サギソウから白鷺が飛びました

 昨年の開花から10日程早く、今朝(7月月23日日)、我が家のサギソウから、
第一羽が飛び立ちました。 今年のの雨と暑さが幸いしたのでしょう。 仲間の飛
び立ちを誘うかのように楽しげに空を舞っているようです。

 「サギソウ」については、ラン科植物の権威である前川文夫博士が朝日百科の「世
界の植物」の中で、「サギソウは代表的な日本の花の一つである。」とし、「豊かに
開いた唇弁の側列片の上を向いた細やかな切れ込みは、ちょうど白鷺が舞いおりよう
としている姿にそっくりで、まことにうまい命名である。」と説明していますが、全
くその通りですね。

 サギソウにまつわる伝説も悲しく、美しい花を一層引き立てる役割はするものの、
伝説の悲しさは何となく淋しいものです。 サギソウ伝説にはいろいろと変化をして
語られていますが、その一つを紹介致してみましょう。

  それは、昔、むかし、といっても400年ほど前のことですが、世田谷城
  主に吉良頼康という人がいました。その奥方を常盤姫といって、姫は世田
  谷、奥沢城主の娘で政略結婚のため頼康に嫁いだのでした。しかし、頼康
  との間が悪く、どうしたわけか、頼康は姫を嫌って姫をなきものにしよう
  とさえ企んでいたといいます。このことを知った姫は、近くの田圃に舞降
  りて、ひめが良く慣らした鷺の脚に手紙を結び付けて、父に救いを求めよ
  うとしました。
  ところが、見張りの女中達にこのことが見破られて、城を逃れることが出
  来ず、あわれにも姫は殺され、また、飛ぼうとした鷺も射られた矢に当っ
  て殺されてしまいました。
  鷺が地に落ちて死んだ辺りから一本の草が生え、白い鷺が飛んで文を届け
  ようとするかのような花を咲かせました。これがサギソウであるという話
  です。

      鷺草や中から一羽立って行く         山口 素道

      白鷺の明日へとびゆく白花の
              二つ花の向く方違う     安藤 泰子

 我が家でのサギソウの開花の時期を花の便りから見るとは、次の通りです。

    1993年は7月25日
    1994年は7月23日
    1995年は7月23日
    1996年は8月 4日
    1997年は7月23日

93年から95年までは植え付け時期は2月初旬で、家の中で管理したのですが、
96年は4月1日植え付けで野外でそのままの管理で、今年は鹿沼土に植えたま
ま野外に放置しました。 そんなことから遅れるものと覚悟をしていましたが、
花をさかせてくれたことは有難いことです。

                             うめだ よしはる

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