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アヤシゲ翻訳 テレビシリーズ1 エクストラ / ズーニヴァースの内側 Inside of Zooniverse


オープニング

ジュリアン:ザ・マイティ・ブーシュってなんだ?
リッチ:けむくじゃらな感じ。
ジュリアン:生き方だろ。
アリソン・マクファイル:イカレてる。
マイケル:精神的領域。
ノエル:カーディガン。
ネイジェル:デイヴは何て言ってる?
デイヴ:シュワシュワ悪夢。
ジュリアン:がらくた。
キャント:シュール。
ノエル:大きな輪。真実の輪。
ナイジェル:ブーシュに理由なんかないね。
ノエル:色恋沙汰。
ポール:激務さ。
リッチ:だから…世の女性の為のものさ。
マット: ・・・・・・・・。
リッチ:ブーシュを一言で説明してるんじゃん。いたッ!
ジュリアン:知らないなぁ。
ノエル:質問もっかい。なんだったっけ?
ハワード:ショーをお楽しみ下さい。
(オープニング・スタート)

(字幕:ポール・キング,ディレクター)
ポール:ザ・マイティ・ブーシュは、ジュリアン・バラットとノエル・フィールディングと言う二人のコメディアンによる、新発明だ。

(字幕:ノエル・フィールディング&ジュリアン・バラット,ザ・マイティ・ブーシュのクリエイター)
ジュリアン:俺たちは世界中の人を鍛え上げようとしているんだ。ブーシュを最初に見たとき、理解するのは難しいだろう。
       殆どの人にとって…今まで見たこともないようなルールで展開するように見える。

(「ツンドラ」のワン・シーン)
ハワード&ヴィンス:♪ウン・パタ マサラ! ウン・パタ マサラ!ケンティッシュ・タウン ケンティッシュ・タウン イェー!
              ケンティッシュ・タウン ケンティッシュ・タウン ノー!♪


 ヴィンス&ハワード

(字幕:アリソン・マクファイル,プロデューサー)
アリソン:ハワードとヴィンスは、うらびれた動物園で働いていて、ウンザリするような事ばかり。
      だから二人は冒険に駆り出される。

ノエル:ハワードとヴィンスはたぶん10%増しってところだな。

ハワード:私はハワード・ムーン。こちらはヴィンス・ノワー。
ヴィンス:オーライ。

ポール:ノエルとジュリアンは、彼らのキャラとそっくりだ。ノエルはヴィンスより少し明るくて、
      ジュリアンはハワードほど小賢しくはないな。

ヴィンス:気楽にしろよ。お前、ブランディ・スナップみたいだぜ。
ハワード:そういうスタイルなんだ!
ヴィンス:ブランディ・スナップが?
ハワード:そうさ。ガリガリしてんの。

ノエル:最初に脚本を書いた時、俺ら自身にしようって、考えた。俺は服装バカで、スゴい髪型。

ヴィンス:よく見ろよ。俺の髪は帽子にばっちり。どんな帽子も似合うぞ。

ノエル:ジュリアンはいつも…
ジュリアン:ジャズとナボコフ狂いで…
ノエル:ハムレットを演じてる。

ヴィンス:ハワード?おい、極小目玉。ただ今、トランス中。ジャズ・トランスね。毎日こうなんだ。

ノエル:俺はいつもレトロな家具やら、ミック・ジャガーが大好き。
ジュリアン:ポップだな。
(ヴィンスによるミック・ジャガーのものまね)
ノエル:それから、妙な事だけど…俺は自分にジュリアンっぽいところがあって、
    ジュリアンはヴィンスに似てるって事に気づいた。クロスオーバーだな。

ハワード:オーケー、曲目は分かってるな?
ヴィンス:うん。エレクトロ・ポップの定番な。
ハワード:違う、ジャズ・ファンクだ。エレクトロは先週やっただろう。だから今週はジャズ・ファンク!
フォッシル:おい、このクソ頭!さっさと始めろ。


 ボブ・フォッシル

(字幕:リッチ・フルチャー ‘ボブ・フォッシル’)
リッチ:ボブ・フォッシルは…要するにアメリカ人。それに…ほとんど知能がない。

ボブ・フォッシル:ムカつく細則なんて、クソ食らえ!残念でした!

ポール:ボブ・フォッシルは静かにしていられるようなキャラクターじゃない。でかい声で喋り、喚きちらし、やたらと踊る。

リッチ:それでも、フォッシルなりの知性もあるのさ。食べ方を知ってるとか。

(撮影中のスタジオで、リッチが木の葉をむさぼっている。)
ノエル:何やってんだ?
リッチ:サンドイッチ、食いっぱぐれた。

リッチ:誰の心のなかにも。ボブ・フォッシルっぽいものが少しはあるものだ。

(スタジオにて)
リッチ:私はいわゆる髪型俳優というものと言えます。髪型でもって演技をし、つねに共にあります。

リッチ:ボブ・フォッシルに関してちょっとしたウンチクを垂れるのは、私にとってはチャンスなんだ。

(スタジオにて、リッチとマット)
リッチ:ここでボタンといえば、そりゃフランス軍の制服のボタンのこと。
    軍服でクラブとかにも行くし、寝る時もこれを着てるんだ。

(モニター画面)
フォッシル:だから今日は…ああ、ベイブリッジが来たぞ!ようこそ、ベインブリッジ!


 ディクソン・ベインブリッジ

ポール:ディクソン・ベインブリッジはこのショーの中では一番自己中心的なキャラクターだね
     動物園のオーナーだ。探検家であり、冒険家でもある。次から次へと飛び回る。
     ロケットを飛ばして、目的地に駆けつけかねない。それに拳銃だの、ライフルだのまで持ち出す。

ベインブリッジ:安心しろ、私が片付けてやる。

ポール:その上、フォッシルのタマを蹴り上げる。
(フォッシル受難三連発)

(字幕:マット・ベリー ’ディクソン・ベインブリッジ‘)
マット:確か、パイロットやラジオでディクソン・ベインブリッジを演じていたリチャード・アヨーデが、
    チャンネル4との契約のせいで、テレビシリーズに出演できなかったので、
    私が代わりにブーシュに出演する事になったんだ。だから、かつらとヒゲをつけて、ベインブリッジをでっちあげた。

(「ツンドラ」のワンシーン)
ハワード:ベインブリッジ!
ベインブリッジ:そいつは頂く。それからずらかるからな。

ノエル:だから(ベインブリッジは)見た目が変わっちゃったんだな。背が高くてやせた黒人の男が、背の低い白人に。
    ちょっとした混乱だ。べつにどうという訳じゃないけど。
ジュリアン:そんな事はすっかり無視。
ノエル:あははは!だから…シリーズ2では、ベインブリッジは赤毛の大女が演じる事になるんじゃない?

(「ツンドラ」のワン・シーン)
ベインブリッジ:ナブー。ナブー!トランス中か?
ナブー:いや、フリートウッド・マックを聞いていただけ。


 ナブー

ポール:ショーでのマイクは凄い。なんていったって、全く自然で、自分の知る限り最もリラックスした役者なんだ。

(字幕:マイケル(=マイク)・フィールディング ‘ナブー’)
マイケル:ナブーはいつでもチャーミングで、笑みを絶やさない。散々非難もされただろうからね。

(「ミュータント」のワン・シーン)
ナブー:僕のカエルは?
フォッシル:夕べ、燃しただろう?
ナブー:ああ、そうか。

マイケル:(ノエルとジュリアンは)その手の小さなアイディアを書いては、
      「これナブーにいいじゃん。そうしよう」って話になるんだ。

(「キラールー」のワン・シーン)
ナブー:あれは魔法の粉。彼、全然わかっていないみたい。

ポール:ナブーはできうる限り、多くのシーンで水ギセル(hookah)を使っている。
     ”ah”のつく方ね、hooker(売春婦or大酒)じゃなくて。マイクは特に好きじゃないかも…どうかな。
     多分ね。言いたくないな。


 スリー・ミルズ・スタジオ / 2004年1月

(スタジオ入りする出演者,準備を進めるスタッフたち)

ノエル:ショーをどんな風に見せたいか?「オズの魔法使い」か、「シンドバッド」だな。モダンなね。
ジュリアン:うん。今はうまく行ってるけど、時間もかかったし、大変だった。

ポール:大変だったのはパイロット版の時から、現実路線じゃなくて、劇場作品っぽくショーを形作ろうとした点だった。
     それで、デザイナーのジェイムズ・ディロンが素晴らしい仕事をしてくれたと思う。

(字幕:ジェイムズ・ディロン,アート・ディレクター)
ディロン:今、作業しているのは、今週撮影するショーの、秘密研究所を作りだ。
     それから、氷の洞窟もセットの一部として再利用する。
     塗りなおして、他のセットにはまるように、切断したりするんだ。

ポール:動物園自体は、あまり大きなセットではないんだ。せいぜい10メートル四方だね。
    でも、ディロンのデザインした通路の配置のおかげで、奥行きや背景があるように見える。
    自分たちは、いかにもスタジオで撮影しているように見せたいと思っている。
    その代わり、森のシーンとなれば、すぐにスタジオに森をこしらえられる。

(字幕:アンディ・ビールズ,小道具主任)
ビールズ:ジャングルのセットのために、天井と覆いを、運び込んで設置したところだ。
(森のシーン撮影の準備風景)


 衣装とメイクアップ

アリソン・マクファイル:ブーシュをテレビ番組として作り上げるには、コスチュームとメイクアップ・チームの貢献が不可欠ね。

ノエル:俺はコスチュームのことなんて全然考えていなくて、いざショーをやるぞとなると、
    おかしなコスチュームの絵を楽しく描き始めちゃう。それで「これ、やりたいな。ライブでやってみるんだ。」とかって思う。

(字幕:クリスティーン・キャント,メイクアップ・デザイナー)
キャント:ノエルがキャラクターの絵を描いて、私が衣装にする。それから二人で話し合って、修正を加えて完成させるの。
     あの二人の脚本に合うように、メイクアップをどうするのかも、同時に話し合うわ。
     時には、あの二人が脚本を書き上げる前に、私にキャラクターについて話してくることもあるの。
     キャラのアイディアとか、どういう人なのかとかね。

ノエル:それで、コスチュームとメイクアップをほどこすとなれば、まるで符丁のようになる。
    だからさ、「しわしわ頭に、でかいポロを目に付けたやつさ」みたいに。

キャント:ヒッチャーは大きなポロ・ミントを片目につけて、手下も同様。ノエルのデザインするコスチュームには、
     繰り返し同じモチーフが出てくるわね。ちっちゃなモチーフがシリーズを通じて登場する。
     まるでデザイナーの個人識別みたいで良いわ。

ノエル:色んなレビューとか見てみると、なんだか変だよな。みんな変に突き抜けた考えでも、持っているんだろうか。
    「ポロつけてただろ?あれは、どうして?」とか言うんだ。ちょっとした変人なのかもな。

(字幕:デイヴ・ブラウン,ブーシュの写真,振付師)
デイヴ:ノエルとジュリアン、それから一緒にやってきた俺らが使ってきた小道具やコスチュームは、まじで傑作ばかりだ。
    劇場でのライブからテレビに移行するのは大変だからね。
    あの素晴らしい小道具とかを、もう一度作りなさなきゃならない。大体のものは上手く作りすぎてしまうのはどうかな。
    リアルすぎるし、小綺麗過ぎる。(テレビの)連中はそういうのが良いのだろうけど。
    「違うな、この皮膚っぽさがリアルなスーツはやぶいて、ピンク色のガムテープか何か、詰め込めないか?」
    …という具合になる。

ジュリアン:「もう少しラゲティっぽくしたいんだ。『ルパート・ベア』のラゲティみたいな感じ」とか言い出すわけ。
ノエル:うん、そうするとスタッフも俺たちの言いたい事を分かってくれるんだな。

(「ボロ」のワンシーン)
ミスター・スーザン:ミラー・ワールドへようこそ!

キャント:キャラクターいくつかは、ものすごくファンタジーっぽいから、普通のメイクアップじゃ間に合わないわね。
     そうなると、まずはB&Q(日曜大工用品店)に行って考える所から始めないと。

(「ボロ」のワン・シーン)
ミスター・スーザン:私の名前はミスター・スーザンだ!そして今こそ、鏡を選ばねばならぬ!

キャント:だって、使い捨ての布巾とかそんなような物でできているって言うのだもの。
     だからとりあえずその手の布巾を大量に持ち込んで、ジュリアンの顔に貼り付けたわ。
     それから革布巾なんかも少しつけてから、目鼻立ちが分かるように、形をつくっていく。
     私は比較的仕事が速い方。幅広のブラシを使って塗っていくから。あまり長く時間がかかりすぎると、
     役者が退屈しちゃうじゃない!だからメイク椅子からさっさと解放してあげるの。

(ジュリアン、ミスター・スーザンのメイクアップ中)

ジュリアン:エスカロップ(薄切り子牛肉のフライ)の、野菜添えとか食えるかな?

アリソン・マクファイル:朝セットにノエルがやってきても、それがノエルだっ、って分からないこともあるわ。
              完璧なヒッチャーとか、スピリット・オブ・ジャズに変身していたから。

キャント:あははは!「緑マン」ね!

(「ヒッチャー」のワン・シーン)
ヒッチャー:♪悪夢の怪物舞台で楽しもうじゃないか 踊るガイコツ ♪

キャント:ノエルの鼻と顎を、まるで顔面三日月男みたいに作り上げたの。それから緑色のしわくちゃな顔に塗り上げたら、
     すっかり悪魔っぽくなって。悪魔そのものね。

ノエル@ヒッチャー:俺にゃお前さんより若い息子が大勢居るんだぞ。若造ども、気の毒だがとっちめてやった。
            野郎、修行が足りねぇから、ブラックベリーを食わせてやった。ありゃ失敗だな。
            女房が悪いんだ。甘やかせやがって。

キャント:あはは…顔に白い線を引いて、ポロ・ミントをくっつける。どうしてああなるのかなんて、私に訊かないで。

(「ヒッチャー」のワン・シーン)
ヒッチャー:よう相棒。殺す気ぁねえよ。用足しだ、このタマネギ頭!

(セット裏,コブラ憑依衣装のノエル)
スタッフ:ノエル、今日は何をやるんだ?
ノエル:コブラ。

キャント:「ミュータント:」でノエルは、ヘビにならなきゃいけなくて…でも私は忙しくて、
     ヘビに関しては最後まで手を付けず、簡単に済ませようと思ったの。
     それで最後になって、朝からテスコに走って、アメリカ製の色の濃いストッキングを買い、
     ハンガーにめぐらしてみた。それにペイントして、ノエルにはコンタクトレンズ、それだけでノエルは演じてのけたわ。

(ノエル、コブラの後は、スピリット・オブ・ジャズの扮装でセット入り)
スタッフ達:わぁお!
ノエル@ジャズ:へい、どうしたベイビー?俺はジャズ気分だぜ、リック・ジェイムズ系な。

(「エレクトロ」のワン・シーン)
ジャズ:イェー!アーゥ!アツー!おい、私の帽子が燃えているじゃないか!お前、何やってんだ?
     目が悪いのか?どうして言わないんだよ?!
ハワード:ごめん。そういうファッションかと思って。

キャント:どうやったらそうなるのやら。とにかく、ノエルは帽子に火をつけたがるのよ。
     でも健康で安全思考の人は顔まで燃えちゃうんじゃないかって、思うでしょう。
     それで、私は頭部にすっかり被る装置を作ろうと考えて…
     何せ、ちゃんと頭の一部が燃えてるみたいに見せたいとか言うから。
     でも、殆どの接着剤は可燃性で、使えないのよ。それで、もっとシンプルに考えて、
     ノエルの顔はペイントで仕上げる事にしたわ。あれこれ小細工するより、シンプルにした方がうまく行くのよ。

(メイク室,リッチ、エイプ・オブ・デスのメイクアップ中)
リッチ:これ、するの?

リッチ:エイプ・オブ・デスは演じてて最高だったね。

メイク室のリッチ)
リッチ:見てよ、あたしったら、自身に満ちて、強くて、しかもセクシー!

キャント:エイプ・オブ・デスは、やってて楽しかったわ。リッチも楽しんでいたわね。
     物凄い変わりようで、リッチはまるでカメレオンよ。

(リッチ、スタジオ移動中)
リッチ:俺はバンビとか、シェイクスピアとか公園で演じた事があるけど、こいつは遥かにタフだな。
    感情表現と…あとは俳優の技量次第。

(スタジオ内はおサル地獄のセット準備中)
スタッフ:ヨーイ…アクション!
エイプ・オブ・デス:ハワード・ムーン。お前は、永遠の業火に飛び込まねばならぬ!その悪行のためにな。
ノエル:
(セットの陰から)弁護士になるために勉学に励んでいたリッチ・フルチャー、
    今やエイプ・オブ・デスの衣装に身を包んでおります!

(「ボロ」のワン・シーン)
ハワード:でも、ボロは品行方正だったぞ。
エイプ・オブ・デス:しかし、お前は狐にたかった。
ハワード:そりゃデマだ。

リッチ:あらすじの一つが、ハワードが狐にたかってた、って話だ。


 ジャック・クーパー

(「ボロ」のワン・シーン)
ハワード:元気か?ジャック。
ジャック:俺に近づくな。

ノエル:ジャック、大好きだね。メインキャラクターにしたかったくらいだ。

(字幕:ジャック・クーパー,オーディション撮影)
ジャック:そして、ハワードとヴィンスは森へおさらばさ!森の奥、深く、深くに、危険地帯へと踏み込むのだ!

ノエル:どの声を当てれば良いのか分からなくってさ。色んな人の声を試してみた。
    いろんな人のね。ダスティン・ホフマンとか…他に誰だっけ?
ジュリアン:ランディ・ニューマン。
ノエル:ピート・タウンゼント。…色んな人で試したよな?
ジュリアン:うん。

(字幕:アンドリュー・ミッチェル,オン・ライン編集者)
ミッチェル:失せろ!いいな?

ノエル:編集のそいつってのが、マジですごいグラスゴー訛りなんだ。それでそいつがジャック・クーパーの声になった。

(セットの裏から、ノエルがエイプ・オブ・デス姿のリッチに呼びかけている。)
ノエル:クーパーってのは、いじめっこだぞ!みんなクーパーっぽいところがあるんだ。
リッチ:俺もクーパーっぽいぞ。
ノエル:そうか?
リッチ:ああ!
ノエル:お前と、クーパー、ジャガーで三人組か?
リッチ:宗教的な理由で抜けたんだ。あいつは、超マヌケヤローの貧乏ヤローのクーパーヤロー!
ノエル:あっはっは!
リッチ:は〜ら減った〜!

リッチ:あのエイプ・オブ・デスときたら、汗だくモノだったよ。勘弁してくれよ〜、股間まで汗だくだ!

(スタジオにて)
スタッフ:よーい…アクション!

(「ボロ」より、エイプ・オブ・デスのハードロック)
エイプ・オブ・デス:♪俺はおサル魔王 お構いなしさ なんてったて、素敵な髪型のサルだから ふんわりフワフワ!♪


 ブーシュ・ミュージック

ノエル:ザ・マイティ・ブーシュには音楽がどっさり入ってるよな、ジュリアン?
ジュリアン:うん。
ノエル:お前がほとんど一手に引き受けてるんだ。
ジュリアン:そう。

(「チャーリー」のワン・シーン)
ガム怪人:♪チャーリーがやってくる チャーリーがやってくる 風船ガムのチャーリーがやってくるぞ♪

ジュリアン:音楽は俺の…そう、俺の母であり、父でもある。

(「ボロ」のワン・シーンから。スタジオの片隅へ。ノエルがジュリアンのギターに合わせて歌っている。)
ノエル:♪♪太陽は輝き きみはゴキゲン 小鳥たちは木々で歌っている♪

ノエル:短い変な歌もやるじゃん、例えば、カマラマダァ〜ン(ロバをおさえろ)…
ジュリアン:そうだな。

(「ジャングル」のワン・シーン)
ハワード&ヴィンス:♪ラマを押さえろ〜 海の底深くの フジツボみたいに真っ青 
              固い岩場にかじりつく サルみたいに大笑い 
              中国の少年みたいに 必死にひっぱる
              カラウェイ カラウェイ カラウェイ ドカン!
              ボイーン!チカ!マサラ,ボイーン!チカ!マサラ!
              おお〜う!前歯、奥歯、ヒューツ!!♪

ノエル:すっかり疲れきってしまうと、喋るのも億劫になる。

(字幕:リハーサル 2003年 , リハーサル室のジュリアンとノエル)
ノエル:♪おいらは真夏,おいらはガスパッチョ きみは真夏, おいらはクルトン…♪

ジュリアン:演奏するのは…足踏みパイプとか…
ノエル:えらい古いやつとか。
ジュリアン:ええと…モロッコの鈴付きの靴とか…
ノエル:あらん限りの、色々な楽器とか。

(セット裏のジュリアン、オフにしたギターでブルース・フレーズ)

ノエル:顔だって同じようなもんだろ。演奏って点では。
ジュリアン:顔面だな。
ノエル:顔面。
ジュリアン:うん。ええ…
ノエル:ジュリアンは、いろんな人の顔つきから、色んな音を引き出すことが出来るんだ。
ジュリアン:まぁな。
ノエル:だれに教わった?ビル・オディじゃないか?
ジュリアン:彼はうまく…
ノエル:He lies down for you.
(求む、お助け!これ、一体どういう意味でしょう?)
ジュリアン:He lies down. 俺は、彼をオールでぶん殴ってやった。

ポール:僕が思うに、「エレクトロ」たぶん、ノエルのお気に入りエピソードだろう。
     つまり…自分の性別についてはぜんぜん疑問の余地もないのに、すっかり「男おんな」演技を楽しんでいたからね。
     このシーンで驚きなのは、「エレクトロ」の観客は全員ノエルとジュリアンの友達だ、って事。
     しかも全員、私服での出演を引き受けてくれた。

(「エレクトロ」のワン・シーン。ハワードの洋服が裂ける)
ポール:ハワードの服は、何度やっても一発でうまく裂けなくて、赤面モノだった。

(衣装を調整するジュリアン)
ジュリアン:ただ今、ズボンの縫い目を分解中。

(「エレクトロ」撮影風景)
スタッフ:958,テイク・ワン
スタッフ:ポール、きみがオーケーを出したら、すぐにアクション…カウントダウンな。よし、行こう。スリー・ツー・ワン…ゴー!


 リハーサルと脚本,監督

(リハーサル風景)
ジュリアン:よし、わかった。
リッチ:いいぞ。
ジュリアン:これ、俺のスーツケース?
リッチ:そうだ。備忘録。白人は嫌いだ。

ノエル:俺らがリハーサルをしている時に、ポール・キングに俺らのディレクターになってもらった。
    彼の監督方法は普通と違うよな?
ジュリアン:うん。
ノエル:ピチピチの海パンはいて、うまくやらないと、電気警棒を持ち出すんだ。

(パイロット撮影)
ハワード:ハイ、私はハワード・ムーン。動物園にようこそ。ええと…こっちはヴィンス・ノワー。私のアシスタント。
      ふぅ!ええと…こいつがここに飛び出してきたのは、
      ディレクター,ポール・キングのちょっとナイスな指導のお陰であります。

ポール:リハーサルをしようとするとき、ノエルとジュリアンはまず書き上げた脚本の始まりと終りの青写真から始めるんだ。
    あの二人は話の落ち着くべきところに、方向付けている。

ノエル:ルーズなやり方だよ。俺らは、スタッフのやりたいようにやってもらってるし。
    リッチは俺らの頼みごとなんかについては何も言わないけど、結局リッチの台詞を書くのを、俺らは放棄しちまう。

(リハーサル風景)
リッチ:ヘイ、ヴィンス。いい髪形だな。俺のもそういう風にできるかな?
    ムーン、今すぐ、私のオフィスに来い。すぐにだぞ、おサル野郎。

リッチ:ほとんんどが直感的で…本能的なんだよな…ええと、どこの国の言葉でどう言っても構わないけど。
    「クンディ・サーラ」とか…

ジュリアン:撮影の時、はっきり言ってまだまだ脚本に選択の余地が残っているな。
       まだ固めきらない要素とかが沢山あるんだ。例えば、ルディの名前とか。

(リハーサル)
ジュリアン:他の人は私をホットと呼ぶ…
リッチ:愛情表現か。
ジュリアン:またある者は、私を「はな」と呼ぶ。「鼻があるから!」

(撮影前のスタジオ,「ジャングル」のルディのシーン撮影の為に、顔を黒く塗ったジュリアンと、ノエルが、台詞のすり合わせをしている。)
ジュリアン:ある者は私をラーダと呼び、またある者はバッハと呼ぶ。
ノエル:ある者は「酸素」と呼ぶ…
ジュリアン:ある者は私をガナーノと呼ぶ。
ノエル:ひぃ…(笑)
ジュリアン:オオキャミに食われた。
ノエル:何に食われたって?
ジュリアン:オオキャミ。
ノエル:オオキャミ?
ジュリアン:そう。
ノエル:あっはっはっは…!

(「ジャングル」のワン・シーン)
ヴィンス:あんた、誰?
ルディ:私は様々にゃ名前で呼ばれてきた。
ヴィンス:たとえば?
ルディ:我が古き良き、ミステリアスにゃ時代をさみゃように生きてきたのだ。


 ブーシュ・ダンス

(「キラールー」のダンスシーンの準備が進む。)
ダンサーの一人:よく食ったよ。
マイケル:これを毎週金曜日に着るんだよ。殺されそう。

デイヴ:俺は都会で流行る歌とか、ダンスとかを少しは知ってたからね…
    それにあの二人は、自分たちで出来る事はまかなおうと決めてた。
    なんだか知らないけど、いつの間にか俺はブーシュの振付師になっていた。
    ダンスは全部、撮影の何週間か前にジュリアンが俺にCDをくれて、
    それを聞いてから色々アホっぽい動きを試してみるんだ。だいたい、キャラクターや音楽にインスパイアされて出来る。

(「ジャングル」のモッズ・ウルフ,ダンスシーン)
デイヴ:モッズ・ウルフは死ぬほど暑くて、息も出来ないような衣装でのダンスの、好例だ。
    被り物で前が見えないし。それでも顔は正面を向いたまま、どうにかダンスを仕上げた。
    リハーサルでは、ジーンズにTシャツだったのが、本番では三つ揃いのスーツに、頭には馬鹿でかい狼の被り物だ。
    えらい困ったけど、結局はうまく撮れたと思うな。

(「ジャングル」撮影風景,セットでノエルが食事中。)
ノエル:リンゴをいただいております…これが中々、不思議なもんで…
スタッフ:ビヨンセっぽいな。
ノエル:黄金あるところに、リンゴを食う俺様あり。

リッチ:「俺はクリケットが嫌いだ!」って言う、丁度良い音楽がって、それで「ちょっと踊ってみて良いだろう?」って提案した。
(「キラールー」,フォッシルのダンスシーン)
リッチ:信じられないかもしれないけど、私には特に振付師は居ない。ダンスが好きなんだ。
    見せたがりだってのは、認めるよ。

フォッシル:…と言う訳で、クリケットが嫌いです。

ポール:リッチはずっとあのスタイルで踊ってるな。まさにソロ・ダンサーさ。

(「ミュータント」のダンスシーン)
ノエル:俺らは、「スリラー」(マイケル・ジャクソン往年のヒット曲)みたいのにそそられたな。
ジュリアン:ああ。「スリラー」みたいにしたかった。ミュータントのブレイク・ダンスとかな。

デイヴ:俺なんて実際、リノリウム床のせいで、額にひでぇ火傷をしてしまった。「ミュータント」のダンスシーンで、
    床にダイブした時だよ。でも、撮影の最終日だったし、ワン・テイクしか撮れなかったから。
    ビィーっとやっちゃっても、そのまま。それから1週間は額にすごい痕が残ってた。
    すげぇ、馬鹿みたい。ブーシュための犠牲ってやつだな。


 ブーシュ・アニメーション

ノエル:「チャーリー」は妙なエピソードだ。俺ら的にはお気に入り順に並べたら最後になるんだけど、
    沢山のブーシュ・ファンが好きらしくて、言うんだよ。「『チャーリー』大好き」って。

(「チャーリー」の撮影シーン)
ガム怪人:チャーリー、チャーリー!

(「チャーリー」のアニメーション)
ノエル:「チャーリー」のアニメーションは凄いよ。

(「チャーリー」より、アニメーション・シーン)
ヴィンス:1976年の夏の日、チャーリーはアリス・クーパーのコンサートから家に帰ろうとしていた。
     ところが、チャーリーは路上で溶け始めてしまった。

ノエル:俺のアート・カレッジからの友達のナイジェル・コーン。彼が…
ジュリアン:彼が作ったんだ。
ノエル:それから、パートナーのイヴァーナ・ゾーンな。あの二人は、ニップル(乳首)って言う、
    アニメーション製作会社をやっているんだ。

(字幕:イヴァーナ・ゾーン&ナイジェル・コーン,ブーシュのアニメーター)
ナイジェル:あの二人がシリーズ1を書いているときに、私のところに来て。アニメーションを入れたかったんだ。
       全てのエピソードに入れたがったけど、それは無理だった。

ノエル:何せ、おれはアート・カレッジに行っていたからさ。実際、大好きなんだよ、お馬鹿な絵を描くのに没頭しちゃうんだ。

(ノエル、自作の絵を解説中)
ノエル:これは、カウボーイ姿の俺。こいつを描いた時はまだ七つだったけど、
    こいつは今あんたがオフィスで一緒になっている先輩の予兆だったんだな。

ナイジェル:なんと言っても、ノエルの絵が動くようにしているのが良いんだと思うよ。何せ、自然に描いてくるからね。
       チャーリーについてはノエルが持ってきたのは…ええと、確か、ノートに半分くらいの絵だったかな。
       僕らはその絵を話の展開に載せて、いくつかのヴィジュアル的なジョークを挟んでいった。
       ちょっとした馬鹿なジョークさ。それから、ノエルに付け加えるべきことを提案する。
       それからまたノエルがキーになるチャーリーやエリック・フィリップスの声をやる。
       二人の男が、画面の前を横切るだろう。あれはノエルの親父さんと、叔父さんの70年代なんだって。
       ほかの幾つかのキャラクターとか、色々他の事はイヴァーナがこなして…
       イヴァーナは他の背景とかを全部描いて、それから僕がコンピューターで合成する。
       要は切ったり貼ったりで、ノエルが最終的に声を入れて、出来上がるんだ。
       (ブライアン)フェリーはうまくできた方だな。

(「ヒッチャー」より、森のブライアン・フェリー・アニメ)
ヴィンス:俺が子供だった時、森でブライアン・フェリーに育てられた。素晴らしいところだった。
     魔法のような時代さ。俺はブライアンと一緒に森を歩き回るのが好きだった。
     俺らはいつも狩りをしたり、魚釣りをしたり。俺たちはバスの切符で出来た小さな家に住んでいた。ステキな所だ。

ナイジェル:最後のエピソードはメランコリーで、暗い雰囲気だったから、
       アニメも、「風船ガムのチャーリー」よりも、暗い感じで仕上げたかった。
       オープニング・アニメーションは、音楽からすぐに思いついた。
       「Come with us now on a journey through time and space」って台詞が入るから。
       最初のアイディアでは、ブーシュに登場するキャラクターが列を成して、
       ノエルとジュリアンに率いられて道を行進し、動物園に入っていくとなっていたけど、ちょっと高望みしすぎだな。
       それで、ノエルの描いた絵にインスパイアされて、思いつくままに描き始めたんだ。
       ノエルが見せたキャラクターが沢山あって…
       ノエルはカウボーイだの、ミントだの、ポロだの、モンキー頭だの、ヒッチャーだの…あれはみんな…
イヴァーナ:そう…全てがシンボルね。


 ブーシュの本質?

アリソン・マクファイル:ブーシュを実際に見たとき、みんなが「これが好きだ」って気づくと思うわ。
              ただ単にアホっぽいし…こういうのは、最近のテレビにはあまり無いわね。
              ノエルとジュリアンは市場の需要との大きなギャップを、一生懸命埋めようとしていると思うの。

ジュリアン:だいたいの人は、馬鹿馬鹿しいものに、びびるもんだ。
ノエル:うん!
ジュリアン:馬鹿をやってのけるのは、まずいことだとしたら、難しいだろう。狂気じみた…おそろしく狂気じみた事になる。
ノエル:受け入れられないだろうな。

ナイジェル:ものすごく独特で他に類を見ないものだから、常識とマッチさせるのは非常に困難だろう。

ジュリアン:馬鹿をやることをよしとするのは、難しい。でも、それこそ俺たちが挑みたい事、やり遂げたい事なんだ。
      俺たちは別に特段シュールって訳じゃない。シュールだ、って評されてるけど、
ノエル:違うな。
ジュリアン:全てはきちんと説明のつくことなんだ。実際は全然シュールリアリズムなんかじゃなくて…俺は大好きさ。
       シュールな要素はたしかにあるけど、やっぱり理論的なんだ。
ノエル:本当にシュールなものってのは、誰かの足の内側にあるもんじゃないか?

リッチ:自分なりのやり方ではあるけど、いくらか片のつくことはできるよ。その…俺にも…そう、…どうも。

デイヴ:オーケー。もう行くよ。俺からは十分だろ。…ああ、もう!

ジュリアン:動きたくな〜い…死にそう…あ〜あ…
ノエル:俺は、平気だよ。良ければ、あと3時間でもつきあう。


 エンディング 

(メイク室のジュリアン)
ジュリアン:魔法が見てみたいか、デイヴ?ここでは無理だぞ。電源切るぞ。魔法の電源を切るぞ。


(終)
 
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