1415 ヒナギキョウ、お前だったのか−本の細道−

 

ア−ネスト・サトウ

子供の頃から活字中毒で、大学の頃も字が書いてあったら何でも読みます生活をしておりました。その頃はちょっとした幕末ブ−ムで、幕末の頃の日本はどんなんだったかな? 司馬遼太郎に騙されないように、ア−ネスト・サトウの『一外交官の見た明治維新』なんかも読んでいました。

サトウ(Sir Ernest M. Satow 1843-1929)は19歳の時に通訳として日本にやってきて、薩英戦争、連合軍下関砲撃事件でも現場に駆けつけ、また、西郷隆盛や坂本龍馬ほか幕末の有名人にも会ったことがある、後には英国公使にもなったイギリス人外交官です。

東京の半蔵門前にある英国大使館の桜は彼が植えたということだったので、東京に行った時、忍び込んで確かめようかと思いましたが、外交問題になったらいけないので大使館の周りをただウロウロして帰ってきました。

彼の本は、幕末の日本や日本人はどうだったか?が分かる面白い本です。しかし、、ほとんど世界の果てだった極東の、しかも、風雲急を告げる日本に19歳でやってくる青年!
さすが冒険野郎の国の人、イギリス人には負けます。

 

サイヨウシャジン事件

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夏の終わりから咲くサイヨウシャジン。可愛い釣り鐘型、青い色、なかなか人気がある秋の花です。西日本ではこのサイヨウシャジンですが、東日本では、花の裾がもっと拡がって、西洋の鐘型をした ツリガネニンジンがあります。トトキとも呼ばれ「嫁に食わすなっ}というほどの美味しい山菜となっているそうです。

二つは仲間なのに、片一方は○○シャジン、もう一方は△△ニンジンと違う名前が使われています。ありがちな事ですが、ややこしいことするなっ!

ニンジンは人参、シャジンは沙参。ともに漢名です。昔の日本人も舶来に弱く(中国の本草=薬草学)、舶来のの方がかっこいいと思ったのか、日本の植物にもやたらと漢名をつけています。

ツリガネニンジンは釣り鐘型の花をした根が人参ということで了解。

が、サイヨウシャジンについては長年悩んでいました (-_-)゜zzz・・・サイヨウシャジンの シャジン は沙参で問題解決。サイヨウ?それ何じゃ?細葉? 

この植物無理を10階建てから眺めても、細い葉でなし。それに、細い葉の植物は 「ホソバ」 と呼ぶのがお約束です。から、細腰にしとこ。しかし、腰??? 釣り鐘型の花の腰が細いから? で、鐘の腰はどこどこ?  


犯罪の証拠は思わぬところに転がっています


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初夏の頃から、芝生のような草丈が低い草原でよく咲いてる、ヒナギキョウ。小さな花が、ひょろひょろした細い茎の先に咲いています。

雛のキキョウ。可愛い名前ですが、その実態は 雄しべ と 雌しべは別の時期に熟れる、受粉はあくまでよその花と作戦。家庭内別居主義です。なかなか陰湿な作戦ですが植物界では常識です。

 


『民族と植物』 武田久吉

最初は、1948年に発行され、1999年に文庫本として講談社が復刻。ブックオフにて100円で買いました。武田久吉は日本山岳会や植物学の学会の設立に貢献した、その道のパイオアニアだそうです。

ある日、その本の中の昭和17年に書かれた 「野菜と山菜」 のところを読んでいると、『・・・・しゃじんと名がつくものはいろいろある。ただし中国で細葉沙参と名づけるのは ひなぎきょうである』

ええ〜っ ひなぎきょう、お前が細葉沙参だったんか!サイヨウシャジンは間違って細葉沙参と呼ばれていたんか! どうりで葉が細くないはず。

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ヒナギキョウはもうヒナギキョウという名前を持っているので、細葉沙参という名前はサイヨウシャジンに貸してやりましょう。ということで、事件は円満に解決しました。

武田久吉さんありがとう。本の最後を見ると、武田久吉の父親はア−ネスト・サトウ・・・・・・・・・・・・・・・・幕末の日本を駆け回りながらすることはしていた Sir Ernest M. Satow、イギリズ人には負けます。 

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