤ州の州花になってい
ると聞いています。喬木性の樹ですので、庭木にするには広さが必要、木のまだ若
い頃は良いとしても、年を経るに従って・・・・・・
春の雨に打たれるハナミズキを歌人はちゃんと観察して詠んでいます。
花水木はなびらうすきあわれさよ
あめのこずえにひるがえりつつ 松本 滋代
うめだ よしはる
春の花へ
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