日産/西工(R2)スペースアロー(FLENDS)

平成17年(新長期)排出ガス規制に、初めて適合させて、2005年7月29日に発売を開始した、「日産 スペースアロー」。ボディは変わらず西工C-1ボディとなった。

エンジン本体での超高圧燃料噴射により、燃料を微粒化し燃焼をしと尿素SCR触媒を組み合わせた、尿素SCRシステム「FLENDS(フレンズ)」を搭載し、燃費の低減も実現した。

 日本の高速バスでは珍しく、ZF製軽リターダ内蔵の6速オートマチックトランスミッションを標準装備し、軽量化とドライバーによる燃費のばらつき防止を実現している。


導入車両は(導入時社番)33両。

356,357,358,359,360,361,362,363,364,365
366,367,368,369,370,371,372,373,374,375
376,377,378,379,380,352,353,354,355(昭和島 本線用29両)
243,244,245,246(大栄 本線用4両)

2020年コロナウィルス感染拡大の影響で本線用のR2は廃車が一気に進んだ。
最後まで残っていたL-699(元L-377)が12月に大栄に送り込まれ、本体所属の車両は消滅となった。
元243-246は稼働はしていないもののLPSでLP20-23として2021年1月現在ナンバーは維持されている。

(ADG-RA273RBN改)

2005年11月11日に納車され、15日のデビューを控え、昭和島付近で試運転を繰り返す、尿素SCRの新スペースアロー。いきなりL356-362の7台が納入された。
MT車との主な変更点は、
・非常扉の位置変更(中心方向)
・客席窓が大型窓から通常の大きさに
・トイレの位置が、非公式側へ
・前タイヤ後ろのウィンカー位置(左右とも)
・車両前方下方にウィンカー増設(左右とも)
・後部ルーバー形状(左右とも)
・リアのランプ位置
・ZFのAT採用による走行音
・車内網棚前方にグローブボックス設置

356-51150R2
(品川200か1408)

リアの模様。

世界 No.1 クリーン ディーゼルという派手なステッカーが張り付いているので、ひと目で尿素車とわかる。

横面後方に尿素の給油口がある。

360-51150R2
(品川200か1408)

左が尿素車(AT)。右が従来車(MT)の東京空港交通の西工車並び。

改正灯火器規制に対応させるためにブレーキランプ・ウィンカーの位置が変更になって下方に移動したが、サイズが小さい。中央にLEDブレーキランプがあるが、目立たない・・
トイレの位置が尿素タンクの関係で逆になった影響で、後方の行先表示LEDの位置も右側になった。屋根上のトイレ換気口の位置も左右逆転した。

左(尿素):356-51150R2
右:207-40742R5

昭和島車庫に設置された、給尿素マシン(尿素ステーション)。
尿素車は尿素も入れなくてはいけない。
この関係からR2は昭和島給油をする昭和島・箱崎(羽田運用)に集中投入された。大栄にもL243-246が入ったが、羽田での給油がある運用で投入され、当時羽田空港運用のなかった箱崎(成田線)にはR2は投入されていない。
その後成田空港P13にも尿素ステーションが設置された。

2005年12月に開業したマンダリンオリエンタル東京を経由する日本橋・目白系統に充当された372。

乗降扉の下にもウィンカーがついているのがわかる。

第2ロットの363-369に次いで納入された第3ロットの車両(370-375)。

372-51250R2
(品川200か1445)

世界 No.1 クリーン ディーゼルのステッカー。2005年度最終納入車の380(第4ロット)。
2005年度だけで、356から25台が納入された。

380-60150R2
(品川200か1462)

2006年度に入り4月に早速、昭和島に352--355と大栄にも243--246が導入された。
世界 No.1 クリーン ディーゼルのステッカーがなくなって、さらにすっきりしたリア。
この60450よりホイールの穴の形状が変わった。(楕円形状から丸形状に)
この後のPKG代も同様の丸形状のホイールを使用。

352-60450R2
(品川200か1507)

尿素ステーションがない大栄には、PJエアロが導入されていたがも2006年4月に243-246の4台のR2が導入された。
昭和島で尿素を入れるため、運用も固定されており、昼の新宿にかなりの台数が集結していた。


244-60450R2
(千葉200か1625)
ADG-RA273RBN改(R2)の車両はトイレが普通のバスとは逆の運転席側についているのが特徴。
トイレの影響で非常口も普通のバスより少々手前にある。
2007年以降のR2は車内中ほどにリフト式のモニタが設定され、さらに1年後はリフト式でなく小型の液晶が2台設置されるようになった。

L628
リムジンバスでは殆ど使われることはないが補助席も装備。
ADG-RA273RBNは全て成田本線用で導入されたが、全車補助席付の仕様となっている。


L628
日産西工のAT車両はトイレは設置側がかわったため、トイレ内の構造は逆転し、右側に手洗いが設置されている。トイレはテシカ社のスライドバルブ付
清水を使った貯留タンク内蔵型。
循環式と違い、臭いがないトイレを新たに採用。噴射式と思われる。
圧縮空気も使うため、洗浄ボタンはランプが点くと利用可能。

L375
西工ボディの車両のトランクルーム(荷物室・バゲージルーム)の容量は大きい。
写真ではトランクが横になっているが、立てても入る大きさがある。
中央部は床の部分が少しでっぱっている。


L699
東京空港交通の西工AT車R2のコクピット。ATはZF製のATシフトセレクターを装備。つくば万博輸送後に活躍していた連節バス以来のAT車となった。6速ATのECOMAT2plusを採用。
ATボタンの右側にホイールパークブレーキを装備
同じ西工のR5は左側のバックアイモニタがコクピットの枠外に取り付けられていたが、枠内になり視認性が向上した。


L628 メトロファミリーパーク