<ひまわり通信 60> 2023 5月の薫風を感じて

 
このところの気温の乱高下は、ついていくのが大変です!!
寒いと思ったら暑い、暑いと思ってたら、寒い。
うっかりすると風邪をひいてしまいます。

ご用心、ご用心。体調を崩されませぬように。

どちらかというと、今の時期は体を【冷やさない方向】でお願いします。

さて、今回から何回かにわたり、「たかが便秘、されど便秘」のお話をします。

あなたは便秘がちですか?それとも下痢気味ですか?

若い人は女性に便秘が多いのですが、
年を取れば全体的に便秘の人の割合が増えますし、なんと!75歳以上だと男性の方が便秘がちとなってきます。

消化器は専門ではないので、私が言うのもどうかな、と思うのですが、
精神科では案外と便秘と切っても切れないところがあるのと、
だんだん年を取ってくると、便秘は気をつけたい病態でもあることから、
注意喚起という意味合いで書きます。

もちろん!何か心配なことがあれば、躊躇せずかかりつけの先生か、消化器内科を受診してくださいね。

そもそも、便秘とはなんでしょうか?

内科の先生による慢性便秘ガイドライン(2017)によると・・・

「本来体外に排出すべき糞便を『十分量』かつ『快適』に排出できない状態」をいいます。

ですので、毎日でないといけないということでもありません。
たとえ週に2〜3回でもすっきりで出ていれば便秘ではありません。
また、排便強迫神経症などで精神的に残便感がある場合でも、便そのものが直腸になければ便秘ではありません。

便秘かどうかで迷う時、一番怖いのが・・・
何かの原因で、便ではなく、消化管が「詰まっている」ことです。
大腸がん、直腸がん、虚血性大腸炎での狭窄などなどで便が出ない場合、
便秘と間違って下剤とか飲んでしまうと大変です。
大腸の蠕動運動を無理やり起こさせようとすると腸に穴が開いてしまうことがあります。

もしも便が出にくいな、と感じたときには、無視せずに、まずは一度見てもらうことをお勧めします。

さらに、原因をもっと考えると、内科的な病気の症状の一つとして「便が出にくい」症状が現れることもあります。

また、忘れてはいけないのが今処方されているお薬の副作用としての便秘症状にも気をつける必要があります。

そうなんです!!実は抗精神病薬や抗うつ薬のために便秘になってしまうことがあるのですが、
その処方薬そのものの作用効果の方がその人にとってより重要ということであれば、
下剤を上手に使いながら快適な生活に持っていくように考えていくことが、その方にとって、プラスになると思うのです。

では次回は特にがんなどでない場合の、便秘の種類と対策についてお伝えしたいと思います!!
すっきり出ると気持ちのいいものですものね。