<ひまわり通信 84> 医療者側からの圧って?

2025年3月末に「おだわら認知症を考える会」がありました。
この会では、医療・介護など多職種で認知症に関する地域課題を考えるために、いろいろな方向から議論しようという取り組みをしています。そして先日の会で介護者側から、医療者との会話の中で「医療者の圧」を感じることがあり「怖い」という話題になりました。
ほう、そうなのですね、と一旦気持ちを受け取りましたが、
ある思いが私の頭をよぎりました。
昔々、私がまだ若い20歳台後半のころ、たまたま物理学者の人と話しをすることになりました。しかし、私の「物理」に対する思い出は、高校生のころ辛い赤点を取って秘密のプリントで勉強した恥ずかしいものしかありませんでした。それでもその研究者と話をしようと、脳みそから物理についての知識を絞り出し何とか話題をつなごうとしました。そして、伝えようとすればするほど、どんどん相手の顔は険しくなっていき、サメのごとく鋭い目つきで凝視してくる…危機一髪!と思ったとき、
「それってもしかして"f=ma"のこと?」とのたまったのでした。
そうそう!それです!私が言いたかったのは!
後日聞いた話では、私が何を言いたいのかがはっきりせず、その物理の人はただただ真剣に聞いていただけだったということが判明しました。
怒っていたわけでも何でもなかったらしいのです。
同様に、もし医療者が「圧」を醸し出すような顔つきをしていたら、
それは、どこに問題があり、どのように解決したらよいかと、話しながらもその問題のしっぽを捕まえようと、ものすごく一生懸命聞こうとしてるだけなのかもしれません。
真剣なあまり顔が怖く険しいだけかもしれません!!!
これをお伝えしなければ!と思いました。
介護の方向から医療の方向から、よく話をしてすり合わせていくことこそ相互理解につながり、患者さんやご家族にとって、より良い支援につながっていくのではないか?と思います。
もしかして医療者は時として患者さんに対してもサメのようなするどい目つきをするかもしれませんが、それは患者さんやご家族の相談事を真剣に聞こうとしているだけで怖がる必要はありません!と声を大にして言いたいです。
そんな時は、懐に飛び込んで一言言ってください。「顔、怖いです」と。