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2000夏6DFM

 去年のFP対決に続く6m AND DOWNコンテストでのbattle第2弾!は、50MHz〜1200MHzの4バンドを使ったFM対決! JK2RCP/1が去年のリベンジを果たすのか? それとも、JM1RPVが2連覇をなし遂げるのか? まずは両者の設備の紹介から・・・。

両局設備
JK2RCP/1
JM1RPV
QTH
埼玉県新座市 JCC1330埼玉県越谷市 JCC1322
50MHz
TS-570V改 (50W) + 2エレHB9CV,モービルホイップTS-60D+HL-66V (50W) + 2エレHB9CV
144MHz
TM-255S (40W) + X-6000,10エレ八木TR-9000 (10W) + 8エレ八木
430MHz
TM-455V+HL-63U (50W) + X-6000,12エレ八木IC-351 (10W) + 8エレ八木,U-400
1200MHz
TH-89 (1W) + X-6000,12エレ八木IC-2500 (10W) + U-400

JK2RCP/1は430MHzまでパワー的には「M」なのに対し、JM1RPVは50MHz以外は全て10Wでの運用となった。また、アンテナについては、大きな差はないと言っていいだろう。


結果

 時間ごとの得点推移は次の図のようになり、JM1RPVの完勝だった。JM1RPVはコンテスト開始直後からリードを奪い、2日目の朝10時以降で差を大きく広げ、最終的には4626点の差をつけた。JK2RCP/1は5時ころに一度並びかけたものの、もう一押しが足りなかった。


交信局数の比較

 次に、両者のQSO数の推移を比較してみる。まず、最終的なQSO数は次の通りである(かっこ内はCWでのQSO数)。

バンドごとQSO数
JK2RCP/1
JM1RPV
50MHz
167 (77)
208 (78)
144MHz
178 (61)
171 (64)
430MHz
175 (31)
157 (25)
1200MHz
31
35

 
 JM1RPVが50MHzでつけた41QSOが大きく響いているようである。JK2RCP/1は144MHzで7,430MHzで18QSOのリードを取ったものの、50MHzで取れなかった分を挽回できていない。CWについては、両者ともほぼ同じだけこなしているため、この差はphoneでついたものと考えられ、しかもそのバンドに出ていた時間の差によるものと考えることができる。例えば、50MHzを例に挙げると、JK2RCP/1は21時台・23時台・8時台・11時台の4つの時間帯で1QSOもしていないのだが、JM1RPVについては22時台だけだ。他のバンドでも同様のことが言え、JK2RCP/1が交信局数を上回った144MHzと430MHzについては、JK2RCP/1の方がバンドに出ている時間が長かった。また、1200MHzについては、どの時間にバンドに顔を出したのか?という運任せの要素が大きいようである。
 つづいて交信局数の推移の比較をする。これによると、コンテスト開始直後のわずかな時間を除いて11時まではJK2RCP/1が交信局数では上回っていたことが分かる。逆転する1時間前の10時頃からその差が詰まり始めているが、最初に挙げた総得点推移の図でも、この10時頃から差が広がっていったことは前に述べた通りだ。


 時間ごとの交信局数の図に書き直すとこのことは明らかで、コンテスト開始から10時台までは、トータルではJK2RCP/1が上回っているものの同じくらいの交信数なのだが、10時台から12時台まではJM1RPVが圧倒的に上回っている。この時間帯、JM1RPVは伸び悩んでいた144MHzと430MHzの交信数をそれぞれ123→160・85→138と伸ばしたのに加え、50MHzも172→196と伸ばした一方、JK2RCP/1は10時台に今回のコンテストでの最低レートを出してしまうなど、この3時間だけ局数が伸びなかった。JK2RCP/1はコンテスト序盤から「飛ばしていく」傾向があるため、この時間息切れしてしまったのだろうか?
 この「11時のQSO数の逆転」が、今回のbattleの勝敗を分ける要因の一つとなった。


獲得マルチの分析

 もう一つの勝敗を分けた要因は、獲得マルチである。144MHzと430MHzは中身が若干異なるものの同数。1200MHzの差は山梨県と取ったか否かというもので、こちらはJK2RCP/1の取りこぼしだと思われる。問題は50MHz。ここで5の差がついてしまっている。

獲得マルチ数
JK2RCP/1
JM1RPV
50MHz
23
28
144MHz
17
17
430MHz
12
12
1200MHz
8
9

 その50MHzのマルチ獲得状況について細かく見てみると、23時台にこの差がついたことが分かる。注目して見てもらいたいのは赤字で示したマルチ。23時台にEスポがオープンし、JM1RPVは宮崎と沖縄を除く九州のマルチを取り、さらに山口まで獲得しているが、一方のJK2RCP/1はこのオープンに気付かなかった。0時台に入ってからオープンに気付いて福岡・佐賀・熊本を獲得するものの、JM1RPVも広島・愛媛・宮崎を獲得してその間は縮まらなかった。その後、JK2RCP/1はGWでマルチを伸ばしたものの、Eスポが開けることがなかったため、この23時台についた差を詰めることはできなかった。
 
50MHzのマルチ獲得状況
23時までの獲得マルチ
23時台の獲得マルチ
0時台・1時台の獲得マルチ
JK2RCP/1
07,10〜18
なし
09,28,40,41,43
JM1RPV
07,09〜15,17,18
16,33,40〜44,46
20,22,35,38,45


JK2RCP/1は勝つことができたか?

 序盤戦で大きなマルチの差をつけられてしまったにもかかわらず、最初に挙げた図のように9時まではかなり得点が接近している。その後、JK2RCP/1は10時台から12時台まで交信数が伸び悩んだために、それまでリードしていた交信局数でも追い抜かれ、決定的な差がついてしまった。ここで、もしもJK2RCP/1が10時から13時の「問題の3時間」にも、これまでと同じレートを保ったとしたらどうなっていただろうか?
 朝6時以降の後半戦は、この3時間を除くとおおよそ30QSO/hをキープしているので、この3時間で90QSOしたとする。また、JM1RPVは獲得できたが、JK2RCP/1は獲得できなかったGWによるマルチも加えることにする。この時、JK2RCP/1の総得点は 577×65=37505 となり、JM1RPVとわずか181点差にまで接近する。したがって、23時台に大きなマルチの差をつけられてしまったJK2RCP/1だが、マルチの取り方によってはあるいは逆転できたかもしれない。

まとめ

  JK2RCP/1:551×60=33060
  JM1RPV:  571×66=37686

 20QSO6マルチの差をつけ、

JM1RPVの勝ち!