ヒルザキツキミソウ


     月見草花のしをれし原行けば
           日のなきがらを踏むここちする    与謝野 晶子

ツキミソウは月見草で別名待宵草とか宵待草の名で親しまれて、宵を待って花を咲
かせ、朝日を受けると萎んでしまうところから名が付されたことを思うと、昼咲き月
見草とは、随分と矛盾する名前ではないかとお怒りの方も居られるでしょうし、そん
な名前の花なんて無いよと言われる方もおりましょう。

 それがちゃんとあるのです。 道端へ逃げ出して乾燥に、放置に耐え、庭で手をか
けた物よりもきりっと締まった形をして見応えがあるのですから、次第に野生化して
行く種類になって行くと思われます。 家の付近の道端には、どこから逃げ出したの
かかなりの頻度でこの植物を見ることが出来ます。



 北アメリカ中南部の原産で花壇等での鑑賞用として渡来したマツヨイグサ属の仲間
で、昼に花を開くことからヒルザキツキミソウの名が与えられたのです。背丈は30
ー60センチ程ですが、道端へ逃げ出したものは30センチほどの背丈で、花の大き
さに釣合った姿をしています。 私は道端にあるこの草に軍配を上げます。 花は咲
き初めは白ですが完全に開くと花弁に薄紅がさしたようになります。 なにか時間を
間違えて咲いたのを恥じているかのようにも思えて、妙に愛着を感じてしまいます。

 皆様の周囲にも多くあり、既にご承知のことと思いますが、いまが盛りですので紹
介してみました。 花をクローズアップした画像を参考にと思いアップいたしました。
ご覧になると、なんだこの花かと思われましょう。

                            うめだ よしはる


   夏の花へ