<ひまわり通信44> カフェラテ Mサイズ



「ひろこ先生 はじめて コンビニエンスストアのコーヒーマシンで カフェラテM を買う!!」

コンビニエンスストアに入り、
「コーヒー飲みたい」
「温かいの、飲みたい」
「缶のは、ちょっと・・・」
と、思っていたら、ちらっとレジの横にあるコーヒーメーカーマシンが目に入った。

「ゲッ、でもこれ使ったことないし・・・」
「どうしよう、やってみるか?」

きっと私は目を大きく見開いてコーヒーマシンに対峙していたに違いない。
レジから店員のお姉さんが身を乗り出すように
「お決まりでしたら、どうぞ〜」と言ってきた。

「あ、はい、カフェラテのMを頂きたいのですが、どうしたらいいか・・・」と、もごもご言っていると、
店員さんはレジからさっとカップを取り出して、カウンターの上にパン!と置いた。
「これを入れて、『カフェラテM』のボタンを押してください。『カフェラテM 』ですよ。」とカフェラテMを2回言った。

なんとなく初めての事に緊張した私だったが、そんなそぶりも見せず、
「ありがとうございます。」とカップを持っていこうとしたら、
「150円です。」と店員さんがにこっと笑う。

そうだ、あまりのことにお金を払うのを忘れていた。焦っているの、ばれたかな?とか思いながら小銭でぴったり支払う。やった!これでこのカップは私のもの!
そして2歩横のマシーンにカップを装着しようとしたら、横から別のお姉さんがすっと素早い動きで自分のカップを入れてしまった。私の動きがよっぽどのろかったにちがいない。
でも私にとっては良かった。マシーンの使い方を1回予習できたのだから。
お姉さんは手慣れた感じで、カップにカフェラテがスーッと入っている間に、手際よくふたとマドラー、砂糖、クリームを取り、さわやかに一礼して去っていった。

ハハン、こうすればいいのね、とすっかり自信をつけ、私はカップをカパッとカプセルみたいなところに入れて、カフェラテをゲットできたのでした。
そのあと、外に出て、カフェラテを手に交差点で信号待ちをしている間、私は声を立てて笑ってしまった。思わず周りを見回したが、人はまばらで胸をなでおろした。

いろいろと年を取ってくると、初めてのマシーンが増えてくるよね。

すごく昔だけど、電車の入り口が自動改札になったとき、その頃の高齢な方が「慣れるのが大変!」と言っていたが、
今、その気持ちがよくわかる〜。
年を取っていくのは、み〜んな未知の世界へ日々足を踏み入れているようなものだのです。
初めての事ばかりだものね。
そんな時は、怖がらず、こころを開いて、先輩に聞きながら頑張るしかないかな、と思ったのでした。