秋の磐越路-1

その年の日照量にもよるが、9月になると越後平野の稲穂が黄金色に色ずいてきます。9月の半ばから稲刈りが始まり阿賀野川にそって東へ稲刈り前線が進んでゆきます。10月に入っると会津盆地の稲刈りも始まります。
農作業の機械化により今ではほとんどがコンバインによる稲刈り作業になってしまいましたが、コンバインが入れない山間部の棚田では、今でも手作業による稲刈り風景が見られます。
私が子供の頃の会津では、稲刈りが終わる10月中旬には山々は色ずいていたと思います、近年では11月中旬にならないと色ずかないし、その年によっては赤くなる前に枯れてしまうような年もあるようです。
昼と夜の急激な温度差が紅葉の色合いにはっきり現れるから、暖冬の影響が紅葉にも現れているのでしょうか?

紅葉の頃、いつも頭を悩ますのがフレーミング(写し込む範囲)だ。あれもこれもと欲張ると散漫な写真になってしまいます、自分が強調したい部分を描写するには、不要な部分をなるべく排除していく事によりまとまった写真になります。
写真は引き算であると大先輩の写真家が言っているが、まさに的を得た言葉だと思います。
そこで50ミリなら85ミリに、200ミリなら300ミリにというように、写角を狭めていく事により画面からいらない風景をカットしていく作業、フレーミングの引き算が大事になってくるのではないでしょうか。


「案山子(かかし)」
昔は良く見かけた案山子だが、今ではほとんど見かけなくなってしまった。
野沢-上野尻間 2005年9月




稲穂が重く垂れ下がると、稲刈りの季節になる。
135のカメラでは横長(縦位置の場合は縦長)の画面なので、どうしても余分な物が入ってしまう場合は、
上下、左右をトリミングする事も視野に入れて撮影する場合も多々あります。
上の写真では稲穂を強調するため、左右をトリミングしました。
日出谷付近 2003年9月




「稲刈り」
深戸の棚田では昔ながらの稲刈り風景が見られる。
「ヴォ、ヴォ、ヴォ・・・」シゴナナのドラフト音が近ずくと、農婦が起き上がり鎌を振って迎えた。
機関士さんも、軍手を上げてこたえた。
鹿瀬-日出谷間 2004年9月




稲穂が色ずく頃、野沢から山都にかけて蕎麦(そば)の白い花がいっせいに開花する。
野沢付近 2005年9月




五十母川橋を渡るシゴナナを、鉄塔の丘から85ミリで撮影(上下をトリミング)。
五十島付近 2000年11月




赤い鳥居が目印、大牧の鍾馗様の踏み切りから本尊岩をバックに200ミリで撮影する。
山の険しさを強調するため、縦の写真の左右をトリミングしました。
三川-津川間 2003年11月




深戸橋を渡るシゴナナを、逆光側から200ミリで俯瞰撮影する。
鹿瀬-日出谷間 2003年11月




深戸橋を渡ったシゴナナを300ミリで俯瞰する、右上の体育館はトリミングした。
鹿瀬-日出谷間 2003年11月




徳根の船着場跡からの定番撮影、狙いどうり水鏡になった。
豊実-徳沢間  2000年11月(PLフィルター使用)




このオーバートラス橋(徳沢橋梁)は、1912年アメリカンブリッジ社製の橋梁で1913年(大正2年)完成した。
徳沢付近  1999年11月


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