3.プラリア  パート
と、言いつつ今回もプラリアじゃないです。

☆ショートショート  「クリスマス」
  彼らが訪れた辺境の街。このような大量召喚でも
なければ、勇者など訪ねることなどないと彼らは思
ったのですが...。どっこい、こんな辺鄙な街に
も、過去に訪れた勇者がいたのです。そして...。

「ようこんな辺鄙な村へおこしなされました。」
村の長老の家へ招かれ、彼らは歓待を受けていた。
「この村に勇者様が来られたのは、もうなん十年ぶ
りかのう。」
「以前、ここに勇者が?」
問う彼らに、長老は答える。
「そう、あれはまだわしがほんの子供の頃じゃった。
勇者様がこの村に立ち寄られたことがあったのです
じゃ。そして、記念にと申されまして、勇者様の世
界の風物詩の書かれた本をこの村に残されましたの
じゃ。それ以後、わしらは、次にいつ勇者様がこの
村にお立ち寄りなされてもいいように、勇者様の世
界の行事を取り入れて暮らして来ましたのじゃ。」
「なるほどね。」
たしかに、先ほどから、ぺったん、ぺったんという、
餅つきと思われる音が鳴り響いてくる。でも今日は
まだ12月24日、正月ではなくて、クリスマス・
イヴ。
「あの、お正月にはまだ早いと思うんですけれど?」
「もちろんですじゃ。わかっておりますとも。今日
はクリスマスでございましょう?わしらの村ではケ
ーキが作れませぬものでのう。餅で代用しますのじ
ゃ。餅はライスケーキと申すようですしの。もちろ
ん蝋燭も立てますぞ。」
「う〜ん。」
「ほんに良い時におこしなされた。今宵はクリスマ
スを楽しんで下されませ。」

  そして夜。
「悪い子はいねか〜。」
子供がいる家を回ってプレゼントを配っている、サ
ンタ役と思われる村人の扮した姿は、真っ赤な衣装
に真っ白いお髭をはやした...。
「...なまはげ?」
「やっぱりなにかおかしいですかのう。王都まで行
った者が聞いてきた所によると、本に書かれている
名の者、なんでも鬼のような男だったとか...。
わしらも、なんでそんな男がプレゼントを配り歩く
のか不思議に思っておりましたのですじゃ。」
「あの...その本、見せて頂けますか?」
「おお、もちろん、見て下され。」
そういって長老が神棚の奥から取り出して来た、古
びた本を紐解いてみる。
「え〜と、クリスマス、クリスマスっと...あっ
た!え〜、なになに...。」
に日四十二月二十の祭夜前。祭誕聖の様督基・・・】
、てしそ。すまひ祝てし灯を燭蝋、き焼をキーケは
夜前、らか事故の者聖の古たつ配を物り贈に達供子
赤つ真、はに供子たつだ子い良間年一、夜の日の祭
・ふいとるさ下を物り贈、が様ンタサの髭白に服な
                                        【・・

「「「誤植だ〜〜〜っ!」」」

                                    (おしまい)

み:うにゃ。なんとなく思いついたので書いてしま
    いました。こういうふとした思いつきと、勢い
    のみのねたを文章にしようと思うと、意外と難
    しい物なんだね。つまらない物を読ませちゃっ
    てごめんなさい。あと、文中の旧仮名遣いは適
    当ですのでチェックしないように。

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