No.13「ナレーションコメント その2」 

(稿:三石あき)

読みやすく、聞きやすいコメントを書こう


 1】聞いてわかるコメントを
  • ナレーションの原稿を書くとき、やたらと難しい言葉を使う人があります。言葉もそうですし、言い回しも難解そのものといった文章です。結局のところ、「難しいことを言っている」のは分かりますが、何を言っているのか分からない文章です。これでは編集した映像にナレーションを入れても、「理解してもらえないコメント」になってしまいます。
  • 「聞きやすい言葉」、「分かりやすい文章」ということは、決して幼稚語(小さな子供の言葉)という意味ではありません。ナレーション用の原稿は、目で読むためのものではなく、耳で聞いて分かるところに意味があります。逆に言えば、耳で聞いて分からなければビデオのナレーションとしては失格だと言えるでしょう。 とができます。


  •  2】形容詞、修飾語を減らそう
  • きれいに表現しよう、心を込めて伝えようとする場合に陥るのが形容詞、修飾語の使い過ぎです。次の文章を誰かに読んでもらってください。どんな感じを受けるでしょうか。
    『心のやさしい一人暮らしのおばあちゃんは、隣の街に住む可愛い歳の孫娘が古い自転車に乗って持ってくるきれいなユリの花が生けてある狭くて寒い部屋でさびしく過ごしています』
  • テレビのワイドショーや週刊誌の見出しに踊るのが「美人○○」の言葉。たとえば美容師が殺されれば「美人美容師殺人事件」、アナウンサーの行動をとらえて「美人アナ○○謎の深夜」のように。頭に「美人」とつければ人が喜ぶとでも思っている男の用語でしょうが、私たちは使いたくない言葉です。
     予断ですが、事故や事件で死者が出ると。「かわいい子だったのに」とか「きれいな娘さんでした」というコメントを紹介するテレビ報道も困ったものですね。「わんぱくな子」や外見の「きれいでない女性」が事故、事件にあったらどうするの? と聞きたくなります。
     要は、「美人」とか「かわいい」は、ことの本質とはまったく無関係なのに無理に結びつけて誤解させる言葉です。
  •  3】略語、新語の使い方には要注意
  • 世の中には次々と略語が生まれています。「安保」や「原発」などの日本語から生まれた略語もあれば、「デジカメ」や「パソコン」などの外国語から出てきた略語もあります。ナレーションのときに気をつけたいのは、新しい略語をどう扱うのかの問題です。一つの目安として、広く世間には出回った言葉は良いとして、難しいのは「専門用語」に属する言葉です。
  • ビデオにも専門性の強い言葉があります。「オートフォーカス」や「DVカセット」という程度でも感心のない人にはわかりません。こうした言葉や表現は、作るビデオを誰に見てもらうかで判断したいものです。
  • これもテレビの悪例。アイドル、タレントの結婚があると関係者の「おめでとうコメント」を紹介していますが、これに略してつけた見出しタイトルが『オメコメ』。東日本の方には「ナンデー?」かもしれませんが、筆者のように西日本出身者は「オー、トットットー」という感じ。解説するのも恥ずかしいのであとは省略します。
  •  4】知って使おう『四字熟語』
  • 「三寒四温」、「徹頭徹尾」、「一進一退」などは日常生活の中で使われる熟語(漢字)がいっぱいあります。一般化したものは良いとして、日頃は目にしない四文字熟語は、ナレーションでは避けたいものです。「堅忍不抜」とか「不惜身命」とナレーションされても、ビデオを見る人はすぐには理解してくれません。意味あってどうしても使う場合は、テロップと併用するなど、配慮が欲しいところです。
  • ※次回は「ナレーション・コメント編3」

    以上