1078 ウスバシロチョウ

パルナシウス( Parnassius )。ギリシャの神々が住む山、パルナッソス山に因んで名付けられました。またの名はアポロチョウ。この名もギリシャ神話の太陽の神アポロンから。日本ではウスバシロチョウと呼ばれています。

約150万年前に始まった氷河期を生き延び、繁栄したチョウです。現在まで続くこの150万年間は、低温が続き氷河が拡大する時期と、それに続く温暖な間氷期が繰り返されてきました。この間、氷河の消長に合わせて、より良い住処を求めて、それぞれの集団が移動して孤立化し、あるいは再会を繰り返す。その結果、地域ごとに独自の文様や大きさを持った、多様なパルナシウスが誕生しました。

種類は約35種ですが、同じ種類でも山の向こうとこちらでは、谷が違っても・・・・・、文様が違う。というように、無数の型が生まれました。現在は北欧から、中近東の山岳地帯、ヒマラヤ、中央アジア高原など、ユ−ラシア大陸の、冷涼な地域に広く薄く分布しています。

他のチョウとは違って鱗粉が少なく、半透明な羽に赤や青の点を散らした美しさと、多様な型に惹かれて、その全てを集めることや研究に一生を捧げる人、パルナシウス学と呼ばれる専門分野があるほどに、数多くの人々を魅了してきたパルナシウスです。

ちょっと休憩

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これがそのチョウ。パミ−ル高原などにいるタイプ(図鑑よりの無断拝借画像)

 

 

小学4年生の時、近所の中学生の家で標本箱を見せてもらったのがきっかけで、その中学生に手ほどきを受け、チョウ採りを始めました。

オオムラサキやアサギマダラなど近場のチョウは集まったので、より珍しいチョウを求めて、中学に入ると、1000mを越える山々へ単独行を開始。右手には捕虫網を、首から中古のカメラを提げて。
ある時はチョウを追っていて、よく足下を見ずに渡っていた古い木の橋が壊れて、5m以上落ちた事こともあります。運良く砂地に転落。しばらくして気がつくと青空が眩しく、鼻血が出ていました。が、そんな事は親には内緒にしておきました。

チョウ採りのシ−ズンは春先から夏前まで。「夏休みはいらん 今が休みだったら〜」と何度願ったことか・・・・。

中学3年の頃から、なぜがチョウ採りへの情熱が薄れ、山登りそのものに興味が移っていきました。きっと登山家になってやる。きっとカメラマンになる。と、固く決意しながら、高校時代も山登りは続けました。が、結局は登山家にもなれず、カメラマンにもなれませんでした。

 

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この5月28日の土曜日、ふとドライブで行ってみた、広島県の吉和の樅の木森林公園で、そのウスバシロチョウをたくさん見かけました。

大きさは5cmくらいで、モンシロチョウの2倍くらい。ウツギの花のそばに座ってを待っていると蜜を吸いにやってきました。氷河期に日本列島に渡ってきた日本のウスバシロチョウ( Parnassius glacialis )には、赤い斑紋などないのが残念ですが、独特の雰囲気があります。

久しぶりに間近に見たウスバシロチョウ。中学の2年生の5月、松山近郊の福見山で、初めてウスバシロチョウが網に入った時の感動。我が青少年時代の思い出の、懐かしいチョウです。