再現!東ティモール料理(3)

河原田眞弓

 今回のレシピには、材料の分量が書いてありません。
 現地に行った際、何人かの人にレシピについて確認しようとしてみたものの、返ってくるのはどれも大雑把な答えばかりでした。とはいえ、今回のレシピは日本の家庭のそれと変わりのないものばかりです。日常の感覚で調理してみてください。
 イリオマールにいる友人いわく、味の決め手は「油」だとか。ディリの街ならポルトガル風にオリーブオイルを使っていることも多いのですが、伝統的には手に入りやすい「ココナッツ油」をよく使うようです。この油を使った料理はココナッツのほのかに甘い香りがして、南国情緒満点!(悲しいかな日本の食用油ではこの風味がうまくでません。)昔ながらの製法で作っているラガの「塩」も絶品です。こちらは空港の出発ロビーでお土産として売っていました。
 東ティモールの一般家庭では、昔ながらのやり方でコンロに火をくべて調理するので火力の調整も難しい。ガスの供給はありません。たまにケロシン(灯油)コンロを見かけるくらいです。このコンロは、四角い箱のようなブリキの缶をその上に乗せて即席オーブンとし、パンやお菓子を焼くこともできます。騒乱後の1999年末の、がれきの中のディリで、知人のティモール人がどこからかパンを仕入れてきたり、山奥の村を訊ねて、素敵なケーキが供されたときには人々の智恵とその出来に新鮮な驚きを覚えました。
 インドネシア・中国・ポルトガルの影響を強く受けた東ティモール料理ですが、各地方には前に紹介したSabokoやTukirのような伝統的な郷土料理も存在します。機会があれば、またいつかご紹介したいと思います。

1.Mofo Fila(モド・フィラ:野菜いため)または、たこの炒めもの

 キャベツを「玉ねぎ・ピーマン・たこ」に置きかえると、「たこの炒め物」となります。どちらも数分で出来上がり!ただし、野菜不足の乾季(4月〜10月頃)には、流通システムの整っていない地方ではあまり食卓にのぼりません。

[材料]
キャベツ(たこの炒めものなら、玉ねぎ・ピーマン・たこ)

ニンニク

胡椒

[作り方]
ニンニクをスライスして、油(あればココナッツオイルかオリーブオイル)で炒める。
キャベツのザク切りを入れ、更に炒める。「たこの炒めもの」の場合は、玉ねぎ・ピーマン・たこをスライスして順に炒める。
塩・胡椒で味を整える。

2.おやき風パンケーキ
 イリオマールのマリアおばさんの家で出た料理。お好み焼きの生地にそっくりです。野菜はそのとき手に入るものを利用します。ココナッツオイルが手に入らなくても、生地に少しココナッツミルクを混ぜると、それらしくなります。

[材料]
小麦粉

野菜(ニラ、玉ねぎ、ジャガイモ等)
塩 少々

ココナッツミルク 少々
サラダ油(あればココナッツオイルか、オリーブオイル)

[作り方]
野菜を切る。ニラは2~3cmくらいの長さ。玉ねぎはみじん切り。じゃがいもはいちょう切り。
ボールに小麦粉、卵、ココナッツミルク、水、塩の順に入れ、ダマがなくなり生地がスムースになるようかきまぜる。
生地にの野菜を混ぜる。
フライパンを熱して油を敷き、直径7,8cmの大きさになるように生地をおとし、こげないように焼く。 

3.フルーツサラダ
 東ティモールには日本で見かけないような果物いろいろあります。なすびのような形をしたアボガドもみかけました。簡単なレシピですが、流通経路の整わないかの地では、場所によっては贅沢な一品でもあります。

[材料]
果物―パパイヤ
バナナ
オレンジ等
砂糖(白砂糖)

[作り方]
全てのフルーツの皮をむき、それぞれ一口大に切る。
皿に盛り、白糖をかけて食べる。(通常しばらくおく)


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