感動を呼ぶビデオが見たい/面白い作品と優れた作品と

(稿:三石あき)

1】“良い作品”とは…?

  • ビデオ仲間の間では、「面白い作品だねー」とか、「いやー、秀作ですね」という言葉(会話)をよく聞きます。その場合の「面白い作品」や「秀作・力作」とはどんな作品を指すのでしょうか。
  • そうした「面白い作品」「秀作・力作」について、よく聞いてみると人によって解釈はマチマチです。ひとことで言えば、「見る人の共感を呼ぶ作品」ということになるかとも思いますが、これとても一様ではありません。


    見る人の共感を呼ぶ作品

    「見て感動した」→ 
    
    
    

  • ふるさとを守る女性のドキュメントに感動した。
  • 逆境に耐えるドラマ、主人公の生き方に泣いた。

    「気持ちを揺さぶられた」→ 
    
    

  • ゴミ不法投棄! 許せない、何とかしなければ!
  • はつらつと挑戦する老人の姿に反省させられた。

    「よく理解できた」→ 
    
    

  • AV機器の操作がよく分かるマニュアルビデオ。
  • 解りやすく、やる気を起こす○○入門教材ビデオ。

    「見てトクをした」→ 
    
    

  • 契約トラブルの実例紹介は仕事に役立つビデオ。
  • 居ながらにしてふるさとの今を見せてもらった。

    「これは記念になる」→ 
    
    

  • 家族の歴史を刻む誕生、結婚式、告別式の映像。
  • 新団地、住民総出でわいた初のサマーイベント。

    2】“良い作品”の要素は…?

    上のような「感動した」、「気持ちを揺さぶられた」、「よく理解できた」等などの感想は、どこからくるのか。基本的には、情報がきちんと伝わる作品と言えるでしょう。


    共感を呼ぶ作品に何が必要か

  • 狙いが正確 → 
  • 何を誰に伝えるか(見てもらうか)が明確な作品は、当然のことながらよく理解できる。取材 → 制作の全過程で「作品の狙い」を繰り返し頭に入れておく必要がある。

  • 優れた構成 → 
  • 全体として無理のない作品の展開、イントロ(導入部)に工夫があって、うまくヤマ場を作り、きちんと話を縮める。つまりは構成がしっかりしてこそ、作品の流れが理解できる。

  • 確かな取材 → 
  • 作品には知りたい情報が揃っていることが大切です。課題は必要な情報を集める(取材する)こと。市民ビデオマンの苦手な分野ですが、これをクリアすれば中身は濃くなります。


  • 適切な編集 → 
  • 情報内容の質を高め、流れにリズムを作る編集作業。「ムダを排してムダを生かす」編集と「思わずうなるような構成」が合わされば作品は、さらに生き生きとしてくる。

  • 豊かな言葉 → 
  • 意味不明の駄文が長々と続いては、どんなに良い映像も死んでしまう。多彩な言葉、贅肉を落とした文、深みを感じさせる語り、豊かな表現は作品の質を高めます。

  • 巧みな演出 → 
  • 飽きさせず、人の目と耳を引き付ける、演出の巧拙は作品に彩りを与える。ただし、小手先の演出のみにとらわれず、撮影 → 編集 → 制作の過程で知恵を絞りたいものです。


    3】名作に教えられ、駄作に学ぶ

  • たとえば、「感動する作品」、「見てトクをする作品」を作ろうと言われても、ならば「どうすれば良いのか?」と考え込むことがあるでしょう。ビデオ作品のテキストや指導書を読んでもピンとこない、という方もあるでしょう。そんな場合に参考になる作品の見方を紹介します。

  • 名作を見て参考に
     市民ビデオの世界には、歴史に残るような「名作」があります。またコンテスト起床作品の中にもなかなかの「力作」があります。チャンスがあれば、そうした名作を鑑賞してください。
     名作から学ぶことは、第一には何故に共感を呼ぶ作品になっているのかを考えてみることです。それに、作品の構成法、映像の組立て、編集の妙、コメントの打ち方等ヒントになることが少なくないはずです。

  • 他の人の作品は参考になる
     もう一つは、名作の域には達しない作品でも、他の人の作品をじっくりと見ることも勉強になります。
     ビデオクラブの仲間の作品でもいいし、知り合いの作品でも構いません。ただ、他人の作品を見る場合には、素直に見ることが大切です。「△△さんの作品だからデキがいいだろう」とか「××さんの作品はつまらないだろう」とかの先入観を持たずに見ることです。ビデオの会などで、自分の試写が終ると私語にふけり他の人の作品を見様とはしない人があります。これではビデオクラブの例会に出ることは無意味です。

  • 駄作の中には学ぶことがいっぱい
     なにかの機会に「駄作」(デキの悪い作品)に出会ったら、「ビデオを学ぶチャンス到来!」と思ってください。大事なことは、みずからが映像作品を作る者として「駄作」に向き合うことです。つまりは、次の2点を常に頭に置いてください。
    ▼駄作になってしまったのは何故なのか、どこに欠陥があるのか
    ▼どうすれば、この作品を良くする(改良する)ことが可能か
     その意味では、「駄作」からも学ぶことがいっぱいなのです。

  • テレビ番組は選んで参考に
     テレビ番組にも参考になるものが多々ありますし、技術的な面では映画の中にも優れたものが多くあります。ただし、市民ビデオマンとしては、TV局や映画会社の名刺を持たなくても取材撮影が可能なものを参考にしてください。TV番組で注意することは撮影技術だけに目をとらわれないことです。

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