「私の言う事を聞いて欲しいの、」

「君の言う事を聞こう。」

泰雄は真面目に答えた。

「約束して、」

「約束するよ。」

「私の願いを、かなえてくれるのね、」

「君の願いを、かなえよう。」

泰雄は苦笑いだった。

「もう1つの願いも、聞いて欲しいの、」

純子は、きわめて普通にそう言った。

「多分それは出来ない。」

泰雄は首を振った。