今日の話題:中原中也の結婚式

 

『 月夜の浜辺 』

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打ち際に、落ちていた。

それを拾って、役立てようと
僕は思ったわけではないが
なぜかそれを捨てるに忍びず
僕はそれを、袂に入れた。

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打ち際に、落ちていた。

それを拾って、役立てようと
僕は思ったわけではないが
  月に向かってそれを抛れず
  波に向かってそれを抛れず
僕はそれを、袂に入れた。

月夜の晩に 拾ったボタンは
指先に沁み、心に沁みた。

月夜の晩に、拾ったボタンは
どうしてそれが、捨てられようか?

 

中原中也の詩を、初めて読んだ時 「なんちゅう新鮮な言葉!」 と驚きました。中原中也は明治40年の4月29日(わたしも4月29日生まれですっ!)に山口市の湯田温泉で生まれました。

久しぶりに秋らしい爽やかな日の10月23日、家から自転車で5分の、前から見たいと思っていた、中原中也が結婚式を挙げた部屋を、湯田温泉の旅館『西村屋』に、見にいきました。 「部屋見せて下さい」と突然現れたのに、どうぞ と親切に部屋にあげて見せて頂きました。西村さん どうもありがとうございました。、

 

『西村屋』旅館

『西村屋』旅館は湯田温泉にある伝統的な老舗の旅館です。西村さんはお互いの子供が同じ学校だったので、前から何度がお話をしたことがありますが、誠心誠意とはこの人のこと、の誠実な方です。から、旅館の従業員の方もみんな穏やか暖かに接してくれます。働いている人の定年はやめたいと思った時だそうで・・・そんな旅館です。そんな旅館ですから豪華な近代的な施設で豪華にお泊まりとはいきませんが、心配り、もてなしの心を、大切にの方にはおすすめの旅館です。泊まったことはありませんが、何度か食事を。晩秋から始まる 「鍋」料理はほんとに美味です。

 

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10代の頃から奔放に青春した、恋多き男、中原中也は、26歳の昭和8年12月3日に、家から50mほどの西村屋の、この一階の奥の部屋で結婚式をあげ、結婚しました。

 

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好きなだけ見て帰って下さいと言われたので・・・。
もう、71年も前の事ですが へ〜っ この部屋の、この床の間の前に二人は並んで座ったのか・・・と眺めて感激しました(割と単純な性格ですから)。

結婚式はすぐに終わったそうですが、新婦の上野孝子は、小柄な中也より背が高く、記念写真の撮影に手間取ったそうです(中也は女より背が低いのがやっぱり気になったんでしょうか? 見栄っ張りな奴)。で、孝子は椅子に腰掛けて、やや変な姿勢になって。その写真が飾ってありました。

 

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やっとその部屋を見れたので、感激しての自転車での帰り道、大学時代の嫌なことを思い出しました。

二言目には「亀井勝一郎が・・・」という文学派の化学科の友人から 「詩集を出すからお前もやれっ」 と誘われて、建築科の何人かも加わって、友情が大切なので・・・したことがあります。
詩集の名前が 『忘憂樹−ロ−タス−』 ←この辺りがもう恥ずかしい・・・・。3冊くらい出した気がしますが、熱気も冷めて、恥ずかしくもなって、終わりました。恥ずかしきことのみ多かりきの大学時代の恥ずかしい事の一つです (-_-)゜zzz・・・

後半につづく