<< 外観>>

(スキャナで撮ったのでピントが合ってません。^_^;)
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<< 名称>>
アトピー性皮膚炎治療剤
劇プロトピック(R)軟膏0.1%
Protopic(R) Ointment 0.1%
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<< 成分>>
1g中 タクロリムス水和物 1.02mg (タクロリムスとして1mg)含有
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<< 輸入販売元>>
藤沢薬品工業株式会社
大阪市中央区道修町3丁目4番7号
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<< 使用上の注意>> (薬に添付)
「患者のみなさまへ」
この軟膏はこれまでのステロイド外用剤と異なる新しいタイプのお薬で、使用経験はまだ多くありません。できるだけ副作用の発現を避け、安全にご使用いただくために、以下の使用上の注意を必ずお守りください。
よくお読みいただき、処方されたご本人のみに正しくお使い下さい。
@次の場所については塗らないこと。
・ひっかき傷、皮膚がジュクジュクしている部分
・おできやにきび
・皮膚以外の部分(口や鼻の中の粘膜など)や外陰部
Aこの軟膏は1日に1回、適量を患部に塗りますが、1回に塗る量は5g(チューブ1本)までにして下さい。
B妊婦または妊娠している可能性のある方は塗ってはいけません。
Cこの軟膏を使用中の方は授乳を避けて下さい。
Dこの軟膏を塗る前によく手を洗い、清潔にしてからお使い下さい。また、塗り終わったあとは、塗った指をきれいに拭いて下さい。
Eこの軟膏を塗った直後しばらくの間、かゆみがでたり、ほてり感やヒリヒリ感などの刺激感がよく起こります。また、入浴時にこの刺激感が増強することがあります。これらの刺激感は、この薬が効いて、皮膚の状態がよくなるにつれて、普通1週間位でおさまりますが、刺激感がひどい場合や刺激感がなくならない場合、また塗った患部がはれてきたような場合などは医師・薬剤師にご相談下さい。
Fこの軟膏を2週間塗り続けても、症状がよくならない場合は、塗るのをやめて、医師・薬剤師にご相談下さい。
G眼のまわりに塗る場合には眼に入らないように気をつけて下さい。万一、眼に入った場合は、直ちに洗眼して下さい。
Hこの軟膏を塗っている間は塗った患部を長時間、日光にさらさないように注意して下さい。また日焼けランプや紫外線ランプも、使用を避けて下さい。
フジサワ
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<< 新聞記事>>朝日 or 毎日新聞(わからなくてゴメンナサイ。。。) ------- 切り抜きのコピー(掲載予定)
1999年(平成11年)12月5日 日曜日
顔・首に効果、乱用は避けて
アトピー性皮膚炎に新しい外用薬
皮膚委縮せず/初め刺激感
アトピー性皮膚炎の中でも顔や首に出る炎症は、悩みが一層深刻だ。たえず刺激にさらされる場所なので、炎症を操り返しやすい。この皮膚炎に使われるステロイド外用薬も、皮膚が簿くなるという副作用があるので、なるべく用いないことになっている。そんな中で最近、こうした副作用がなく、ステロイド並みに炎症を抑えるといわれる外用薬「タクロリムス(商品名=プロトピック)」が売り出された。効果はどの程度か、ほかの副作用はないのか、などを臨床試験を担当した医師らに問いた。
「目の周りがはれると不快だし、口の周りが切れると食べづらい。何より人目につくのでいやです」と、アトピー性皮膚炎の女性(32)は顔の炎症が気になる理由を語る。
ほぼ毎日、顔にごく弱いステロイドを便っていたが、ここ二、三年はやめている。「顔は吸収がいいというので不安でした」
ステロイド外用薬は、顔や首に不用意に使えない。厚生省研究班が今年出したガイドラインは「顔面にはなるべく便用しない。用いる場合、可能な恨り弱いものを短期問にとどめる」としている。皮膚が簿くなる、毛細血管が拡張するなど、皮膚委縮と呼ばれる症状が、皮膚が簿い顔や首では特に問題になるからだ。
そこに登場したのがタクロリムスだ。
タクロリムスは、もともと臓器移植の拒絶反応を防ぐため、注射薬や飲み薬として使われてきた。アトピー性皮膚炎の場合は成分を皮膚だけに届ければよいため、塗り薬の外用薬が開発された。
一九九○ー九八年に全国の病院でおこなわれた臨床試験では、約百五十人の患者をタクロリムス外用薬を便う人と、効果が中程度のステロイド外用薬を用いる人に分け、一週問比べた。症状が明らかに改善した人の割合は、ステロイドの三六%に対し、タクロリムスは八六%だった。ステロイドは効き方によって「最強・強強・強・中・弱」の五段階に分けられるが、タクロリムスは「強」並みとみられる。特に赤みのある湿疹によく効く。
顔と首で七週間、全身で一年間、タクロリムス外用薬を使った試験では、皮膚委縮は見られなかった。
「ステロイドは炎症にかかわる細胞に働くほか、皮膚の細胞の増殖なども抑えてしまう。タクロリムスは、ステロイドに比ベ、炎症にかかわる細胞に限定的に働く」と、中川秀己・自冶医科大学教授(皮膚科)はいう。
タクロリムスはステロイドに比ベ、使う間隔が二、三倍長くてよいという声もある。
江藤隆史・東京逓信病院皮膚科部長は「ステロイドを頻繁に便わなければならなかった重症者も、タクロリムスなら、一度症状が良くなった後、週一、二回、ほんの少量塗れはよい」と話す。ただし、根本治療薬でないという点は、ステロイドと同じだ。
問題は、かなりの人がほてりりやヒリヒリ感を感じることだ。分子がステロイドの倍以上で皮膚を通りにくいことなどが、その理由らしい。
ふつうは二、三日で炎症が冶まると同時に刺激感もなくなるが、「初日は一睡もできなかったという人もいた。あらかじめ説明をよく受けていないと、使えない可能性がある」と、竹原和彦・金沢大教授(皮膚科)は話す。
また、全身にびらんやかき傷があり、一日乎均十グラム以上を使った人で、血中濃度が一時的に上がった。「一過性ならまったく心配ない」(中川教授)が、びらんやかき傷があると薬が高濃度で入りやすいことを考えて、ステロイド外用薬などで症状を軽くしてからタクロリムスを使うよう厚生省は警告をつけた。
内服薬や注射薬を便い続けると、腎障害などが起こりやすくなる。外用薬を一年問全身で便った臨床試験では、これらの副作用が見られなかったが、発売に当たって、一日の使用上限を十グラムとし、患者には定期的に腎機能を検査することになった。
細菌性、ウイルス性の皮膚感染症は、ステロイド外用薬とほほ同率でみられた。
中川教授は「ステロイドに比べて副作黒媒少ないからといって、むやみに使うと思わぬ副作用が出ることがある。できれば皮膚科の専門医が皮膚や副作用の様手をみながら使ってほしい」と話す。
今回発売のタクロリムスは十六歳以上が対象だ∵小児は近く、臨床試験が始まる。
タクロリムスを使うと、ほてりやヒリヒリ感を、程獲の差はあるがかなりの人が感じる。悪者は、あらかじめよく説明を受けておくことが大尊だ=東京都千代田区の東京逓信病院で
移植の薬から皮膚科の薬へ臓器移植の免疫抑制剤で、皮膚科でも使われるようになった薬にはシクロスポリンもある。ただし、分子がかなり大きく、外用薬にするのが難しい。飲み薬として長期に使いい続けると、腎障害が起こる恐れがある。このため、アトピー性皮膚炎の場合、従来の冶療法が効かず、生活に著しく支障のある重症患煮が一時的に使う方法が考えられている。日本では臨床試験中だ。
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読売新聞 ------- 切り抜きのコピー(掲載予定)
2OOO年(平成12年)3月14日(火曜日)
家庭とくらし 医療ルネサンス 通算2309回
アトピー性皮膚炎はいま 1
免疫抑制剤、顔面に効果
昨年11月初の認可、少ない副作用
決め手のないアトピー性皮膚炎の治療に日本で聞発された新薬が登場、効果を上げている。
昨年11月、世界に先駆け認可された免疫抑制剤「タクロリムス軟こう」。もともと移植医療に用いられていた薬剤を塗り薬にしたもの。特にステロイド(副じん皮質ホルモン)外用剤では十分に炎症を抑えるのが難しかった顔面の治療に有効だ。
埼玉県の大学4年生S子さん(23)は、アトピー性皮膚炎が悪化すると、真っ先に顔に症状が出てしまうのが悩み。腕や背中のかゆみもつらいが、それにも増して赤くはれた顔は人目が気になって気分も重くなる。
症状がひどくなっだ昨年未、東京都干代田区の東京逓信病院を受診。皮膚科部長の江藤隆史さん(46)の勧めで、顔に初めてタクロリムス軟こうを使うことにした。腕や背中に塗っているステロイドは、アトピー性皮膚炎の炎症を抑えるのに高い効果がある。だが、健康な細胞にも作用するため、特に顔や首では、皮膚が薄くなるなどの副作用が出やすい。
一方、タクロリムス軟こうは、ステロイド外用剤と異なり、免疫にかかわる細胞だけに働く。このため赤くほてって皮膚が光るようになったり、血管が浮き出たりなどの副作用がない。
使い始めの数日間ピリピリとした刺激感が気になったS子さんだが、2週間後には周囲からも「随分きれいになったわね」と驚かれるほど、症状が改善した。今は週に一、二回使う程度で、普段は保湿クリームだけで謝子良い。「赤ら顔が嫌で、外出がおっくうな時期もあったが、これで就職しても頃張れそう」と話す。
江藤さんはこれまで約200人にタクロリムス軟こうを処方している。その9割以上はS子さんのように顔の症状に悩んできた患者だ。「顔の炎症を抑えることは、患者さんの生活の質向上という点で極めて重要」(江藤さん)
アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴だが、タクロリムス軟こうは薬を使わなくて済む状態が長く保てる利点もあるようだ。
また東京の会社員(46)は、自分の判断でステロイドを中止したところ症状が悪化。それでもステロイドを拒否したため、タクロリムスで症状をひとまず落ち着かせるケースもあった。
冶療の墓本は、幅広い強さのランクの薬があり、症状に応じて使い分けできるステロイド外用剤だ。「最終的には切り替えなくてならないが、こういった緊急避難的な使い方もできる」と江藤さんは話す。
タクロリムスの研究開発に携わった自治医大皮膚科教授の中川秀己さん(46)によると、移植医療で使われる注射や飲み薬では、じん臓障害など重大な副作用が出た例がある。このため外用剤の使用量も一回最太5g、一日10g以内と制限、16歳未満は使用できない。一般の薬局では買えない医師の処方薬だ。
使用上の最大の難点は、肌がヒリヒリする刺激感で、臨床試験で8割の人が訴えた。数日で鎮まる場合が多いが、個人差も大きい。「専門医に十分説明を受け、慎重に使ってほしい」と中川さんは訴えている。
(田村 良彦)
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