TeaTime(9)
作成日:2000/12/10

東海道線沿線事情
(快速アクティ編)

快速アクティは,東海道線を昼間走っている2階建ての快速です。
横浜から小田原・熱海あたりに出張する時に,よく使っています。

朝のアクティは,9時44分横浜駅を出ます。
この時間帯の下りのアクティは空いています。ちょうど,直前に東海道線の 下りが来ることもあって,横浜で乗る人はちょっと遠めの人になるからです。
2階席は座れないこともありますが,地下(というか下の階)は,駅に停まると ホームから見下ろされることもあって,BOXに一人で座れることも珍しく ないです。

その日は朝から小雨がパラついていて,コートなしでは外を歩くのは厳しい 寒々とした日でしたが,9時も過ぎると多少は暖かくなった気がします。
横浜駅でホームに並んだ列の前の方にいたオバサン達が,大挙して上に上がって 行くのを見て下に降りると,やはりこちらはガラガラでユッタリと座れます。
コートのポケットから取り出した文庫本をゆっくりと読み始めました。

BOX席に一人で座っていると,発車間際になって学生(あるいはフリーター)風 の20過ぎの男性が飛び込んできて,ドカッとBOX席の対角に座りました。
服装は割と渋めなんだけど,視線が彷徨っていて,ちょっと落ち着きが無さそう にも見えます。でも,見た目は好青年といったところかな。
その好青年,しばらくすると腕を組んで目を瞑りウトウトし始めました。

次の停車駅は,大船。何人か降りて,更に車内は空いてきました。
隣のBOXも空いたので,目を開けた好青年が席を移って,また腕組みをして 睡眠体制。...彼の座っていた後には,何やら丸まったものが。
手を伸ばして触ってみると,マフラーでした。
「忘れ物ですよ〜」と差し出すと,ちょっと焦点があってない顔で,「どうも」 と答えてくれる...あぁ1日1善だなぁ,と一人で悦に入る。

電車は進んで,次は藤沢。
居眠りしていた彼は,目を開けると慌てて降りていきました。

後に残されたのは,今度は床の上の傘...

彼の姿を目で追うと,もう既にホームの上に。
そこで,あまり追わなかったのは,その傘が一番安いビニール傘だったせい かもしれません。

辻堂を過ぎて茅ヶ崎を出る頃には,彼が座っていたBOX席にも新しい 乗客が乗ってきました。
彼女は,床の上の傘を拾い上げると,自分の傘と一緒に窓際に引っかけて あげました。降りるときに,駅員さんにでも預けるのでしょう。

さて,こんなことを書いてますが,書いてる本人も 傘はよく忘れます。
居酒屋,新幹線,新幹線の待合室,お客さんとこ,富士山の五合目,などなど。
数えるとキリがありません。

まぁ,「傘は天下の回りモノ」と言うくらい なので(言わないって),倉庫に保管されるくらいなら,他の慌て者用に貸し出して くれるといいのになぁ。


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