No.9「編集・モンタージュのこと その1」 

(稿:三石あき)

編集

(1):時間の短縮

作品の狙いにしたがって総時間量を可能なかぎりに削っていく

(2):情報の集約

時間は省略しても情報の質と量は豊かさを保って新鮮さを出す

(3):多彩な演出
時間短縮と情報集約とを両立させて、より面白く多彩に演出する


 1】基礎はカットの組み合わせ方
  • 前回は、ねらいに沿って順々に映像カットをつないでいく「アセンブル編集」を紹介しました。その時に大切なことは、どのカットを選び、どのくらいの長さに切り、どんな順番に並べていくか、それによって何を表現するか… ということです。
  • 今回は、そうした表現をより具体的に、より印象的に、より効果的にする映像(含む音声)の組み合わせ方がテーマです。といって、高度な器材を使ったり、コンピュータ技術に頼るということでなく、アセンブル編集の延長線上に考えられる基礎的、かつ効果的な手法です。


  •  2】シーンの迫力をどう出すか
  • 「モンタージュ」という言葉を日常生活の中で聞くと(見ると)すれば、氏名手配などを作る場合でしょう。このモンタージュ写真は、いろんな特徴を持つ顔を一部を組み合わせながら「本物」に近い顔写真を作っていきます。
  • ビデオ作品においては、初歩的な(あるいは大雑把な)意味でのモンタージュとは、いろんな映像カットを組み合わせることで、より分かり易く、より強調して、より効果的に表現していく編集ということになります。

    例:渓谷に沿って登るSL(30秒のシーン)
    映像シーンA→次の2カットで1シーン
    (1):大ロングの中を走るSL 14秒
    (2):近づくSLのFS(フルショット) 16秒
    →これは、スケールの大きな渓谷とその風景の中のSLを美的に表現するには効果があります。これはそれで良いとして、これをSLの「美」に「力強さ」をプラスするシーンに変えるにはどうするか? となれば、再編集する(映像カットを組替える)必要があります。
    映像シーンB→次の6カットで1シーン
    (1):渓谷を走るSL       7秒
    (2):SLのFS(フルショット) 6秒
    (3):吐き出される蒸気UP(アップ)3秒
    (4):回る車輪UP(アップ)    2秒
    (5):流れる煙           4秒
    (6):走るSL→ZB(ズームバック)大ロングの中のSL 8秒

    →シーンBをもっと迫力あるものにするには、渓谷を表現するカット(1)を割愛して、例えば真横に走るSLのUPとか、レールと車輪の触れ合うUPなどを入れることになります。さらにSLに乗って撮影したいという条件であれば、もっと違った方法も可能です。

  • →撮った映像は、編集の仕方によって大いに違ったものになります。編集を習得することは、撮影技能を高めることにもつながります。次回は、やや難しくなりますが、「モンタージュ論」に入り、それを深めた編集の進め方がテーマです。
    なお、この紙上講座について質問や要望がありましたら遠慮なくお寄せください。

    以上