261 タイ、チェンマイの旅:(最終回)はるかなる照葉樹林

ヒマラヤ山麓から日本列島にかけて、カシやシイなどの常緑広葉樹が繁茂する、照葉樹樹林が拡がっています。照葉樹林の下での人の暮らしには共通の要素があり、照葉樹林文化と呼ばれています。照葉樹林文化は中国雲南省辺りで興り、各地に拡がって、やがて日本列島まで伝わり、日本人の生活の基層をなしています。みそ、酒、納豆、麹などの食べ物、そして、歌垣十五夜の行事なども、照葉樹林に住む人々に共通する文化です。

 

タイ北部は亜熱帯モンスーン気候で、平地には雨緑林が拡がっています。しかし、標高が1000mを越えると、カシやシイの照葉樹が少しづつ現れてきます。先頃ご紹介した、中国奥地からタイへ移動してきたメオ族やアカ族などの少数民族も、最南端の照葉樹林になるタイ山岳地帯に住んで、照葉樹林文化の原型を濃く保ちながら暮らしている人々です。

チェンマイの南西約80キロの、ドイ・インタノン国立公園に向かいます。車は、乾期ですっかり落葉した山麓から、インタノン山を目指して急な坂を登っていきます。チェンマイを出て3時間半、標高2565m、タイ最高峰のインタノン山の頂を踏むことができました。
見渡す限り新緑が始まった照葉樹林が拡がっていました。はるばるとやってきたタイの照葉樹林。この辺りから始まり、はるか彼方の日本列島まで続いています。私にとっては感激の風景でした。

 

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