京北病院問題で読売新聞社が回答

1999.7.20登録

 読売新聞社広報部は、7月9日付で全国弁連が出した公開質問状に対し、14日付で回答しました。回答文は以下のとおり。

 週刊読売七月一八日号に掲載された記事「驚異 免疫療法で末期がん7割が生還」に関
し、貴会より弊社代表取締役および週刊読売編集長あてに公開質問状を頂戴しましたが、
職掌上、広報部より以下のとおり回答いたします。

一、本件記事の掲載経緯について
  本年春、担当記者が医療ジャーナリストの丹羽幸一氏から「末期癌患者の多くが改善
  している病院がある」と聞いたのが取材のきっかけでした。丹羽氏は、この病院に転
  院してきた癌患者に限定して、前病院のカルテや診療前・診療後の画像診断に基づく
  病状追跡を行っており、六月下旬に担当記者が丹羽氏に連絡をとったところ、ほぼ調
  査が終わったということだったので、その追跡結果に関し、丹羽氏や該当患者、京北
  病院などに取材して報道することにしたものです。

二、京北病院および小林院長に関する認識について
  取材の過程で担当記者は、丹羽氏から「かつて週刊誌などで『統一で会系』と批判さ
  れた病院だ」と聞きましたが、同時に丹羽氏が「今は関係ないと確信している」とも
  述べたため、この点に開しては、それ以上の裏付け取材は行いませんでした。このた
  め、週刊文春との間で訴訟があったことは、担当記者も週刊読売編部も知らず、従
  って判決内容も承知していませんでした。

三、前記判決があったにもかかわらず本件記事を掲載した理由について
  掲載時点で判決内容を承知していなかったので、お答えのしようがありません。ただ
  し、一審判決は「本件病院の腫瘍マーカー総合診断法による検査の結果、癌であると
  判定されたり、赤紙を渡された患者でも実際には癌でない者や癌発病の危険性がない
  者が少なからずいる」とした上で、「癌でもないのに癌の判定をする結果につながり
  がちな腫瘍マーカー総合診断法に基づき、本件病院の患者に対し、癌又は癌発病の危
  険性があると告知し、そのことにより患者の不安をあおりたて(た)」という認定を
  行っています。一方、本件記事で取り上げた症例は、京北病院で受診する前に他の医
  療機関で既に癌と診断されていた患者に対する追跡結果であり、この点に関しては、
  訴訟等で問題とされたケースとは性格が異なると認識しております。

四、高額医療費の危険性などにかかわる報道責任について
  医療費については、記事中で「保険が適用されないのも悩みで、温熱療法を1回行え
  ば15万円から25万円の費用がすべて患者負担となってしまう」と記し、診療を受けた
  患者が予想もしない高額請求をされることがないよう配慮したつもりです。「生命、
  身体に危害を加えられた場合」を仮定しての質問部分は、医療とそのような加害行為
  とは、本来相いれないものであるので、お答えしようがありません。

五、本件記事が患者勧誘などに利用された場合の報道責任について
  本件記事は、丹羽氏の追跡調査結果を報じたものであり、もとより京北病院や小林院
  長を賞揚する意図に発した記事ではありません。病院側が本記事を宣伝物などに二次
  使用しようとする場合は、弊社の許諾が必要であり、万一、記事内容を歪曲するなど
  して宣伝等に使うようなことがあれば、当然、必要な措置を講じます。

 なお、ご質問にはありませんでしたが、本件記事の「末期がん7割が生還」との見出
しについて、弊社の見解を申し述べます。
 この見出しは、記事中の「評価可能な52症例の経過をまとめたのが表1。がんがほぼ
消えた状態にある(あった)例が7割弱」という記述に対応したものです。「がんがほ
ぼ消えた状態にある(あった)例」とは、丹羽氏の調査結果を一覧表にした表1中、病
巣の状態を丹羽氏が「CR」と判定したケースを意味し、この中には既に亡くなった患
者も含まれています。
 しかし、「CR」という判定自体、より厳密な医学的検討を要することであり、また
五二症例中三五例が「CR」と判定されたとしても、それをもって直ちに「末期がん7
割が生還」と表現した見出しは、事実を簡潔かつ正確に伝えるべき見出しとして著しく
適切さを欠くものであったと思います。一般読者の読み方をもってすれば、「末期がん
患者の七割が全治した」ごとく受け止められるのは当然であり、読者の誤解を招くこの
ような見出しは、厳しく排除していかねばなりません。この点、深くお詫び申し上げま
す。
 また、質問五の回答で申し上げたように、本件記事は京北病院や小林院長を賞揚する
意図に発したものではありませんが、貴会にそのように受け止められたのは事実であり、
京北病院に関し公開質問状で指摘された点や、温熱療法や免疫療法にかかわる諸問題に
ついて、来週発行の週刊読売誌上で多角的に報道すべく準備を進めていることを、最後
に申し添えます。

  平成一一年七月一四日

                       東京都千代田区大手町一−七−一
                              読売新聞社広報部

全国霊感商法対策弁護士連絡会殿
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