<ひまわり通信 30> 目指せ!えらい猫さん



どこかでもう話したかもしれません。
私の好きな話のひとつです。

むかしむかし、私が医学生だったころ、
公衆衛生学の教授の先生が講義の中で
「君たちはえらい猫さんになりなさい」と言われた。
何ですと?と思ったけど、こういう理由だったのです。

「普通の猫さんはネズミを捕る。そして褒められたりする。
しかしもっとえらい猫さんは、その猫がいるだけで、ネズミが近づかなくなる。
それと同様に、
病気を治すのはもちろん目指すべきところだが、
病気にならないためにはどうしたら良いか、病気を寄せ付けない、予防をするのにはどうしたら良いか、
を常に考えなければならない。
だからそんなえらい猫さんのような医者になれ。」と。

そんなことを思い出したのは、
最近・・・こんなことがあったからでしょうか。

「先生のクリニックの予約が取れたら、なんかほっとしちゃって〜
眠れるようになってきて、食事もとれるようになってきました・・・」と
照れながら言ってくれた患者さんがいらっしゃいました。

もちろん、私がえらい猫さんに近づいていると言っている意味ではありません。
しかし、皆さんに、いろいろ病気について知識を蓄えてもらい、病気を理解することで、
楽な、というか余裕のある心持になってもらえるように、
私自身もっと勉強して、それを発信していけたらいいな、と思ったのでした。

今、このCOVID19のパンデミックな状況では、
多くの内科の先生たちが、
アマビエさまのごとくといいますか、えらい猫さん級に感染予防の啓発発信をしています。
早く終息してくれるのを心から願ってやみません。
私は私で、精神科として、えらい猫さん目指して、がんばりまーす。