<料理>

再現!東ティモール料理教室

河原田眞弓

 東ティモールの料理は地理的・歴史的な背景により、元からあるポリネシア・中国・インドネシア(マレー系)料理に、ポルトガル系の料理等が混在しています。その土地の料理を味わい、メニューから人々の交流の歴史を追想することも旅の楽しみのひとつ。
 1990年代、私たちが「東ティモールに自由を!全国協議会」として活動していた頃、ほぼ毎年行なっていた「東ティモールスピーキング・ツアー」中に「東ティモール料理教室」を開いたことがありました。当時のレシピが私の手元に残っていますので、その中から何品か選んでご紹介したいとおもいます。なおそれらのレシピは、日本で手に入る素材を使って出来る限り現地の味を再現したものです。
 Diliの勤め人たちがよく行く安い店の定番メニュー:ナシゴレン(焼き飯)、ミーゴレン(ヤキソバ)、ナシチャンプル(おかずを数種類ご飯の上に載せた定食)等は日本で「インドネシア料理(マレー系)」としてご存知の方も多いので、ここでは省略します。また、食材の量や何人前であるかについて記載のないレシピもあります。その場合は日本の料理を作るときの感覚で決めていただいてもあまり失敗はないかと思います。

1.SABOKO(サボコ)イワシの(ヤシの葉)包み焼き

 魚は他のものでも代用できそうです。LonelyPlanet社発行の東ティモール会話帳にも「レストランのメニューにはない、Dili近郊の海岸沿いの村人がつくる料理。ヤシの葉に包んで焼く。味はマイルドから超辛口まで様々。TUAKA(トゥアカー伝統的なヤシ酒―)と共に供されることが多い」との既述があります。ピリピリはお好みの辛さでどうぞ。

材料:8人分
イワシ 1.5キロ           
玉ねぎ 2個
ニンニク 3個(多すぎると思ったら控えめに)
ショウガ 適当
タマリンド液(インドのナツメヤシ。料理に酸味をつけるのに用いる)大さじ1
ピリピリ(赤唐辛子をみじん切りにしてオリーブオイルに入れ、レモンを搾って加える。)サラダ油(もしくはマーガリン)

作り方:
1.玉ねぎは輪切り、ニンニクは薄切りにする。
2.イワシはウロコをとっておく。(内臓を出してもよい)
3.鍋の底に玉ねぎ・ニンニクを敷き、その上にイワシを並べ、さらにその上に玉ねぎ・ニンニクをかける。そこにピリピリ・タマリンド液をかける。
4.ショウガを薄く切って、包丁の背でたたき、鍋に入れ30分くらいねかす。
5.サラダ油を入れ、火にかけ、いわしに火が通るまで煮る。

2.SALADA  サラダ

 ティモールのサラダはレモンの絞り汁が決め手です。みずみずしい野菜とドレッシングの酸味が良く合います。家庭でも皆結構きれいに盛り付けていますよ。

材料:
マッシュルーム
きゅうり
玉ねぎ 
トマトピーマン 
<ドレッシング>
レモン1個、えびペースト・塩・ピリピリ・酢各少々

作り方:
1.マッシュルームは薄切りにし、酢水にさらす。しばらくさらしたあと酢水を捨てて、新たに酢と塩を入れてもむ。
2.きゅうりは皮をむき、さいころ型に切る。トマトもさいころ型に、玉ねぎ・ピーマンは荒みじんに切っておく。
3.レモン汁を絞っておく。
4.野菜を全てボールに入れ、レモン汁、えびペースト、ピリピリ、塩を入れてよく混ぜる。

3.なすのターメリック炒め

材料:5人分
なす 5
玉ねぎ 1
にんにく 1/3(好みで減らす)
ターメリック(黄色いウコンの粉)大さじ1
塩 少々
酢 大さじ1
えびペースト 少々
水 少々
サラダ油

作り方:
1.なすは7〜8ミリ程度の薄切りにし、油で揚げる。
2.ターメリックに酢を加えて混ぜておく。
3.玉ねぎは薄切り、ニンニクはみじん切りにする。
4.フライパンにサラダ油を入れ、ニンニクと玉ねぎを加えて炒め、えびペーストとターメリック酢、水を加えて更に炒める。
5.揚げたなすを加えて混ぜる。

4.ETU−KATUPA(エトゥ・カトゥパ)ココナッツミルク ライス

材料:8人分
米(インディカ米があればなお良)3
ココナッツ・ミルク 1カップ・・・甘いのが苦手な人は少し量を控える
玉ねぎ 1
塩 大さじ1
こしょう 少々

作り方:
1.米をとぐ。
2.玉ねぎをみじん切りにする。
3.炊飯器にといだ米、ココナッツミルク、玉ねぎのみじん切り、塩、こしょうを入れる。
4.水は通常よりも少し多い目にし、よく混ぜ、炊きあげる。
5.炊けたらしばらくおいて蒸らす。


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