京北病院記事で読売新聞社に公開質問状

1999.7.13登録

 7月9日、全国霊感商法対策弁護士連絡会は、ホリスティック京北病院の癌治療を賞揚した記事を掲載した週刊読売編集部と発行元の読売新聞社に対し、「患者の不安をあおりたて、その不安に付け込んで本来不要で、かつ高額な費用負担を要する治療を行っていたということができる」などとした判例などを示し、記事掲載の経緯やこの病院の問題の認識など5点についての公開質問状(下記)を送りました。7月15日までの回答を求めています。


        公   開   質   問   状


            全国霊感商法対策弁護士連絡会
               代表世話人 弁護士  伊  藤  和  夫
               代表世話人 同    平  岩  敬  一
               代表世話人 同    廣  谷  睦  男
               代表世話人 同    馬  淵     顕
               代表世話人 同    芦  田  禮  一
     (連絡尭)東京都新宿区新宿一−一−七 コスモ新宿御苑ビル五階
          東京共同法律事務所(TEL 〇三−三三四一−三一三三
               右連絡会事務局長
                     弁護士  山  □     広
   一九九九年七月九日

千代田区大手町一−七−一
 読 売 新 聞 社
 代表取締役  渡  辺  恒  雄  殿

千代田区大手町一−七−一
 読売新聞社内
 週刊読売編集部
 編 集 長  青  羽  孝  雄  殿

               記
一 週刊読売本年七月一八日号(七月六日発売)に掲載された「驚異、免疫療法末
 期ガン、七割生還・五二症例全データ公開」と題し、「ホリスティック京北病
 院」の宣伝記事と見まがうばかりの、同病院及び同病院小林常雄院長の業績をこ
 とさら賞揚した記事についで質問します。
二 当連絡会は、いわゆる霊感商法被害の救済と根絶のために一九八七年五月、全
 国の弁誰士約三〇〇名余によって結成された弁護士の連絡会です。
  印鑑・壷・多宝塔・人参濃縮液・数珠・石板などを先祖の因縁を解放するため
 などと欺瞞的説得によって不安をあおって脅しつけ不当に高額で売りつけたり、
 多額の献金などを強要するいわゆる霊感商法は、当連絡会に対する被害者の相談
 だけでも、過去約一二年間の間に合計約一九六八九件、被害合計は金七四六億七
 六〇〇万円余にのぼっており、現在もなおその被害が継続しております。
  この霊感商法は、宗教法人世界基督教統一神霊協会(以下「統一協会」とい
 う)が全国の組織を駆使して、その信者らによって展開されていることはもはや
 公知の事実です。
  相次ぐ霊感商法の手□による献金勧誘行為を違法とする判決や、マスコミ報道
 等により、統一協会の手口が広く知られることとなり、統一協会にとって従来の
 手□による霊感商法による資金集めは困難になってきました。そこで統一協会
 は、資産を有する主婦・高齢者等を主たるターゲットにして、印鑑・念珠を売り
 つけ献金を強いる外、その所有不動産を担保に借金させて協会組識に提供させた
 り、名義を借りて銀行等の金融機関からスピードローン等の手続で借金させるな
 どしており、今もなおその種の被害相談が相次いでいる実情です。
三 このような実情のもとで、週刊読売の六頁にわたる巻頭記事で、統一協会傘下
 の病院としてすでに公知の事実であるホリスティック京北病院における小林常雄
 院長らによる温熱療法や腫瘍マーカー検査による再発チェック等を賞揚し、宣伝
 するかの如き記述がなされ、頭記タイトルの販売宣伝行為がなされたことにつき
 まして憤りを禁じ得ません。
 1 小林常雄氏と医療法人社団杏友会(小林常雄理事長)は、週刊文春の九三年
  九月一六日付記事「統一教会系病院、命を弄ぶ霊感商法」と題する記事を名誉
  毀損であるとして訴えました。しかし、この訴訟では、東京地方裁判所は九七
  年二月二四日付判決で「小林(常雄)及び本件(京北)病院は、文教組及び統
  一教会との間に人的物的に密接なつながりがあるものと推認するごとができ
  る」とし、「医学界においても異論があり、また、癌でもないのに癌の判決を
  する結果につながりがちな腫瘍マーカー総合診断法に基づき・・・患者の不安
  をあおりたて、その不安に付け込んで本来不要で、かつ高額な費用負担を要す
  る治療を行っていたということができる。」と認定して、右訴えを棄却してい
  ます。この地裁判決は判例タイムズ九六五号、判例時報一六二六号に全文が掲
  戴されている著名なものです。また、右判決は東京高裁の平成一〇年一月二八
  日付判決、最高裁の同年七月一六日付判決でも維持されて、確定しています。
   この裁判については、すでに週刊読売担当者において認識されていたはずで
  す。
   小林院長が統一協会信者として合同結婚式にも出席した経歴の持主であるこ
  とは明白です。前述した霊感商法は統一協会信者がその教義の実践として行っ
  てきたものであるという事実をふまえますと、同院長の活動にこのような統一
  協会の教義や活動の影響があることが憂慮されます。
 2 また、当連絡会の弁護士のもとには、頭記記事の危険性を指摘する電話が入
  っておりますが、更に、同病院の温熱療法の料金が極めて高額であること(こ
  のことは、頭記記事でも十分認識していることがうかがえます)、入院患者が
  支払った入院保証金さえも直ちに返金できない程病院経営が逼迫していること
  についての具体的相談も寄せられております。
   このような同病院の治療上、経営上の問題について、週刊読売担当者はどの
  ように認識されているのでしょうか。
   頭記記事を契機として、新たな問題が発生することを防止する必要があると
  考え、次の諸点について、回答を求めます。

 一、いかなる経緯で(どこの誰からの申込みで、いかなる取材をして)ホリス
  ティック京北病院の「免疫療法こと温熱療法」を賞揚する記事を掲載すること
  とされたのかその具体的経緯を明らかにされたい。
 二、京北病院や小林常雄院長について前述した実態や問題点を認識していたか。
  認識しながら掲載したのでしょうか。
 三、最高裁判所で確定した判決の認定について、どのような異論を持って、京北
  病院及び小林常雄院長を賞揚する頭記記事を掲載されたのか。
 四、頭記記事を読んだ読者らが、その内容を信用して、京北病院に診察に訪れ、
  その結果、不当に高額の費用を支払わされ、あるいは正体を隠したままに統一
  協会の教義の教え込みを受け、あるいは生命、身体に危害を加えられた場合
  に、いかなる責任を取るおつもりか。
 五、頭記記事を契機とした新たな問題、新たな被害が発生しないよう、今後いか
  なる措置を取るおつもりか。少なくとも、京北病院あるいは銃一協会信者ら
  が、癌におびえる市民に対する勧誘をする際、その道具として頭記記事が利用
  されないための、具体的措置を講じるべきだと考えますが、どのような具体的
  措置を講じるおつもりか。

 以上の諸点について、本年七月一五日(木)までに交書にて明確に回答されるよ
 うお願いします。
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