電気・ガス・水道など

 光熱費は、家賃に含まれている場合と含まれていない場合とがあるらしい。 うちは後者であった。この場合、電気、ガス、水道などの手続きを、 自分でしなくてはならない。不動産屋はいとも簡単に「ここに書いてある 番号に電話してね」といって紙をくれたのであるが、その「電話」が僕らに とっては、大仕事なのである。電話の場合、身振り、手振りが使えないため、 コミュニケーションは実際に会って話す場合より、はるかに困難なのだ。僕より 英語が堪能な、ツマが居るうちに電話してもらった。

 次に、電話回線である。日本の NTT に相当するイギリスの電話会社は British Telecom (BT) というのであるが、その 営業所 BT Shop が、city centre の Lion Yard という所にあることがわかった。 そこで、電話で手続きするよりも、BT Shop まで足を運ぶ、という選択肢をとった。 実際、これは正解だった。最初、BT Shop の店員氏は「新規契約なら、ダイヤル 150 に電話してくれ」と言ったのだが、「電話での会話に慣れていないから、 なんとかここでできないか」と粘ったら、その場でどこかに電話をかけて、 手続きをしてくれた。プランが何種類かあったり、日本で言う留守番電話サービス やら何やらを選択したりする必要があったため、電話でこれらを満足に行うには、 そうとう困難を伴ったであろう。店員氏に感謝である。

 イギリスに住むにあたっては、council tax という税金を、市に納めねば ならない。この税金であるが、イギリスに定住していない場合は減額になる、 ということを職場の日本人 H さんから聞いた。Regent Street 沿いの、 City Council の オフィスに出向き、手続き書類をもらう。「後で郵送すればいいや」ということで、 しばらく放っておいたら、税金のお知らせが家に届いてしまった。慌ててその お知らせを持ってオフィスに行き、その場で減額の手続きをしてもらった。

 さて、最初に「電気、ガス、水道については、ツマに電話してもらった」と 書いたが、これで僕は、手続きは完了したと考え、安心して住んでいた。しかし、 住み初めてしばらくしてから、電気、ガスの供給会社から、相次いで手紙が来た のである。電気会社 Eastern Energy からは、「あなたのディテールと支払い方法を登録するから、以下の 電話番号に電話するように」という内容である。仕方なく、電話口でなんとか 伝えた。ガス会社 British Gas も同様である。 ただし、こちらは登録用の web ページを持っており、ここで登録ができるとのこと。 Web 経由の登録を選択したのは、言うまでもない。

 テレビを見るには、「TV License」が必要である。別にこれがなくても、テレビを 買ってきて電源とアンテナ線をつなげば、物理的には見られるのであるが、なぜか この国では、テレビを見るにはライセンスが必要なのである。物の本には、 「ライセンスなしで見ていると高額な罰金」などと書かれている。この ライセンスは、郵便局の窓口で 取得できる。申請書類も郵便局にあるが、最初に行った、小さい局には置いて いなかった。料金は、カラーテレビで年間 100 ポンドちょっとであった。

 我が家には、ケーブルテレビのチューナーがあり、引っ越してきたときから ケーブルテレビのいくつかの局が見られるようになっていた。これ幸いと思って、 見ていたのであるが、やはりこれは無料ではなかった。しばらくして、前の 居住者宛ての請求書が届いたのである。どうも、前の居住者は、ケーブルテレビの 会社 ntl に、何も連絡せずに引っ越して しまったらしい。請求書に問い合わせ先の電話番号が書いていなかったのを 幸いに、利用者変更の手続きをしたい旨を書いた手紙を出す。返事の手紙は、 「それだったら、以下の電話番号に電話してね」であった(泣)。意を 決して、電話。ケーブルテレビも、選択する局によっていくつかプランがあり、 案の定、電話口での会話は大変であった。相手はまず、「なんでもあり」の高い プランを勧めてくる。「そんなにたくさんの局は見ないから、もっと安いのでいい」 というと、真ん中のプランと思われるものを勧めてくる。「○○と●●と△△だけ 見られればいいんだけど……」と言ったのだが、「でもこのプランだとあーで こーで、とってもお得」と説得(?)され、それで契約することにした。なんとか 電話で手続きを終えた後は、たいへんな充実感であった(苦笑)。

 この話には、実は後日談がある。ntl が設定を変更したようで、電話した 3 日後 くらいに、見られるケーブルテレビの局が自分が選んだものに変わったものの、 チューナーのリモコンが使えなくなった。しかたなくまた ntl に電話すると、 じゃあ新しいリモコンを送るから、とのこと。そういう問題なのかなあ。しかし、 翌日にはリモコンは再び使えるようになっていた。ntl が設定間違いに気づき、 直したのだろうと思ってその後は忘れていたら、一月ぐらい経って、新しい リモコンが送られてきた。もうとっくに事態は解決しているので、そのまま 送り返す。同封の手紙に「壊れた方のリモコンを送り返さないと、10 ポンド 請求する」と書かれていたが、この請求が来ないことを祈ろう。それにしても、 本当に壊れたときはこれほど待たねばならないのか、と思うと、ちょっと憂鬱な ことである。

 話を戻そう。光熱費など、公共料金の支払い方法であるが、請求書によると、 かなりいろいろな方法が選択可能である。小切手を電気、ガスなどの供給会社に 郵送する方法、郵便局で、現金や小切手で払う方法、銀行の窓口で払う方法、 供給会社の窓口で払う方法、銀行口座からの自動引き落とし、などである。会社に よっては、テレホンバンキングや、インターネットバンキングでも支払えるようだ。 さすがに、「コンビニで支払う方法」こそないが、支払い手段には、そんなに 困らない。今まで、「郵便局で現金で支払う」「郵便局で小切手で支払う」 「小切手を供給会社に送る」の、3 種類を試してみたが、どれも問題なくできた ようである。小切手で支払う場合、銀行口座を開設する必要がある。僕の場合、 職場のそばの銀行に口座を作ったのだが、職場の日本人 H さんが同行してくれた。 H さんがいろいろ説明してくれたおかげもあり、比較的すんなり口座が開けた。 H さんどうもありがとう。この話は、後に詳しく書くかもしれないが、いつに なるかは不明である。


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