<ひまわり通信 78> 11月 一つのお話です
何を隠そう、私は昔から時間ぴったりの時計が好きです。
高校生になり、初めて時計を買ってもらったときは
それはそれは嬉しくて!!!
時報の電話(その頃は黒電話の時代でした)を聞きながら、
ピッ、ピッ、ピッ、ピーン、に合わせてあらかじめ針を一時停止させるために引き出しておいた竜頭を
タイミングよく押し込む。
そうすると正確に時を刻む時計の出来上がりとなる。
懐かしいな〜。若い方はもうそんなの知らないだろうな〜。竜頭も知ってるかな〜。
そしてデジタルの時代となり、
電波時計も出現してきた。
電波時計なるものは、時計が自分で正確な時刻の電波を定期的に受信し、ぴったりの時間を教え続けてくれる。
さらに電波ソーラー時計は日光浴させてあげれば電池交換もいらない優れものだ。
これを見たときには、あまりにも私好みで、踊りだしてしまいそうだった。
しかし、つい先ごろ、私の電波ソーラー時計が突然動かなくなってしまった・・・ずっと調子よかったのに。
日に当ててあげても、どうもこうも動かない・・・
「どうしたんだ!しっかりしろ!今病院(時計屋さん)に連れて行ってあげるからね!」私は時計に言った。
そして時計屋さんについた私は、切羽詰まって店員さんに早口で説明した。
「私の電波ソーラー時計が、止まってしまったんです!!!光の当たるところにおいてもダメなんです!」
すると、店員さんは冷静に、「あ〜竜頭が上がってますね〜」といきなり竜頭を押し込んだ。
アッ!えっ?
何と竜頭を押し込まれたとたん、針がぐるぐるぐるっと回って、正確な時間を再び示し、時計は何事もなかったように動き出した。
「竜頭をあげると、時計は止まるんです。これで、様子をみてくれますか?」と店員さんは、優しく時計を手渡してくれた。
照れくさいやら、恥ずかしいやら、嬉しいやら、穴があったら入りたいやら・・・複雑な気持ちで足早にお店を後にした。
袖口か何かで引っかかって、竜頭が上がってしまっていたに違いない。時報で合わせる時計だったら気が回ったかもしれないが、
電波ソーラー時計には虚をつかれた気分だった。もっと注意深くあらねばな〜と思ったのでした。
慌てない、慌てない、一呼吸おいて・・・ですね。
今の若い人たちは、時間を知りたいときはスマートフォンやアップルウォッチみたいのなんだよね。
時代は動いているのですね。
今月は、ひとしきり私事を語ってしまいました。
大変失礼いたしました。