<ひまわり通信83> さぁ、パラダイムシフトの時!!!

4月!!!日本では新しい門出の季節ですね。
そして、新しい風、といえば、今、まさに、認知症に対してもパラダイムシフトの時といえます。
2000年に介護保険が始まった時を一つのターニングポイントとすれば、
2024年に「認知症基本法」が発布され、社会の中の認知症への認識も認知症のご本人やご家族の意識も変革の時を迎えているのではないかと思っています。今までの常識や価値観を見直し、従来型の枠組みをはずしていこうというものです。
例えば、認知症だけでなく精神科的障害についても、
一方的に障害からの症状を「迷惑な問題行動」と考え切って捨てるのではなく、その行動は「その人が生きづらさに困っていてそれを表現するぎりぎりの方法」かもしれない、と考えていくことだと思います。
2024に発布された認知症基本法でうたわれている「共生社会」「ともに生きていく」というのはどのような意味ことで、具体的にはどうしたらいいのか、考え続ける必要があると思っています。
さらに、アルツハイマー型認知症に対する新しい治療(レカネマブ・ドナネマブ)が始まり、実は、いままでよりもっと早期での診断が求められるようになってきました。アルツハイマー病の初期、またはもっと早い軽度認知障害の時に診断し治療開始する必要が出てきたからです。それこそ「認知症は怖くない」「ともに生きられる」という社会的コンセンサスが存在しなければ「早期受診をしよう」という機運もおきないと思うのです。認知機能の低下をオープンに受け止められてこそ、早めに相談してみようと思えるのですね。
社会の偏見を減らしていくことと早期診断・治療・支援を応援・実践していくことは決して別物だったり相反することではなく、むしろ車軸の両輪であると考えています(ともに欠かすことができないという意味です)。特にご本人の意思や選択を尊重できるように真正面から向き合うことがより必要ということだと思います。もちろん現実的には難しいことも多いと思いますが、認知症ご本人ができるだけ自分の人生の選択ができようサポートすることが重要だということです。
「周りの人の認知症に気づいてあげましょう」から一歩進んで「自分の変化や違和感を無視しないようにしましょう」という時代に入ってくるということなのでは?と思っています。