早春に咲くロウバイ、オウバイ、マンサク、サンシュウ等、どれを取っても黄色の
花に代表されまが、寒い風を真正面から受けながら赤から桃色の花を咲かせる植物に
寒ボケがあります。 また、その頃になると暖地からのウメの開花の便りも聞かれる
ようになって来ます。
普通ボケと言えば4月頃に赤い花を地上すれすれに咲かせるクサボケが玉川上水の
遊歩道に沿って、また雑木林の林縁で見かけられますが、最近では鉢植でまたは地植
えで寒ボケの花を散歩の道々で見かける機会が多くなりました。 市民大学の「多摩
学講座」が開かれた公民館から住宅街を歩いて帰りましたが、2軒ほどの家の庭で寒
ボケの花が咲いているのを見ました。 でも、降る霜にでしょうか花弁の先端が寒さ
で痛んでいるのが気になりました。
木瓜のはな咲きでし庭にけさのあさけ
時じくいたく霜ふりにけり 藤川 忠治
ウメの蕾も堅い寒中、健気に咲く寒ボケはやがて訪れる春の先駆けなのでしょう。
日本産のクサボケを除いて、鑑賞用のボケは中国から渡来し、一般に唐ボケと呼ば
れ枝変りなどを基に多くの品種が江戸時代に開発されて賞でられたとされています。
まだまだクサボケに時期には遠い今日ですが、寒ボケと一緒にオウバイが黄色の花
をしだれ気味の枝にぽつぽつと咲かせているのも併せて観察することが出来ました。