ブータンの幻の青いケシ

 標高4200メートルのブータンの高地で咲く青いケシの花、「花の万博」の折に
朝日新聞社が花博会場を訪れる人々へ毎日発行した花新聞、1990年4月1日「は
なろーぐ」の第1号に立派なカラー写真と共に”ブータンの幻の青いケシを求めて”
の標題で紹介されたのが、この青い花を咲かせるケシでした。

 私も会場を訪ねてこの花に接したときには、秋の空の青に似た花色に驚いた記憶が
あります。 幻の青い花を咲かせるケシはケシ科のメコノプシス属の植物で1886
年に初めて中国で採取された標本が一点だけあったようで、この花を探して多くの探
検家(プラント・ハンター)が東部チベットの奥地に入り、1924年、30年を経
てついに青いケシノの花の再発見がなされたとされています。 現在ではアジア中部
に約50種もの種類が発見され、洋種山草として品種改良もなされているものもある
とものの本には書かれています。

 
この青い花を咲かせるケシは東京都薬用植物園でも冷房を効かせたファイトトロン内
で栽培されていますので、ガラス越しにしか眺められません。 レンズをガラスにぴ
たりと付けて撮影したものです。

 花博のブータン館で見た植物で印象的であったのは、高さが20ー30センチの高
地性のシャクナゲでした。 小型でしたが花はしっかりとシャクナゲで・・当り前と
言えばその通りですが・・妙に感心してしまった記憶があります。

                             うめだ よしはる
   晩春から夏の花へ

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