夏山に行ってきました

7月27日から28日に栂池から白馬岳のほうに行ってきた。27日は白馬大池まで行く予定だったのですが、あずさで白馬に着いたのは13:00で、栂池の自然園には15:00であったことと、栂池の自然園(高層湿原)で時間をつぶしているうちに、雨が降ってきたので、栂池ヒュッテで泊まることにした。しかし、ここで高山植物の紹介があったりしてずいぶん参考になった。
確認できた花は      
名前 見た印象 見つけやすさ
ニッコウキスゲ 高原の花といえばこれ 容易
クルマユリ ゆりということはすぐわかる 容易
オタカラコウ 草丈1m位で、高原らしい花 容易
ゴゼンタチバナ 木陰に咲いている。 見落としやすい
ワタスゲ 誰でも知っているが、立原らしい花 容易
ミヤマリンドウ 何を見ているのだろうと思った タテヤマリンドウと似ている
モウセンゴケ 下界のものより大きい 見落としやすい
イワイチョウ すくっと茎が伸びて、花弁も面白い 気をつけていればわかる
ハクサンボウフウ 雲のように細かい花を付けて、ペアノのフラクタル セリ科は類似物多い
ここでは雨も降っていて、それほど熱心に見ていなかったのと、名前を知らなかったこともあり、かなり見落としがある。実は今回の山登りで、急に花に興味をもってしまって、やたら調べてしまったのである。

ニッコウキスゲ

ワタスゲ

今年は梅雨明け10日とおりの晴天だったのに、なぜかこの日は雨になった。

泊まったのは栂池ヒュッテで、標高が2000m程度でまだ樹林限界内で、しかも雨だったせいか、電灯の下は大量の蚊や小さい虫が集まることになって閉口した。 スケッチの山行をしているナガイさんという人と相部屋になった。ちょっと神経質そうな線と見えたが、辻まことのような牧歌的でかわいい水彩画である。そしてこの日の夜は小屋のアルバイト人を交えて絵画教室になった。

次の日は、なんとか天気は持ち直した。朝6:30から歩き出し、8:30に下の白馬大池に着きました。昨日のうちにここまで来ておけばよかった。ここなら蚊に襲われることはなかった

乗鞍岳からの白馬大池
池のほとりにある赤い建物が白馬大池小屋。中央後方に見えるのは朝日岳。左の雪渓を囲むようにお花畑が広がっている。ここにお目当てのハクサンコザクラの群落がある。ここでしばらく花を漁っていたが、樹林限界を越えると高山らしくなる。光の強さが違う。空気も心持ち薄くなったような気がする。1500m程度の奥多摩では味わえない希薄感がなんとも心地よい。なお栂池からここまで来る間に、天狗原という湿原があるが、泥炭層のためか荒涼としていた。

これがハクサンコザクラです。

     
名前 見た印象 見つけやすさ
タカネウスユキソウ エーデルワイスに近い品種 容易
ミヤマアキノリンソウ あまり印象がない。 なんともいえない
ウサギギク 山小屋の横でのんびりと咲いていた 容易、ヒナギクのようだ
イワギキョウ チシマギキョウとの区別がわからない
チシマギキョウ 風衝地である尾根に張り付くようにあった 容易
リンネソウ ハイマツの蔭にあった苔の胞子のような小さな花 見落としやすい
ヨツバシオガマ 特徴あるピンクの花、小蓮華への尾根にあった 花壇にも似た花がある
エゾシオガマ 白馬大池にもあった。 気をつけていればわかる
アオノツガザクラ まったくサクラではない。よく知られているようだ いくつかのツガザクラあり
ハクサンコザクラ 今回はこれを見にきたようなものだ。山にもこんな繊細な花があるのだ。 写真でみると茎が細く、屈曲している
コイワガガミ よく見るが、今回名前を覚えた
ハクサンボウフウ これもよく見るが、セリのなかまでわかりずらい
シナノオトギリ 黄色く元気そうな花弁の構造 雄蕊が非常に発達して面白い
ハクサンフウロ 薄紫の薄い花弁がきれい すぐわかる
チングルマ かなり有名だが、名前と物が初めて一致した 群生する
ハクサンイチゲ チングルマと似ているが、こちらは少し背が高く、白。 群生する
コマクサ こんな岩だらけで、フキっ晒しでよく生えると思う。大事にされている。 すぐ分る
ミヤマキンポウゲ 地上のキンポウゲとかなり同じ シナノキンバイ、ミヤマキンバイとの区別が難しい


アオツガザクラ
青くはない。スギソウの生えている近くにはこんなのがあった。

チングルマとコイワカガミ
葉が厚く、光っているのでこんな名前がついた。

ご存じコマクサ
ケシ科です。
これは小蓮華岳の少し手前で撮ったものですが、もう少し先の三国境にはコマクサの群落があると聞いていたので、そこまで行きたかったのですが、この日のうちに帰らないといけなかったため、12時に小蓮華岳まで行ったところで、時間ぎれで、引き返すことにしました。
かなり急いで3時過ぎには出発点の栂池高原に着いた。
久ぶりの運動であって、しかも下りで無理もしたので、膝を痛めて2、3日痛かった。今回はただ歩いただけではなかったので、まずまずの満足感で写真なんかを見ているのである。カメラはペンタックスSP2というもう誰も使っていない代物で、ちゃんと動くかどうかかなり心配だったのですが、ばかちょんカメラではこうは撮れなかった(近接撮影はできない)。学生のとき初めて登山したとき(南アルプス)に持って行ったのもこのカメラだったのですが、たしかあのときは、花の写真を撮ることはなかった。仙上、北岳、農鳥、塩見、荒川、赤石、聖といった大きな山を前にしてレンズの画角の狭さを残念に思ったのであった。こういうページに載せるには山の写真のほうが映えるかもしれない。
帰ってから事典で、撮影した花の名前を調べたり、どの山域が高山植物が多いかなんかを調べたりして、こういう山登りの楽しみもあったのだなあと認識を新たにしたのだった。
そんなわけで、デジカメか一眼レフかで迷っているのである。最近のデジカメは電池の持ちはよくなったのであろうか?

私です。背景はチングルマ。