人里の植物/身の回りの植物

手元に置いて植物観察の友として活用している小冊子の中に、保育社発行のカラー
自然ガイドブックシリーズがり、その中に、長田武夫氏著の「人里の植物」1と2が
あります。

 人里の植物、ちょっと耳なれない表現でしょうが、山の植物、森の植物、湿原の植
物と並べて、わたし達の身の回り、人間の生活圏で人と共に広がって行った植物群だ
とすると、「人里の植物」とはすばらしい名前だと思いませんか。

 人里の植物の中には、幕末日本が開港して以来、外国からは入り込んできて、人の
広がり、交易の広がりと共に生活に密着し、今では日本在来の植物の様な顔をしてい
る帰化植物が多くあります。 オオイヌノフグリ、セイヨウタンポポ、厭な植物では
セイタカアワダチソウ、ブタクサ、オオブタクサ、ハルジオン、ヒメジョン、そして
可憐な花ではヒメオドリコソウ、歌に歌われたマツヨイグサも帰化植物の仲間です。
長田氏によりますと、上陸後絶滅したものを加えると800種にも及ぶとのことです。

 日当りの良い道端や、風避けの生け垣の際で日当りの良いところではホトケノザが
クチビルバナ特有の姿を葉を台座にして立ち上がるように咲いています。 ホトケノ
ザというと「春の七草」の中のホトケノザと紛らわしいのですが、七草の中のホトケ
ノザはキク科のコオニタビラコですね。 ホトケノザは世界各地に分布をしていて、
日本在来のものがどうかは疑問視されていますが、道端に見る草の中では数少ない、
日本の草と言っても良いでしょう。花の咲く姿からサンガイグサの名前もあります。

 帰化植物とは言わば青い目の植物、わたし達の住む周辺では日本在来の草より青い
目の草が多くなり、場所によっては80%以上が青い目の草とも言われています。 

 そんなホトケノザの花姿の画像をアップしましたので、ご覧下さい。

                           うめだ よしはる

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