日産/西工(R5)スペースアロー

ユーロツアー以降、富士重工21M(1M)ボディ車と日産車の大量導入を続けていたリムジンバスだが、富士重工のバスボディ撤退に伴い、西工ボディ車が導入となった。
首都圏での西工ボディの高速車は、まだ珍しい時期の導入となった。

西工C-1ボディを架装した試作車L590登場後、
2002年10月末に早速量産型車両が登場、その後もMT車からAT車へと変化があったが西工C-1ボディ車両は大量導入されリムジンバスの主役となった。
2004年には仕様変更された車両が登場した。また2004年11月導入車以降は、車内案内用として液晶ディスプレイが採用された。LEDがやっという中、当時は他社に先駆け最先端の装備であった。


西工C-1ボディのMT車の仕様変更は下記の通り

・L590・・・スモークなし窓・旧柄モケット・車内LEDシルバー枠
・L535/536・・・スモークなし窓・新柄モケット・車内LEDシルバー枠
・2003年導入車両・・・黒スモーク窓・車内LED黒枠
・2004年導入車両・・・リアエンジンルーバー形状・非公式側横角型ミラー向き・車内ピクトグラム・ドリンクホルダー
・L381-388・・・車内液晶

導入車両(導入時社番)は下記の51台で路線車両は成田本線用として全てトイレ付で導入された。
貸切車も東京空港交通としては初のトイレ付として2台が導入された。
この時代は、西工車と三菱エアロバスが集中導入され、僅かに導入された日野セレガRとも成田本線用であったため、「新車の多い成田線」と「少し古い車両の羽田線」がはっきりしていた時代であった。

その後羽田国際線の開業以降、羽田線の需要が増し、開業後順次、補助席付のL391-395,556-559,630-634が運賃箱を付け羽田線車両へと転属になった。
またL535,630-634は流通に転属となった。
L391は2017年度あたりから再び運賃箱が外され、本線用に戻った。
同時期に導入されたM86やFDは成田本線中心で乗りづらい車両だったのに比べ、
最終的西工R5は羽田線運用車両も増えたため乗りやすい車両であった。

路線車両は2019年9月に天空橋のL630が離脱。12月にL206が離脱し、残りは訓練車、貸切のみとなってしまった。

590,535,536(昭和島3)
231,232,233,234,235,237,238,239,240,241,242,206,207,208(大栄14)
322,323,324,391,392,393,394,395(箱崎8)
545,546,547,548,549,556,557,558,559
630,631,632,633,634,560,561,
381,382,383,384,385,386,387,388(昭和島24)
27,28(平和島貸切2)

(KL-RA552RBN)

第一次量産車は42人定員車のL535-536の2台が納入され成田本線で活躍。
L590,535,536は窓にスモークがないため、L590との区別は外見では難しい。
これ以降の車両は窓が黒スモークとなった。

品川200か709
536-21042R5

L590との違いは、強いて言えば右下にABSシールあり(笑)

品川200か709
536-20142R5

2003年には大栄・箱崎を含めリムジンバスに西工車が大量納入された。
2003年以降の納入車は横の窓に黒いスモークが入った。

千葉200か851
234-30242R5

2008.4.16開業初日の成田空港〜新横浜線に充当されたL231。開業らしく新横浜の桜の脇を走行。

千葉200か847
231-30242R5

2003年5月(556-559、391-395)、7月(631-633,27)には補助席付き50人定員車も昭和島と箱崎に納車。大栄には42人定員車が入った。
軸重の問題から補助席を2つ外し、さらに貸切ばりのアルミホイールとなった。黒窓に銀ホイール、さらに車高も低くヤンキー仕様!

品川200か866
558-30550R5
西工(MT)車両は全てトイレ付のため、全車成田線に使用されていたが、2010年頃から補助席付車両が順次運賃箱を設置し羽田線車両へとなった。

品川200か866
558-30550R5
2014年12月にL240号車の非公式側(運転席側)に丸型のアンダーミラーが試験的に取り付けられた。

千葉200か969
240-30742R5
西工MT車両のコックピット。メーター部分は同じR5形式のでこっぱちと同じ。
でこっぱちでは椅子の右側下にあったホイールパークがハンドル左下の移動した。
2004年車からは小ダイヤ置き場が右側音声合成の下のエアコン吹き出し口に移動になった。
2003年車までは音声合成の上に設置されている。

L612
貸切にも納入された西工車。但し、リムジンでは貸切の証であったマーカーランプがないなど外見は路線車と変わりがなくなった。
ついに念願のトイレ付貸切車両が登場。
2003年車までは左側の角型ミラーが上向きについている。

品川200か917
27-30750R5

NRTに到着したL27号車。
窓ガラスには路線車よりも薄いブロンズガラス色のスモークが貼られた。

品川200か917
27-30750R5
L27のリア。貸切車両だが公式側にトイレが設置されている。

品川200か917
27-30750R5
L27の車載用液晶ワイドカラーモニタ。
22V型のTM-L220Wを装備。貸切車両のため、時計も設置されている。

品川200か917
27-30750R5
L27のトイレ。
初めて貸切車にトイレが装備された。
循環式トイレを採用。
2004年4月導入までの路線車両も同様の循環式トイレを採用している。
循環式トイレのため、青色の薬剤で洗浄をする。
昔は電車でもあたりまえだったが、リムジンバスではいち早く清水式トイレをいれたことから、R5、M86(06年車両まで)、FD以降の車両はこの仕組みを使用していない。

2004年度の新車は若干の仕様変更があった。
・リアエンジンのルーバー形状
・ミラーの形状(公式側のミラー)
・椅子にドリンクホルダー
・セレガRのようなシートベルト、トイレ、携帯禁止、禁煙のピクトグラムを車内前方に設置

2004.4.17運用を開始したL630。初日だけあって屋根上クーラーも真っ白!(17:10の羽田→成田に入ったとの情報を受け、夜の羽田23:30→新宿でキャッチ!平日ならいきなり深夜急行だったのに・・・)
品川200か1065
630-40450R5

貸切車両は窓のスモークも路線車両に比べると多少薄め。L27と違いマーカーランプも設置され貸切らしい姿になった。2004年車両は公式側(扉側)の横角型ミラーが三菱車に合わせ内側に入る形となった。(その後2003年以前導入車でも改造された車両もある)
L27同様トイレ付の貸切車両となった。

品川200か1091
28-40750R5

リアもマーカーランプで貸切とすぐわかる。
また、トイレ用の換気も左屋根上に見える。

車内はPanasonic製の黒枠の液晶モニタを設置。
蛍光灯は路線のように中央一列でなく二列のタイプ。
化粧版は最近の貸切と同じく紫調。

車内前方のピクトグラムは貸切なので禁煙と携帯禁止のマークがない。

品川200か1091
28-40750R5

L28の前方の液晶テレビ。
車内の照明が中央部一ヶ所でなく両サイド2列になっているのがわかる。

品川200か1091
28-40750R5
L28のトイレ。
L27とは方式が変わり洗浄水に清水を使う噴射式となった。フラッシュボタンが点灯式になった。


品川200か1091
28-40750R5
リムジンバスは空港外(一般道)と空港内の走行免許を持っている唯一バスのため、誘導員なしで空港内を走行できるため、VIP輸送にも良く使用される。
今回は聖火輸送の復路を担当し、羽田空港内を走行する、貸切のL28号車

品川200か1091
28-40750R5

撮影:よういち@幹線屋様
エアチャイナに横付けされたL28。

品川200か1091
28-40750R5


撮影:よういち@幹線屋様
聖火輸送のエアチャイナ

A330-200

撮影:よういち@幹線屋様

2004年11月にはさらに4台が昭和島に納入された。500〜600番台の番号が不足したためか381-384となった。今回は車内のLEDが液晶モニタになるなどの改良が加えられた。
L381-388は当初50座席で納車されたが、その後補助席がとられ42座席に変更された。

品川200か1180
381-41150R5

2004年11月納入の381-382の少なくとも2台はアルミホイールが世界最大のホイールメーカーアルコアホイールを採用している。写真ではわかりずらいが左下にアルコアマークがはってある。熱伝導率が3倍向上、耐蝕性や耐衝撃性にも優れているらしい。

品川200か1180
381-41150R5

L381-382に取り付けられた、YOKOHAMAのHiTESタイヤ空気圧監視システム(タイヤ空気圧モニタリングシステム)の表示装置。
左側がタイヤの位置。
何もなければSTATUSに緑ランプが、STATUSに黄色や赤の警告がついたときに、タイヤの位置表示ランプも点く仕組み。 Kpaと℃も表示される。


品川200か1180
381-41150R5

西工C-1を採用した2002年10月から(除く590)椅子のモケット色が変更となった。

旧色はこちら

その後、旧車両(西工以前の導入車両)も更新時に同色の椅子に変更されている。

椅子は天龍工業製。

写真は2005年秋から登場した優先席。
L240

補助席付車両の車内。
貸切車と違い照明が中央一本の仕様。

L632
西工MT車の後方からの車内。同じR5のでこっぱちとは違いハイバックのシートが並ぶ。
ドリンクホルダーは2004年以前の導入車両にも増設された。

L612
リムジンバスでは座席間隔をギリギリまで広げるため、グローブボックスが網棚上に設置されているが、西工R5は運転席背後に設置されていた。

L206
古参車が充当されることが多い府中滞泊での西工R5の2台並び。
2018年11月〜12月に天空橋に新車が入り、デコから引き継がれた府中滞泊も西工R2へと引き継がれ、貴重となった緑ナンバーのL632はこの後すぐに廃車となった。

品川200か1065 630-40450R5
品川200か908 632-30750R5
2018.11
2019年度に入りR5はL206,207,208,630に加え、訓練車のL387,388のみとなった。
L630は扉を交換したのか、社番を貼り間違えたのか40450R5のはずが、表記が30750R5となっていた。
2015-16年にかけ30750R5に変わってしまった。
府中滞泊ダイヤから抜け、この日は成田本線2往復ダイヤに充当。最後の活躍を見せている。

品川200か1065
630-40450R5
2019.6
2019年12月廃車を前に長距離路線の若葉台行に充当されたL206。
クリスマスイルミネーションをバックに渋滞の労を癒すL206。
車両もまもなく廃車とは思えないほどの輝きを保っていた。僚友のL209ともども2019年は大車輪の活躍をみせていた。

千葉200か1193
206-40742R5
2019.12