オオイヌノフグリとヒメオドリコソウとの出会い
ここ数日の天気の良さに誘えわれて近所の畑地帯を散歩し、畑の日溜まりにある道
の草々の顔を見ながら歩きました。

新聞やテレビのニュースでは今年はタンポポの開花が熊谷で35日も早いなどと暖
冬の植物季節を報じています。 家の周辺ではタンポポの顔を見る機会もなく、な
んとなくよそ事のように思っていましたが、畑の日溜まりでは、暖かい日差しを受
けて黄色に輝くタンポポの花があちこちにロゼット状に開いている葉に張り付くよ
うに咲かせているのがが見られました。

タンポポと並んでオオイヌノフグリもコバルト色の小さな花を咲かせています。
      根ざす地の温みを感じいちはやく
             空色花さけり道ばた日なたに    木下 利玄

こんな歌を詠んだ歌人の観察力、季節感には、こうしてオオイヌノフグリが群れて
花を咲かせている光景を眼の前にしますと、ただ驚くばかりです。

日当りの良い土手ではヒメオドリコソウも紅色の葉を重ね合わせて群落をつくって
いますし、ホトケノザも丈をずーんと伸ばして、茶色に枯れた草をバックに濃い緑
の絨毯を敷いたように、春はもう眼の前にきていました。
家にこもることが多くなり、こうした野の草花に触れる機会を持てないのですが、
30分程の散歩でしたが、いい気分で早春の花との出会いを楽しむことが出来まし
た。

      いぬふぐりのかそかなる花の紫が
             土にはなやぐ早春の路       栗田寿美衛

タンポポやオオイヌノフグリの出会いの話した家内も、天気の良い日には玉川上水
の散歩道を通って近くの小金井公園まで散歩に出かけようということになりました。

                           うめだ よしはる

  春の花へ

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