LDK
 YENレーベル専用のスタジオとして、文京区音羽に作られた。(gonsi)

Linn Drum
●(1)Linn DrumはLm1とLm2。後にLinn9000が発売される。YMOでは前者の2つを使用。特にLm2は多用された。クラップなどの音でよく聞かれる。教授の『音楽図鑑』で聞くことができる。(Y.Sugai)
●(2)デジタルドラムマシンLINN LM-1は、アルバム『テクノデリック』の「Pure Jam」等で使用されている。その昔、FMラジオの「サウンドストリート」のテーマ。また、「細野晴臣作曲講座」(NHK-FM)でProphet-5、MC4とともに使われた。(原田直樹)「電子楽器博物館」
●(3)アルバム『テクノデリック』や『浮気な僕ら』で使用されているが、そこはYMO!普通に使用するのではなく、ベースギターアンプの前にバスドラムを置き、そのバスドラムの中にマイクをセットする。Linn Drumからベースギター用アンプで音を出し、バスドラム音に音圧を与えたりして使用していた。そのドラム音は「京城音楽」(『テクノデリック』)で聞ける。バスドラムの変わりにスネアドラムで録音したのが「音楽」(『浮気な僕ら』)。(ぷ〜)
  ★随分前ですが、リン・ドラムは『テクノデリック』では使われていないと思っていました。皆さんに勉強させていただいております。m(_ _)m 今度、「京城音楽(Seoul Music)」や「音楽(Ongaku)」を気をつけて聴いてみます。(nakanaka)

LIPTON
 最近TVでよく見かけるリプトン(紅茶)のCMのスタジオは氏の自宅スタジオなのでしょうか?
 2/20(1998)の名古屋でのLIVEがとても楽しみです。なにしろ、平成3年春のLIVE(A NIGHT IN THE NEXT LIFE)以来ですからねえ。また、LIVE CDになったらいいなー。(ツイッキー)
 ★以上、ツイッキーさんより。メールアドレスが分かりませんので、この場でお礼申し上げます。メールありがとうございました。(nakanaka)

ライヴが苦手なYMO?
●(1)YMOはどちらかと言うと“スタジオ・バンド”の色合いが強い。何故かと言うと、コンピューターとシンセサイザーを組み合わせて“懲りまくる”アレンジはレコーディングを通した方がよりはっきりと明解な“作品”としての色彩が濃くなる、と感じるからだ。
対してYMOのライヴはどうだろう? 色々異見があるとは思うが、個人的には決して“ライヴが巧かった”とは言えないと思う。と言うのも結構演奏上のミスが多い。これは決して良く引き合いに出される“MC-8の不安定さ”では無くて、れっきとした“手弾きパート”においてだ。特に初期は“シンセベース”等は細野さんの手弾きであり、結構小節数オーヴァーがある。これは“千のナイフ”や“東風”等の長めで、かつ反復が多い曲でよく見られるミステイクで、もしもブート・レグ等をお持ちなら、容易に確認が出来ると思う。
ここでは比較的容易に手に入る音源に対して論評してみたい。
(1)LIVE at KINOKUNIYA HALL
 YMO初ライヴと言われる音源。「The End of Asia」のイントロが何故か「千のナイフ」に…? これは明らかに曲順ミス。教授のミスと思われる。他にも「Plastic Bamboo」等凄い面白いアレンジなんだけど、メロディパートが明らかにハシってるモノもある。これも教授?
(2)LIVE at Greek Theatre
 このCDは“名演奏”と言われるモノで、僕も大好きなんですけど、やっぱやってる…。「東風」です。間奏部分のベース、渡辺香津美さんのギターソロの後ろで細野さん、小節数オーヴァー…。これは2回目のイントロ前なんで確認は容易だと思います。因みにヴィデオではきちんと修正されてます。
(3)WINTER LIVE
 「MUSIC PLANS」 原曲の間奏部分は主にパーカッションだけなんですけど、ライヴでは教授がノイジーなProphet5のソロを。とっても気持ち良さそうなんだけど…。ハイ、小節数オーヴァー。あわててヴォーカルを畳み掛けて終わらせる教授。この時の教授の表情は、まるで“飛び移りを失敗して誤魔化す猫のような表情”をしておりました。(っつても猫飼ってなきゃ分かんないか) その顔はヴィデオで確認できます。
 他にも高橋幸宏氏の“EGO”のライヴで、教授がゲスト出演。「NICE AGE」でCZを弾きまくるはずだったのが…。なんとコードど忘れ。踊っただけで帰ると言う一幕もあったとか。
 新しいトコでは、教授の“BTTB”の渋谷(だったと思う)HMVでの演奏。ピアノを弾き間違えて、“この曲間違えちゃ駄目なんだよ〜”とか言って演奏中止。“ボクっておおらかでしょ?”と言って観客の笑いを取る一幕も。それでいいんか?(Prophet5&MC4)
  ★うーん、けっこう演奏ミスしてるんですね。演奏家、プレイヤーとしても一流の方々ですけど、色々とあるんでしょうね。(1)の「紀伊国屋ホール」のものは、私も聴いたことがありますが、非常に面白かったです。(^ ^) 以下は演奏ミスかどうか分からないんですが、「散開ライブ」(NHK-FMで放送された、83年12月22日の演奏のほうだったと思います)の「Behind The Mask」で、幸宏さんのドラムの終わり方が、どうも“まだ続きそうな”感じで終わるのですよねー。『アフター・サービス』(12月12、13日のテイク)の「Behind The Mask」が、スネアできっちり曲を閉じられている(タッタッタッタタという感じ)のと比べると、何となく中途半端な感じで終わるのが、少しだけ気になっておりました。これは、私の聴き方の問題なのかなあ。。。(nakanaka)
●(2)「夜の会」で、電圧の関係でミスタッチになる場合があるって松武さんがいってました。
『VISUAL YMO』に収録されている「東風」のギターソロ中の細野さんのベースもちょっとだけあやういところがありますよね(笑)。そこが、グルーヴィーといえばグルーヴィー。
そんなこと言っておいてなんですが、私は「過激な淑女」と『浮気な僕ら』インストの発売2週間前に生まれた人間なんです^^;。
いいのか、えらそうに言って(爆)。(noriny)
  ★いえ、そんな若いからと言って、音楽を聴くこと自体は時代を超えていますから、そんな謙遜なさらずおっしゃって下さい(^^笑)。(nakanaka)
●(3)第2回ワールドツアーのハマースミスオデオンの「COSMIC SURFIN」の出だしで坂本氏のシンセが鳴らない所があります。個人的にはその部分、バッキングの演奏が良く解かって好きです(笑)で、坂本氏の音が復活する時にFADE INみたいな感じでミ〜で入って、後はおなじみのミソレミドレシラ〜になります。ここのミ〜の入り方が俺、大好きで堪らないす!FMでAIR CHECKしたテープをよく聞いてたんで・・まだ実家にあるはずですよ。(だいすけ)
  ★演奏のミスなどが、却っていい味を出したりすることってありますよね。ミスではないのですが、そう言えば有名なもので、『パブリック・プレッシャー』の坂本さんのシンセ・ソロがありますね。渡辺香津美さんのギターが、著作権の関係で入れられなかったから、坂本さんが弾いたものみたいですが、坂本さんのシンセのほうがいいという人もいれば、やっぱり渡辺さんのギターがいいという人もいますね(^ ^) うーん、私ですか、、、『パブリック・プレッシャー』で育ったので、坂本さんのシンセのほうが好きかなあ。(nakanaka)

ライヴで細野さんは何やってるの?
YMOのライヴビデオを見ていて不満なのが、リーダーの細野さんが何を弾いてるのがイマイチ分からないコトだ。例えば、教授もアッコちゃんもKeyboardのアップやら上面からのショットやら、それなりにカット数があるのに、天才細野晴臣氏(個人的な意見では細野さんこそ天才だと思う。そして教授は秀才。)のクローズショットが余りにも少ない。そりゃあ、ベース弾いてる時は一発で分かるんだけどね。一体べーシスト細野晴臣氏はシンセに向かって何してるんだろうか? ここでは普通に手に入るYMOのヴィデオを使ってこの謎に付いて考察してみたいと思う。
(1)初期
 最初、僕自身YMOのブートレグなどを聴いた時、シンセベースはMC-8に拠って駆動されてるMOOG III-cの音だと思ってた。だって余りにもジャストなんだもん。ところがGreek TheatreのCosmic Surfin'を見たときこれが間違いである事に気付いた。細野さん(後ろにアッコちゃんが見える)が黙々とARP Odesseyを弾いてる場面(何か当時の特殊効果のつもりか、3段ぐらいでスライドしてきますが)。細野さんがこっちを向いてる場面なので手元は映らないが、両腕との動きとベースの音がキチンとシンクロしてる…。ああ、オクターヴベースは、細野さんがキチンと弾いてるんだなあ、と分かった。考えてみれば当たり前で、ARP Odesseyは単音で、この時は細野さんは1台しか使ってなかった。(第1回ワールドツアーでは2台) 当然やれることは限られている。しかもMC-8の記憶音数はたったの5400音。MOOG III-cは確か3VCOぐらいしかなかったんで、パラレルで回路を設定してもピコピコとSEとパーカッションパターン、あわせて3音出しただけでもうそれ以上の音は出せないのだ(単純計算で1音色当たりたった1800音のシーケンス)。当時のYMOが6人以上の編成を必要としたのも当然。まさしく猫の手も借りたい忙しさだっただろう(笑)。
 この辺りの事情がもっとはっきり伺えるのが第2回ワールドツアーの武道館講演。「Riot in Lagos」。珍しく細野さんの上方からのショットがある。細野さん、基底音のFをProphet5で出し、ベースの変化音(ドド♯ファラ♭ファと言うパターン)をARP Odesseyで演奏。ダブルベース、と言う豪華なコトをさりげなくやってます。
 余談ですけど、ユキヒロ氏も忙しい。Harrah講演での「Fire Cracker」なんて、1拍目のボウン!って音とハンドクラップ代わりの音を全部PollardとUltで叩き出してる(笑)。武道館でも「Riot in Lagos」でベードラとシンクロさせてUlt叩いてるし…。いやはや、何とも、今では考えられないような大変な時代だったんですね(笑)。
(2)Winter Live
 このヴィデオが分かりづらい。メンバー全員がブースに囲まれているだけじゃなく、上方からのショットがまるで無し。比較的教授が何やってるか分かるだけ。細野さんのCheckドコロは…と。
 ありました。Cosmic Surfin'です。またもや。
 コレ見てて驚いたのは、腕の動かし方(こっちから見るとメロに合わせて、左から右へと動いてます)から類推するに、細野さんが主旋律を弾いている!と言う事実です。この「Winter Live」のヴァージョン、ノイジーなエレクトリック・ギター系の音は教授、エレピと鉄琴混ぜた様な音色は細野さん、と主旋律パートが振り分けられている。少なくとも、転調前までは細野さんがメインで、教授がバックです。
 このライヴ辺りからTEACの8chが導入されたりして、シンセベースを細野さんがやる必要がなくなった、と言うのが大きいんでしょうね。ウーム、もっとメインの人を映すべきだと思うけどなあ。でも細野さんアクションねえからなあ(笑)。黙々と弾いてやんの。
(3)散開ライヴ
 これもメンバー全員ブースの中にいるんで分かりづらい。ただ上方からのショットが比較的あるんで、何をやってるのか教授の場合は分かります。例えば、某HPでMIDIでの東風のコピーがあって、解説に、「教授のメロの手癖云々…」と書いてましたが、少なくともNHKの年末スペシャル版(伊武雅刀さんが出てたりしたアレね)を見る限り、教授はメロは弾いてないで、バッキング・コードをやってました。コレは、テクノポリスとかでもそうです。教授はProphet5もT-8もイントロとソロ以外ほぼバッキングに使っています。んじゃあ、メロはMC-4の打ち込みをMTRに録って流してるの?(『BGM』以降のマスターから流用したオケは除く) ここが謎なんです。
 さて、細野さんの上方からのショットは? 見るべき点は3つあって、まず「Solid State Survivor」。ここでは細野さんは裏打ちでコードを弾いてます。Dsus4→DmとかE♭sus4→E♭mとか展開形で(イントロ部分のショットより)堂々と。ここではメロディラインはコードのバッキングと合わさった形をしてるんで、コレは教授のお仕事でしょう。
 2つ目は「Rydeen」。昔だったら故・大村憲司さんのギターソロが入る場所で、細野さんは低音のストリングスラインを弾いてます。(シ♭♪ファソシ♭♪ファソシ♭ラ♭♪シ♭ラ♭ソとか言うライン)この時の上モノ(ソロ)は教授。
 さて、3つ目が大事。これがメロディは誰? という疑問の解決へのヒント、と言えるモノですが、「Fire Cracker」です。細野さん、しっかりメロディライン弾いてはる! しかも見事な運指で! いやあ、びっくりしちゃったなあ。
 そうすると、疑問なのはひょっとして「東風」「Behind the Mask」 「Techinopolis」「Rydeen」などの初期の曲は細野さんがメロを取ってる可能性が大じゃないか、という事。と言うのも、散開ライヴでの初期の曲ってレコード版と比べてかなりアレンジがシンプライズドされていて、音の構造がドラム、ベース、バッキングコード、メロディ、軽いシーケンスパターン、パーカッションの6パートしかないからです。余計なSEなどは一切なし。そうすると、ドラムは幸宏氏かDavid Palmerでいいとして、バッキング・コードは教授、ベース、シーケンスパターン、パーカッションはMC-4として(もちろんプリプロですけど)メロディは細野さんしかいないじゃない! しかも今回に限り、全てメロディは単音なんです。こりゃあ、絶対細野さんだ〜! なんでメインなのにもっと映さないんだ〜!
 まあ、もっともベーシストがメインのメロディを弾く、と思うから驚くだけであって、実際はっぴいえんど時代はレコーディングでは細野さんがKeyboardist兼任してたし、小学校2年生からピアノ習ってたらしいし(『音楽王 細野晴臣物語』より)別に大したコトじゃないのかもしれませんけどね。う〜む、しかし細野晴臣侮りがたし。さすが天才。YMOライヴヴィデオ細野さんだけ映しましたヴァージョンを出して欲しいくらい。
 余談ですけど、散開ライヴでは幸宏さんも「邂逅」でKeyboard(コチラはヨタヨタと)やってますけど(笑)。ラレラ↑ソ〜ミ〜♪ラドミレ〜ミド〜♪(Prophet5&MC4)
  ★Prophet5&MC4さん、“大作”をありがとうございました。m(_ _)m
これは、3回に分けておくって下さった文章を、管理人(なかなか)が一つにまとめさせていただきました。
「キーワードとコメントを送ってやろう」のページでは、字数制限を設けさせていただいてますが、それは、一つは、余りに長いコメントを送っていただいても(例えば原稿用紙100枚分とか笑)更新作業が大変で困ってしまいますし、「豆事典」というコンセプトに合わないからです(余りに長いと「論文」になってしまいますので…)。
いま一つは技術的なことで、原因は分からないのですが(だって、私は機械音痴ですから(^^;)、余り文章が長いと文字化けを起こしたりするからなのです。
今回の大作(と申しましょうか)は、丹念にビデオをご覧になられて分析をいただいており、感謝いたしております。m(_ _)m
細かい話はさておきまして、とても勉強になりました。私などは、単純に細野さんは、ベースラインを弾いているのかな? 程度に思っていましたが、かなり大仕事をされている様子。「散開ライブ」で、「ファイアクラッカー」のメロディを、細野さんが弾いているのを見つけてはいましたが、他のメンバーの関連などにも思い至らず、ボケッと見ていたんだなと、ちょっと恥ずかしい気持ちです。こうした新しい視点で書いていただき、ありがとうございます。(nakanaka)

LMD-649
●(1)音程の付けられないサンプリングマシーン。リズム、効果音に使われた。通称オレンジ(だったと思う)。(gonsi)
●(2)LMDが何の略だったか忘れてしまいましたが、649はロジックです。このマシンのすごかったところは、当時サンプラーが出始めだった頃で、まだ日本にすら入ってきていない時期でした。それならば作ってしまおうというノリで作られた物でした。そして、操作性に優れており、スタートポイントとエンドポイントが簡単に設定できるという物でした。
 オレンジとは、LMD-649の後継機で長時間録音と音質改善がされており、スタートポイントなどを数値で表示できる物でした。そのマシンの組み込みがアップルコンピューターのケースに収められたためにアップル>>オレンジと命名されたのです。
 このマシンはSound & Recording に何ヶ月にもわたって掲載され、なんと、アナログでの製作記事が出ていました。(Tackmix)HP=「Tackmix's Room」
  ★Tackmixさん、情報ありがとうございます。m(_ _)m 私はかなり機械関係は弱いもので、大変勉強になりました。そうだったんですか・・・。それに「オレンジ」という名前、「アップル」との縁がそんな形であったんですね。それにしても坂本さんなんかも「世界初のサンプリングマシン」という表現をするくらいですし、すごいことだったと推し量りはできますです。(^^; 今でこそデジタルサンプラーを、普通の人が家に置いてたりする時代ですけど、「サンプリング」という発想から、それを可能にしていく過程というのは言葉にできないほど、大変だったに違いないのでしょう。ミュージック・コンクレートとか、発想はあっても技術がついてきてくれない! というすぐれた音楽家が、それこそ「格闘」していたのだろうと想像してしまいます。(nakanaka)
●(3)LMDは"Logic Murata Drum"の略です。このマシンを製作した人がムラタさんだったからです。確かキーボードマガジンの松武秀樹さんの連載記事で「テクノデリック」製作風景に基盤剥き出しの本機が紹介されていて、幸宏氏が灯油缶を叩いてサンプリングするの図が掲載されてました。確か当時販売されていたサンプリング機より遥かにサンプリングレイトが高くて当分の間使用されていたようですね。かのフェアライトCMIを凌駕していたんだっけ?(いいかげん) (Logicoo)
  ★Logicooさん、情報ありがとうございます。LMD開発当時、販売されていたサンプリング機があったんですかー。存じ上げませんでした。そう言えば、『テクノデリック』のdrumsのあの金属的な響きは何とも言えませんね。大好きです。フェアライトCMIは、それより結構あとになって出たような気がします(いえ、私はかなり機械関係は弱いですので、よく分かりません(^^; ただ、話題になったのがYMO散開後だったような。。。)「ミュージック・コンクレート」とYMOの関係も、おそらくよく取り沙汰されるところでしょうが、確かアナログテープでサンプリングしてたんですよね。その当時の作曲家は、サンプリング・マシーンが心から欲しかったのでは、と思います。(nakanaka)